けんせつる
高力ボルトの仮締めと本締めってどう違うの?
この記事の要点
高力ボルトは鉄骨接合部を高い締付け力で固定するボルトです。締付けは仮締め(一次締め)→マーキング→本締め(二次締め)の順で行います。
本締め方法はトルクコントロール法(トルク値で管理)とナット回転法(回転角で管理)の2種類があります。締付け完了はマーキングのずれで確認します。
鉄骨造(S造)の接合部は高力ボルトで締め付けて固定します。
高力ボルトは通常のボルトより高い締付け力(軸力)を与えることで、高力ボルト摩擦接合の原理で力を伝達します。施工管理者は締付けの手順・方法・確認方法を把握しておくと現場判断に迷わない。
ザックリ言えば、「一次締め(仮)→マーキング→二次締め(本)」の3段階で管理し、締付け完了はマーキングのずれで確認するということです。
| 方法 | 管理方法 | 特徴 |
|---|---|---|
| トルクコントロール法 | 規定のトルク値(導入トルク)で管理 | キャリブレーションされたトルクレンチを使用。シャーボルト(ピンテール破断で確認)・S10Tもこの分類 |
| ナット回転法 | 一次締め後のナット回転角(1/3回転?)で管理 | 接合部の板厚・ボルト径に応じた回転量が規定される |
どちらを採用するのかは設計図書・仕様書で指定されます。現場では指定された方法に従って管理します。
なんとなくイメージできましたか。
高力ボルトの締付けは、接合部の中央から外側に向かって(または中央のボルトから順番に)締め付けることが基本です。外側から締めると接合板が不均一に密着して中央に隙間が生じることがあります。
接合部の中央から外側へ順に締付けます。
一次締めと同方向(中央から外側)で本締めを行います。
例えば、本締め済みか未締めかを後からわかるようにするために、マーキングの状態を部位ごとに写真で記録します。マーキングがないと目視で確認できません。
高力ボルトの一次締めトルク・本締め後の確認規定は、公共建築工事標準仕様書(下図)の7.4.7に示されています。
混同しやすい用語の整理
一次締めは部材を密着させるための仮の締付け(規定の一次締めトルク値で管理)。二次締め(本締め)は所定の軸力(締付け力)を導入する最終締付けです。
マーキングを挟んで2段階で締付けます。
トルクコントロール法はトルク(ねじりの強さ)で管理。ナット回転法はナットを回した角度(回転量)で管理します。
どちらも適切な軸力を導入するための方法で、採用する方法は設計図書・仕様書で指定されます。
高力ボルトの種別(F10T・S10T等)と標準ボルト張力の規定は、公共建築工事標準仕様書(下図)の表7.4.1に示されています。
高力ボルトの本締め完了を確認する方法は?
マーキングのずれ量を確認する。一次締め後に入れたマーキングが、本締めにより所定の回転角だけずれていることを全数確認する。
高力ボルトの締付け順序の基本は?
接合部の中央から外側に向かって(中央のボルトから)締付ける。外側から締めると中央に隙間が生じる可能性がある。
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RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。
参考法令・規格
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
仮締めは手締めの後にインパクトレンチで軽く締めるだけです。本締めは2回締め(1次・2次)で管理します。
1次締め後のマーキングを必ず行い、2次締め後の回転量を確認してください。