けんせつる
「冬のコンクリート打設って何を気をつければいいの?気温が何度以下で寒中コンクリートになるの?
夏の場合は?」
この記事の要点
コンクリートは温度の影響を受けやすく、低温では凍結・強度不足、高温では急激な乾燥・ひび割れが起こります。施工管理では次の管理区分と数値を押さえましょう。
| 区分 | 適用条件(JASS 5) | 主なリスク |
|---|---|---|
| 寒中コンクリート | 日平均気温4℃以下になることが予想される期間 | コンクリートの凍結・初期凍害・強度発現不良 |
| 暑中コンクリート | 日平均気温25℃を超える時期 | 急激な乾燥・スランプ低下・ひび割れ・急激な強度発現 |
ザックリ言えば「4℃以下になりそうな時期は寒中、25℃超の時期は暑中」という区分です。試験ではこの気温の数値が問われるので、4℃と25℃の両方は確実に押さえておくべきですね。
コンクリートは打込み後の初期段階に凍結すると、水分が膨張して組織が破壊され(初期凍害)、その後どんなに養生しても本来の強度が回復しません。
寒中コンクリートの適用基準および材料・調合の規定は、公共建築工事標準仕様書(下図)に定められています。
気温が高いとコンクリートは練混ぜから打込みまでの間にスランプが低下しやすく、打込み後は急乾燥によるプラスチック収縮ひび割れが発生しやすくなります。夏場の打設では打込み完了まで時間を短縮することが重要ですね。
暑中コンクリートの適用基準(日平均気温25℃超)・打込み温度35℃以下・練混ぜから打込み終了90分以内の規定は、公共建築工事標準仕様書(下図)で確認できます。
混同しやすい用語の整理
寒中コンクリート:JASS 5 の定める温度基準に基づく特別管理区分。日平均気温4℃以下の期間に適用。
冬期施工:暦の上の冬(12~2月等)に行う施工の総称。必ずしも寒中コンクリートの管理が必要な状態とは限らない。
→ 施工管理では「冬期施工だから」ではなく「日平均気温4℃以下になるかどうか」を気象予報で判断する。
初期凍害:コンクリートが硬化前・初期強度不足の段階で凍結して受けるダメージ。回復不能。
凍結融解(凍害):硬化後のコンクリートが繰り返し凍結融解されて受けるダメージ(スケーリング・ひび割れ)。AE剤・空気量管理で対策する。
→ 施工段階で防ぐのが「初期凍害防止」、竣工後の耐久性が「凍結融解対策」。
Q1. JASS 5 で寒中コンクリートとして管理が必要な気温条件はいくらか。
A. 日平均気温が4℃以下になると予想される期間に適用する。
Q2. 暑中コンクリートとして管理が必要な気温条件はいくらか。
A. 日平均気温が25℃を超える時期。打込み時のコンクリート温度を35℃以下に抑えることが求められる。
Q3. 寒中コンクリートで、初期凍害に対する抵抗性が確保される目安となる圧縮強度はいくらか。
A. 5N/mm2以上。この強度を確保するまでは凍結させないよう保温・加熱養生を継続する。
Q4. 寒中コンクリートで打込み時のコンクリート温度の目標範囲はいくらか。
A. 5℃以上20℃以下。外気温が低い場合は練混ぜ水・骨材を加熱してコンクリート温度を確保する。
RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。
参考資料
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
現場で見落としやすいのは「暑中コンクリートの適用開始時期の判断」です。JASS 5 の日平均気温25℃超という基準は「月の日平均気温が25℃を超える可能性がある時期」を指し、実際には6月下旬?9月頃が対象になることが多いです。
生コン工場にも暑中用の配合を発注するタイミングが遅れると、受入検査でスランプが基準を下回る等のトラブルが起きます。着工前に「寒中・暑中の切替え時期と配合変更のタイミング」を施工計画書に明記し、生コン工場・設計監理者と共有しておきましょう。