けんせつる
「ガス圧接継手って何を確認すればいいの?ふくらみの大きさって何ミリ以上必要なの?
ずれ・折れの基準は?」
この記事の要点
ガス圧接継手の施工管理では外観検査の合否判定基準を押さえることが重要です。主な数値は4つです。
ガス圧接継手は、鉄筋同士を接触させてガス(酸素・アセチレン等)で加熱しながら圧力をかけて溶接する工法です。鉄筋端面が高温で塑性変形し、両者が一体化することで連続した鉄筋と同等の強度が得られます。
ザックリ言えば「熱と圧力で鉄筋をくっつける継手」ですね。コンクリートを打設する前に行い、圧接後は外観検査(目視)と、必要に応じて超音波探傷試験(UT)で品質を確認します。
JASS 5 および鉄筋継手工事標準仕様書(日本鉄筋継手協会)では、外観検査の合否判定を次の4項目で行います。
| 確認項目 | 合格基準 | 不合格時の対応 |
|---|---|---|
| ふくらみの直径 | 鉄筋径(d)の1.4倍以上 | 再加熱・再加圧または切断再施工 |
| ふくらみの長さ(軸方向) | 鉄筋径(d)の1.1倍以上 | 再加熱・再加圧または切断再施工 |
| 圧接面のずれ(偏心量) | 鉄筋径(d)の1/4以下 | 切断して再施工(矯正は不可) |
| 折れ曲がり角度 | 2°以下 | 矯正または切断再施工 |
「d」は圧接する鉄筋の呼び径のことです。例えばD25(径25mm)を圧接する場合、ふくらみ直径は1.4×25=35mm以上・ふくらみ長さは1.1×25=27.5mm以上必要ですね。鉄筋径の規格については鉄筋規格も確認しておくと判断しやすいです。
外観試験の合否基準および超音波探傷試験の規定は、公共建築工事標準仕様書(下図)の5.4.10に示されています。
ふくらみが数値を満たしていても、形状が不良な場合は不合格になることがあります。
外観検査で問題がない場合でも、内部欠陥(未溶着・割れ等)を確認するために超音波探傷試験(UT)を行います。UTは自主検査の一環として実施し、結果を記録します。
超音波探傷試験で不合格となった場合の措置は、公共建築工事標準仕様書(下図)の5.4.11に定められています。
混同しやすい用語の整理
ガス圧接継手:鉄筋端面を加熱・加圧して一体化させる継手。外観検査・UT検査で品質管理する。
重ね継手:鉄筋を一定長(定着長さの基準に基づく)だけ重ねてコンクリートで定着させる。継手位置の集中を避ける必要がある。
機械式継手:カプラー等の機械的な連結器で鉄筋を接続する。引張試験で品質確認。
→ 継手の種類によって検査方法・管理基準が異なる。
ふくらみ直径:鉄筋の外径方向のふくらみのサイズ。1.4d以上。
ふくらみ長さ:鉄筋の軸方向のふくらみのサイズ(幅)。1.1d以上。
→ 「直径は太さ(1.4倍)、長さは幅(1.1倍)」と覚えると混同しにくい。
Q1. ガス圧接継手の外観検査で、ふくらみ直径の合格基準は鉄筋径(d)の何倍か。
A. 1.4倍以上。例:D25の場合は直径35mm以上のふくらみが必要。
Q2. ふくらみの軸方向の長さ(ふくらみ長さ)の合格基準は鉄筋径(d)の何倍か。
A. 1.1倍以上。例:D25の場合は27.5mm以上の長さが必要。
Q3. 圧接面のずれ(偏心量)の合格基準はいくらか。
A. 鉄筋径(d)の1/4以下。ずれが大きい場合は矯正不可・切断して再施工。
Q4. ガス圧接継手の折れ曲がりの合格基準はいくらか。
A. 2°以下。2°を超える場合は矯正または切断して再施工する。
RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。
参考資料
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
気をつけたい問題として「ふくらみ直径は基準を満たしているが形状がいびつで、UT検査で内部欠陥が発見された」ケースです。ガス圧接は作業者の技能に依存する部分が大きく、同じ現場でも作業者によって品質にばらつきが出やすい工種です。
施工管理者は圧接作業者が「ガス圧接技量付与機関の技量付与証明書」を持っているかを確認し、技量のランク(鉄筋径の対応範囲)が当該工事の鉄筋径に対応しているかを確認します。特にD32以上の太径鉄筋を圧接する場合は、技量のランク確認が重要です。