けんせつる
供試体って何?どんな場面で使うの?
この記事の要点
供試体(テストピース)とは、コンクリートの圧縮強度を確認するためにコンクリート打設時に採取する円柱形の試験体です。
打設後28日間養生して圧縮強度試験を行い、設計基準強度を満足しているかを確認します。施工管理者は採取・養生・試験・合否判定の全工程を把握しておくと現場判断に迷わない。
コンクリートは打設してしまうと中を確認できません。
供試体は「同じ生コンで作った試験体を壊して強度を調べる」という方法で品質を確認する仕組みです。
供試体はコンクリートの荷卸し時(生コン車から打設するタイミング)に採取します。
ザックリ言えば、「生コン車から取り出したコンクリートを型枠に詰めて固めたもの」が供試体です。
供試体の採取基準(150m³以下ごとに1回・3本1組)および養生方法は、公共建築工事標準仕様書(下図)の6.9.3に示されています。
供試体の養生方法によって試験結果の意味が変わります。
| 養生方法 | 概要 | 用途 |
|---|---|---|
| 標準養生(水中養生) | 20±2℃の水中または湿潤状態で養生する | コンクリートの設計基準強度を確認するための基準養生。調合管理強度の合否判定に使う |
| 現場水中養生 | 現場の環境温度の水中で養生する | 構造体コンクリート強度の確認(材齢28日の設計基準強度判定に使用) |
| 現場封かん養生 | 型枠を脱型した後に密封して現場気温で養生する | 型枠存置期間の判断・脱型時期の確認に使う |
ここは混乱しやすいところですね。「標準養生の28日強度」が設計基準強度の合否判定に使われる正式な数値です。
現場養生は参考値として使います。
採取・養生した供試体は試験機関(公的試験機関または社内試験)に提出して圧縮強度試験を行います。
JASS 5の規定では、以下の2条件を両方満たすことが必要です。
例えば、設計基準強度Fc=24N/mm2の場合、各回の試験結果が調合管理強度を満足し、3回の平均が24N/mm2以上であれば合格となります。
なんとなくイメージできましたか。単発で基準を超えるだけでなく、継続的に安定した強度が出ていることが求められます。
調合管理強度の判定基準(3回の試験結果の平均・調合管理強度の85%以上等)は、公共建築工事標準仕様書(下図)の6.9.4に示されています。
供試体の強度試験が不合格になった場合、コンクリートを打設した部材の強度が不足している可能性があります。
混同しやすい用語の整理
標準養生は20±2℃の水中で28日間養生する方法で、調合管理強度の合否判定に使います。現場封かん養生は脱型後に現場気温で養生する方法で、型枠を外してよい時期の判断に使います。
同じ生コンから採取しても養生方法が違えば結果が異なります。
設計基準強度(Fc)は設計で想定する圧縮強度の下限値です。調合管理強度はバラツキを考慮してFcより割増した製造目標強度で、1回の試験結果はこの値以上でないと不合格になります。
コンクリート供試体の標準的なサイズと採取本数は?
直径10cm×高さ20cmの円柱形。JASS 5では打設区画ごとに3本を1組として採取する(7日・28日・予備用)。
3本の試験結果の平均値で合否を判定する。
調合管理強度の合否判定に使う養生方法は?
標準養生(20±2℃の水中養生)。現場養生では実際の施工環境の影響を受けるため、設計基準強度の合否判定には標準養生28日の試験結果を使う。
現場水中養生した供試体は何の確認に使うか?
構造体コンクリート強度の確認(材齢28日の設計基準強度判定)。標準養生は調合管理強度の判定、現場封かん養生は脱型時期の判断に使う。
JASS5では供試体の採取頻度はどのように定められているか?
打込み日・工区ごと、かつ150m3以下ごとに1回採取する。150m3以下という上限量が試験でよく問われる。
(出題例:一級建築士平成30年 学科5問110)
RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。
> コンクリートの受入検査と打設管理のポイントを確認する
> コンクリートの養生方法と施工管理のポイントを確認する
参考資料
・JASS 5 鉄筋コンクリート工事(日本建築学会)
・JIS A 5308 レディーミクストコンクリート
・公共建築工事標準仕様書(建築工事編)国土交通省
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
供試体の採取・養生・試験は規定どおりに行い、記録を残してください。標準養生(水中養生)と現場封かん養生の目的の違いを理解して使い分けが必要です。
試験結果が不合格の場合は設計者・監理者への即時報告と対応協議が必要です。