ゼロから学ぶ建築施工管理

  1. HOME
  2. RC・鉄骨
  3. > かぶり厚さ

かぶり厚さとは?建基令79条・JASS 5の設計値を部位別に整理|RC施工管理の確認ポイント

本ページはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。

けんせつる

けんせつる

「かぶり厚さって何ミリ必要なの?スラブと柱で違うの?

屋内と屋外でも変わるの?」

この記事の要点

かぶり厚さとは、鉄筋の外面からコンクリート表面までの距離のことです。

施工管理では、次の3点を押さえます。

  • 最小かぶり厚さ(建基令79条):スラブ・非耐力壁は20mm以上、柱・梁・耐力壁は30mm以上、土に接する壁・柱・床・梁は40mm以上、基礎は60mm以上。これは法的な下限値です。
  • 設計かぶり厚さ(JASS 5):仕上げなし・屋内ならスラブ30mm・柱梁40mm。屋外は各+10mm、土に接する柱梁壁床は50mm・基礎は70mm。実際の管理値はこちらです。
  • 確認のタイミング:鉄筋組立後・コンクリート打設前の配筋検査で、スペーサーの種類・間隔・かぶり厚さを確認します。

まず、かぶり厚さがどこの寸法なのかを断面で押さえます。

柱の断面図。コンクリート表面から最も外側の鉄筋(帯筋)の表面までの距離がかぶり厚さ
かぶり厚さは、コンクリート表面から最も外側の鉄筋(柱なら帯筋)の表面までの距離。内側の主筋までではない点に注意。(位置を示す模式図で、寸法は実寸ではありません)

これから受験する人は受験ガイド、教材選びはおすすめ参考書・過去問もどうぞ。

わかって合格る 1級建築施工管理技士 第一次検定 基本テキスト

テキスト本命わかって合格(うか)る 1級建築施工管理技士 第一次検定 基本テキスト

TAC出版/図解が多く全体像をつかみやすい定番。分野の用語は、この1冊で流れを押さえてから過去問に入ると解きやすくなります。

価格・在庫は各販売ページでご確認ください。1級2級の参考書・過去問の比較もどうぞ。

かぶり厚さが必要な理由

鉄筋コンクリート(RC)構造は、コンクリートの圧縮強度と鉄筋の引張強度を組み合わせた構造です。かぶり厚さが不足すると次の問題が起こります。

言い換えると「かぶりは鉄筋を守るためのコンクリートの盾」です。厚ければ厚いほど耐久性・耐火性が上がりますが、増やしすぎると断面が大きくなるため、規格値との兼ね合いで決まります。

最小かぶり厚さ(建基令79条)の数値

建築基準法施行令第79条は、鉄筋コンクリート造の最小かぶり厚さの下限を規定しています。

部位最小かぶり厚さ
スラブ(床・屋根)・耐力壁以外の壁20mm以上
耐力壁・柱・梁30mm以上
直接土に接する壁・柱・床・梁・布基礎の立上り部分40mm以上
基礎(布基礎の立上り部分・捨コンクリートを除く)60mm以上

土に接する部分は2段階に分かれる点に注意します。地中梁のように「直接土に接する梁」は40mm以上で、60mm以上が必要なのは基礎(フーチング等)です。地中梁を一律60mmと覚えると誤りです。

この数値は「最低限これ以上確保しなければならない」という法律の下限値です。実際の設計では JASS 5 の「設計かぶり厚さ」(施工誤差を見込んで最小値にさらに余裕を持たせた値)を使います。

設計かぶり厚さ(JASS 5)の数値

JASS 5(日本建築学会 鉄筋コンクリート工事)では、仕上げの有無・環境(屋内・屋外・土に接する)によって設計かぶり厚さを定めています。

仕上げなしの場合(コンクリート打放し・防水層のみ等)

部位屋内屋外土に接する部分
スラブ・非耐力壁30mm40mm50mm
柱・梁・耐力壁40mm50mm50mm
基礎(フーチング等)70mm

設計かぶり厚さは最小かぶり厚さ+10mmが目安です。土に接する柱・梁・床・壁は最小40mm+10mmで50mm、基礎は最小60mm+10mmで70mmと、こちらも2段階に分かれます。

仕上げありの場合(モルタル塗・タイル張等の仕上げ層がある)

部位屋内屋外
スラブ・非耐力壁20mm30mm
柱・梁・耐力壁30mm40mm

仕上げありの場合は仕上げ材自体が保護層になるため、コンクリート面からのかぶり厚さが小さくなります。試験ではどちらのケースか(仕上げあり・なし)を確認することが重要です。

かぶり厚さの規定は、公共建築工事標準仕様書(下図)の表5.3.6に示されています。

公共建築工事標準仕様書 表5.3.6 鉄筋のかぶり厚さ 屋内屋外土接触別規定
出所:公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和4年版 p.37 5.3.5 鉄筋のかぶり厚さ及び間隔:表5.3.6 最小かぶり厚さ(仕上げあり/なし・屋内/屋外・土に接する部分の区分)

独学で二次検定(施工経験記述)の書き方に不安があるなら、添削が受けられる独学サポート事務局の通信講座で早めにたたき台を用意しておくと安心です。

スペーサーの種類と使い分け

スペーサーとは、型枠と鉄筋の間に挟んでかぶり厚さを確保するための部材です。

部位や環境によって適切な種類が異なります。

種類材料主な使用部位
モルタルスペーサー(サイコロ)モルタル製壁・柱・梁の側面。コンクリートとの一体性が高い
プラスチックスペーサー合成樹脂製スラブ(床)の下端筋に多用。軽量で扱いやすい
鋼製スペーサー(ウマ)鋼材スラブ上端筋の高さ確保。上下筋の間隔を保持する

モルタル製スペーサーは外部・露出部位への使用は避けます。ひび割れ・剥落のリスクがあるためです。

施工管理での確認ポイント

かぶり厚さの施工管理は、鉄筋組立が完了した後・コンクリートを打設する前の配筋検査で行います。打設後に修正できないため、配筋検査が唯一の確認機会と考えるべきです。

過去問でどう問われたか

かぶり厚さは、令和5年度から令和6年度にかけて2級でくり返し問われています。引っかけは大きく2パターンです。

年度・級・No. 問われ方/引っかけ
2級 令和6年後期 No.19 直接土に接する布基礎立上り部のかぶりを30mmとした → 40mm以上 ←①部位ごとの数値
2級 令和5年前期 No.39 (四肢択二)かぶりを鉄筋の中心から測るとした/土に接するスラブのかぶりに捨コンの厚さを含めるとした → 表面から測る・捨コンは含まない ←②測り方

つまりかぶりは鉄筋の表面から測り、土・水に近い部位ほど大きく取る(捨コンクリートは含まない)のが核心です。各行は該当する過去問解説にリンクしています。

かぶり不足は打設後に直せない

見落としやすいのが、スペーサーのずれ・外れによるかぶり不足です。「スラブの下端筋スペーサーが転がって外れていた」「型枠の釘で押されてずれていた」というトラブルが現場で起こります。

特に広いスラブでは、配筋後に職人が上を歩くとスペーサーが動くことがあります。

かぶり厚さは、打設してしまうと直せません。だからこそ配筋検査が唯一の確認機会で、「鉄筋径・間隔・継手長さ・定着長さ」と合わせて「かぶり厚さ(スペーサー)」を、打設前日の最終確認まで一緒に見ます。

混同しやすい用語の整理

最小かぶり厚さ(建基令79条) と 設計かぶり厚さ(JASS 5)

最小かぶり厚さは、建築基準法施行令79条が定める法律上の下限値です。これを下回ると違法になります。

設計かぶり厚さは、JASS 5 が定める設計・施工の目標値です。施工誤差を見込んで最小値より+5~10mm程度大きく取り、図面・仕様書に記載されます。

施工管理で実際に使うのは設計かぶり厚さのほうです。最小かぶり厚さは、あくまで法律の下限と覚えます。

かぶり厚さ と 有効高さ(有効せい)

かぶり厚さは、鉄筋外面からコンクリート表面までの距離で、耐久性・耐火性の管理値です。

有効高さは、圧縮縁から引張鉄筋の中心までの距離で、断面の曲げ・せん断強度の計算に使う設計値です。

どちらも鉄筋位置に関わりますが、用途が異なります。

理解度チェック

Q.

建築基準法施行令79条で定める、耐力壁・柱・梁の最小かぶり厚さはいくらか。

30mm以上。スラブ・非耐力壁は20mm以上、土に接する壁・柱・床・梁は40mm以上、基礎は60mm以上

Q.

JASS 5 の設計かぶり厚さで、仕上げなし・屋外の場合の柱・梁の値はいくらか。

50mm。仕上げなし・屋内は40mm、屋外は+10mm50mm

Q.

仕上げなし・基礎の設計かぶり厚さ(JASS 5)はいくらか。土に接する柱・梁とはどう違うか。

基礎は70mm(最小60mm10mm)。土に接する柱・梁・床・壁は50mm(最小40mm10mm)で、基礎より小さい。

Q.

かぶり厚さの施工管理確認は、いつ行うべきか。

配筋検査(鉄筋組立完了後・コンクリート打設前)に実施する。スペーサーの種類・間隔・設置状態を確認する。

まとめ

RC工事の施工管理全体はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。

1級建築施工管理 第一次検定 問題解説集

過去問本命1級建築施工管理 第一次検定 問題解説集

地域開発研究所/用語を覚えたら過去問演習で定着。解説が丁寧な正統派。2級は2級のおすすめ参考書から。

独学がきつい・第二次の経験記述に不安があるなら、添削まで付く通信講座も選択肢です。経験記述の添削・独学サポート事務局を見る内容と料金の解説

独学の教材は1級のおすすめ参考書・過去問に、試験のしくみ・勉強法は受験ガイドにまとめています。

参考資料

  • 建築基準法施行令 第79条(鉄筋のかぶり厚さ)
  • JASS 5(鉄筋コンクリート工事)日本建築学会
  • 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)国土交通省

資格を取ったら、次はキャリアと年収

施工管理は人手不足で売り手市場です。今の待遇に不満があるなら、建設業界に強い転職エージェントに相談だけでもしておくと、自分の市場価値と選択肢が見えます。

建設業界専門の転職エージェント【RSG建設転職】▶

登録・相談は無料

独学で合格をめざすなら

使うテキスト・過去問で迷ったら、定番をまとめたこちらもどうぞ。

けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

経験記述の添削・通信講座

独学がきつい、第二次の経験記述が不安。そんな人は添削まで付く通信講座も選択肢です。

独学サポート事務局を見る ▶

内容・料金は公式で確認

けんせつる

けんせつる

施工管理の用語・過去問・受験ガイドを、初心者向けにやさしく案内します。

Topへ >>