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コンクリート受入検査とは?スランプ許容差・空気量・塩化物量の判定基準を整理

けんせつる

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「生コン車が現場に来たらすぐ打設していいの?スランプの許容差ってどれくらいなの?

何を確認すればいいの?」

この記事の要点

コンクリートの受入検査は、生コン車が現場に到着してから打込み開始までの間に行う品質確認です。施工管理では次の4項目を押さえましょう。

  • スランプ試験:指定スランプに対して許容差±1.5cm>±2.5cm(JIS A 5308)。指定値を外れたら打込み禁止。
  • 空気量試験:普通コンクリートは4.5%(許容差±1.5%。AEコンクリートは凍結融解対策で規定あり。
  • 塩化物含有量試験0.30kg/m3以下(JASS 5)。鉄筋腐食・塩害防止の限界値。
  • 圧縮強度用供試体の採取:28日材齢の圧縮強度試験に使う供試体(φ100×200mmまたはφ150×300mm)を打込み前に採取する。

受入検査が必要な理由

生コンクリートは工場で製造してミキサー車で搬送されますが、搬送中に水が分離したり、渋滞で練り混ぜ時間が長くなったりすることで品質が変化する場合があります。

受入検査は「設計で指定した品質のコンクリートが、打込む時点で正しく到着しているか」を確認するための工程ですね。検査を省略して不合格品を打設してしまうと、構造体の強度不足・鉄筋腐食・耐久性低下につながります。

根拠規格は JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)と JASS 5(鉄筋コンクリート工事)です。受入検査の種類・頻度・判定基準はどちらも参照する必要があります。

スランプ試験の許容差

スランプはコンクリートの流動性(やわらかさ)を示す指標で、専用の金属製コーン(スランプコーン)に充填して引き抜いた際の「沈下量(cm)」で表します。

指定スランプ(cm)許容差
2.5±1.0cm
5・6.5±1.5cm
8±1.5cm
10・12・15・18±2.5cm
21±1.5cm

ザックリ言えば、スランプ8cm未満は許容差が小さく(±1.0?±1.5cm)、10~18cmでは±2.5cmと幅が広くなります。試験で「スランプの許容差は±何cm?」

と問われる場合、指定値によって異なる点に注意が必要です。

スランプが許容差を超えていた場合(大きすぎ・小さすぎ問わず)は、原則として打込み禁止となります。現場の判断で「まあいいか」と打設してしまうことがトラブルの原因になります。

不合格品を打設したことが後で判明すると、最悪の場合は解体・打ち直しになるので要注意ですね。

スランプの許容差(8cm以下→±1.5cm・8cm超→±2.5cm)の規定は、公共建築工事標準仕様書(下図)の表6.5.1に示されています。

公共建築工事標準仕様書 表6.5.1 コンクリートのスランプ許容差・6.5節品質管理
出所:公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和4年版 p.49 表6.5.1 コンクリートのスランプの許容差(8cm以下→±1.5cm・8cm超→±2.5cm)および6.5節 品質管理一般

空気量試験の基準値

コンクリート中に含まれる微細な気泡(エントレインドエア)の量を測定します。JIS A 5308 では、コンクリートの種類ごとに次のとおり規定されています。

コンクリートの種類規定空気量許容差
普通コンクリート4.5%±1.5%
軽量コンクリート5.0%±1.5%
高強度コンクリート指定値による±1.5%

空気量が多すぎると圧縮強度が低下し(空気量が1%増えると強度が約5%低下するとされる)、少なすぎると凍結融解への抵抗性が下がります。普通コンクリートの目安値「4.5%±1.5%(3.0~6.0%)」を覚えておきましょう。

塩化物含有量試験の基準値

コンクリート中に過剰な塩化物イオンが含まれると、鉄筋が腐食して膨張し、かぶりコンクリートが剥落する「塩害」が起こります。そのため JASS 5 では、

と定めています。海砂を骨材に使う場合や海岸近くの現場では特に注意が必要で、受入検査で必ず測定します。

空気量の許容差(±1.5%)および塩化物含有量(0.30 kg/m³以下)の規定は、公共建築工事標準仕様書(下図)の6.5節に示されています。

公共建築工事標準仕様書 6.5.3空気量許容差±1.5%・6.5.4塩化物含有量0.30kg以下規定
出所:公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和4年版 p.50 6.5.3 空気量(許容差±1.5%)・6.5.4 塩化物量(0.30 kg/m³以下)およびアルカリ骨材反応の規定

圧縮強度用供試体の採取

コンクリートの圧縮強度は、打込み時に採取した供試体(円柱形の試験体)を28日間養生後に試験して確認します。

28日後の圧縮強度が設計基準強度(Fc)を下回った場合は、コア採取による構造体強度の確認が必要になる場合があります。供試体の養生方法が不適切だと試験値が正確に出ないため、採取・養生手順も確認すべきでしょう。

施工管理の確認手順

生コン車到着から打込み開始までの流れは次のとおりです。

管理人からのコメント

建設技術者向け研修資料や現場失敗事例集に記録される失敗として、「生コン車の渋滞遅延でスランプが大きくなっていたが、検査結果を記録しないまま打込んでしまった」というケースがあります。受入検査の記録は竣工書類として発注者・設計者に提出するため、不合格品を打設した記録が残ると後で大問題になります。

「不合格が出たらどうするのか」を事前に元請け・設計監理者・生コン会社の三者で共有しておくことが重要です。返送・打設中止の判断基準を着工前に打合せておきましょう。

混同しやすい用語の整理

スランプ vs スランプフロー

スランプ:一般的なコンクリートの流動性指標。コーンを引き抜いた後の「沈下量(cm)」で表す。


スランプフロー:高流動コンクリート・自己充填コンクリートに使う指標。コーンを引き抜いた後の「広がり直径(mm)」で表す。


→ 使用する指標はコンクリートの種類によって異なる。

設計基準強度(Fc) vs 調合管理強度(Fm)

設計基準強度(Fc):構造計算で必要な圧縮強度。設計図書に記載される。


調合管理強度(Fm):品質管理の誤差・温度補正等を加えた実際の製造目標強度。Fc + 補正値(3~6N/mm2程度)。


→ 生コン工場への発注強度は調合管理強度を使う。

一問一答

Q1. JIS A 5308で、スランプ指定値が10~18cmの場合のスランプ許容差はいくらか。

A. ±2.5cm。スランプ指定値が10cm12cm15cm18cmのいずれも許容差は±2.5cm

Q2. 普通コンクリートの空気量の規定値(JIS A 5308)はいくらか。

A. 4.5%(許容差±1.5%)。許容範囲は3.0~6.0%となる。

Q3. コンクリートの塩化物含有量の上限値(JASS 5)はいくらか。

A. 0.30kg/m3以下(塩化物イオン量として)。超えた場合は鉄筋腐食・塩害の原因になるため打込み禁止。

Q4. 圧縮強度用供試体はいつ採取するのか。

A. 荷卸し時(打込み前)にミキサー車から採取する。3本1組が基本で、28日材齢後に圧縮強度を測定する。

まとめ

RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。

参考資料

  • JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)
  • JASS 5(鉄筋コンクリート工事)日本建築学会
  • 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)国土交通省
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建築業界の実務経験をもとに、建築施工管理の用語・施工手順・混同しやすい違いを整理しています。

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