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けんせつる
コンクリートの調合設計って何?どんな場面で使うの?
この記事の要点
コンクリートの調合設計とは、強度・ワーカビリティ・耐久性の目標を同時に満たすように、水・セメント・骨材・混和剤の割合を決める作業のことです。
施工管理者が理解すべき主なポイントは単位水量の上限・AE剤と減水剤の役割・骨材最大寸法の制限の3つです。納品書の確認や受入検査でこれらが設計値と合っているかをチェックします。
コンクリートの調合は生コン工場が行いますが、施工管理者も基本的な考え方を知らないと、納品書を見ても何が正しいのか判断できません。
調合設計の知識は受入検査での確認精度に直結します。
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調合設計は「3つのバランス」を同時に満たすことを目標にしています。
| 目標 | 内容 | 調合上の関係 |
|---|---|---|
| 強度 | 設計基準強度(Fc)以上を確保する | 水セメント比を小さくするほど強度が上がる |
| ワーカビリティ | 打設・締固めがしやすい流動性を確保する | 単位水量を増やすと軟らかくなるが強度は下がる |
| 耐久性 | 中性化・塩害・凍害に対する抵抗性を確保する | 水セメント比を小さくし、AE剤で空気量を調整する |
言い換えると、「強くしようとすると施工しにくくなり、施工しやすくしようとすると弱くなる」というトレードオフを混和剤でうまく解消するのが調合設計のポイントです。
単位水量とは、コンクリート1m3あたりに使用する水の重量(kg)のことです。
水が多いほど軟らかくなりますが、余剰水は硬化後に蒸発して空隙(ブリーディング)を生じ、強度・耐久性が低下します。
JASS5では普通コンクリートの単位水量の上限を185 kg/m3以下と定めています。できる限り少なくすることが品質上の基本です。
例えば、単位水量を減らしながらワーカビリティを確保するために減水剤・高性能減水剤が使われます。
単位水量の上限(185 kg/m³)および骨材最大寸法の制限は、公共建築工事標準仕様書(下図)で定められています。
混和剤の中で最もよく使われるのがAE剤と減水剤です。ここは混乱しやすいところですね。
| 混和剤の種類 | 主な働き | 効果 |
|---|---|---|
| AE剤(空気連行剤) | 微細な独立気泡をコンクリート中に連行させる | 凍結融解抵抗性の向上・ワーカビリティの改善 |
| 減水剤 | セメント粒子を分散させ、同じワーカビリティで単位水量を減らす | 強度・耐久性の向上(水セメント比を下げられる) |
| AE減水剤 | AE剤と減水剤の両方の効果を持つ | 最も一般的に使われる。空気連行+減水の両立 |
| 高性能AE減水剤 | 大きな減水効果を持つ高性能タイプ | 高強度コンクリートや流動化コンクリートに使用 |
簡単にいうと、「AE剤は凍害対策の気泡を入れる薬剤」「減水剤は水を減らしても軟らかさを保てる薬剤」と覚えるとわかりやすいということです。
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骨材(砂・砂利)の最大寸法は、打設する部位の鉄筋のあきやかぶり厚さによって制限されます。JASS5(建築)では次のように定めています。
| 条件 | 粗骨材最大寸法の制限(JASS5) |
|---|---|
| 鉄筋の最小あき | 鉄筋の最小あきの4/5以下 |
| 最小かぶり厚さ | 最小かぶり厚さ以下 |
なお、土木学会のコンクリート標準示方書では「部材最小寸法の1/5以下、鉄筋のあきの3/4以下」と規定されており、建築(JASS5)とは数値が異なります。混同しないよう注意しましょう。
一般的な建築工事(梁・柱・スラブ)では粗骨材最大寸法を25mmとすることが多く、壁などの薄い部材では20mmが採用されることがあります。
骨材が大きすぎると鉄筋のあきに入らず、充填不良(ジャンカ)の原因になります。
混和材とは混和剤と異なり、セメントの一部を置き換える量の多い材料です。
| 混和材 | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| フライアッシュ | 石炭火力発電の副産物。長期強度の発現・ワーカビリティ改善 | マスコンクリート・水密コンクリートなど |
| 高炉スラグ微粉末 | 製鉄の副産物。潜在水硬性により長期強度が高まる | 耐硫酸塩性・水密性が求められる構造物など |
| シリカフューム | 非常に細かい粒子。超高強度コンクリートに使用 | 高強度コンクリート(設計基準強度60N/mm2超等) |
コンクリートの調合は、令和5年から令和7年まで1級・2級で問われています。引っかけは大きく3パターンです。
| 年度・級・No. | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 1級 令和7年 No.26 | 単位セメント量の最小値を240kg/m³とした → 270kg/m³ ←①規定値 |
| 1級 令和5年 No.56 | (五肢択二)偏平な骨材がワーカビリティーがよいとした/21N/mm²のスランプを21cmとした → 球形がよい・18cm程度 ←③性質・②スランプ |
| 2級 令和6年後期 No.38 | スランプを工場出荷時の値で指定するとした → 荷卸し地点の値で指定する ←②スランプ |
つまりスランプは荷卸し地点の値で指定する(工場出荷時ではない)。調合の規定値や数値・指定地点を取り違えるのが誤りです。各行は該当する過去問解説にリンクしています。
混同しやすい用語の整理
混和剤はコンクリート全体量に対してごく少量添加する薬剤で、AE剤・減水剤・AE減水剤などが該当します。混和材はセメント量の一部を置き換えるほど多量に使う材料で、フライアッシュ・高炉スラグ・シリカフュームなどが該当します。
量の多少で区分されています。
設計基準強度(Fc)は設計で想定する最低限の圧縮強度です。調合管理強度はコンクリートのバラツキを考慮して実際の製造目標とする強度で、設計基準強度よりも割増しされます。
現場で採取した供試体の試験結果はこの調合管理強度を満足しているかで合否判定します。
普通コンクリートの単位水量の上限はいくらか?
185 kg/m3以下(JASS5)。単位水量が多いとブリーディングが増加し、強度・耐久性が低下するため、できる限り少なくする。スランプを確保するために減水剤を使うのが一般的。
AE剤を使う主な目的は何か?
コンクリート中に微細な独立気泡を連行させることで、凍結融解に対する抵抗性を高めること。同時にワーカビリティも改善される。
寒冷地や凍結融解環境で特に重要。
骨材の最大寸法は鉄筋の最小あきに対してどのような制限があるか?
JASS5(建築)では、粗骨材最大寸法は鉄筋の最小あきの4/5以下、かつ最小かぶり厚さ以下。骨材が大きすぎると鉄筋の隙間に入らずジャンカの原因になる(土木示方書では部材最小寸法1/5・鉄筋あき3/4以下で数値が異なる)。
RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。
> コンクリートの品質管理指標(スランプ・空気量・塩化物含有量)を確認する
> コンクリートの受入検査と打設管理のポイントを確認する
> アルカリ骨材反応(アルカリシリカ反応)とは?ASRのしくみ・ひび割れ・抑制対策を確認する
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参考資料
・JASS 5 鉄筋コンクリート工事(日本建築学会)
・JIS A 5308 レディーミクストコンクリート
・公共建築工事標準仕様書(建築工事編)国土交通省
※ この記事の法令確認日:2026年5月
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スランプ不足でも現場で水を足してはいけない
コンクリートの調合設計は水セメント比が中心です。設計基準強度・耐久性区分から目標強度を設定し、配合計画書が現場の条件(気温・輸送時間)と一致しているか確認する。AE剤・減水剤の使用量は配合試験で決定した値を守るよう管理します。
スランプが不足しても、現場で勝手に加水するのは絶対禁止です。水セメント比が狂って強度・耐久性が大きく低下するため、規格外は返品で対応します。