けんせつる
「コンクリートをどこで打ち継いでいいの?梁の端はダメって言うけど、どこならOKなの?
打継ぎ面は何を処理するの?」
この記事の要点
コンクリートの打継ぎ位置は、構造上の弱点になりやすいため、せん断力が小さい部位に設定します。施工管理では次の規則を押さえましょう。
RC造の工事では、1度の打設でフロア全体を打設できるほど大型のポンプ車を使うことがありますが、型枠の強度・作業員の配置・コンクリート量の都合で1日に打てるコンクリートの量には限りがあります。そのため床ごと・工区ごとに分けて打設し、一度固まったコンクリートの上に次の打設を行うのが「打継ぎ」です。
ザックリ言えば「固まったコンクリートと新しいコンクリートの境界線」が打継ぎ面ですね。この境界は構造上の弱点になりやすいため、「どこに打継ぎを設けるか」と「接合面をどう処理するのか」が施工管理の要点です。
梁・スラブの打継ぎ位置は、せん断力が小さい部位に設定します。JASS 5 では一般に次の範囲を推奨しています。
端部(柱との接合部付近)はせん断力が最大になる箇所で、打継ぎを設けると弱点になるため避けます。「端から1/4は打継ぎを避ける」と覚えておくと施工管理で使いやすいですね。
柱の打継ぎは、以下の位置に設けます。
壁の打継ぎも基本的に同じ考え方です。柱の中間や梁の中間に打継ぎを設けることは、構造安全性上原則として認められていません。
設計図書で特に指示がない限り、設計担当者に確認してから位置を決めましょう。
旧コンクリートが固まった後、打継ぎ面を適切に処理してから新コンクリートを打設します。
この4手順を順番通りに行うことが、打継ぎ面の接合強度を確保するうえで不可欠でしょう。
打継ぎ位置(梁・スラブはスパン中央付近・柱は基礎上端またはスラブ天端)と打継ぎ面処理の規定は、公共建築工事標準仕様書(下図)の6.6.4に示されています。
混同しやすい用語の整理
打継ぎ:旧コンクリートが固まった後に新コンクリートを接合する施工。固まってから行う点が重要。
打重ね:まだフレッシュな状態(固まる前)のコンクリートの上に次のコンクリートを打設する。連続した一体のコンクリートになる。
→ 「打継ぎ」は境界面が弱点になりやすい。「打重ね」は許容時間(コールドジョイント発生限界)以内であれば一体化する。
ブリーディング水:コンクリート打設後、比重の重い骨材・セメントが沈降し、軽い水分が表面に浮き出る現象。
レイタンス:ブリーディング水とともに表面に浮き上がったセメントの微粒子・脆弱な層。
強度が低く打継ぎ面に残ると接合が弱くなる。
→ 打継ぎ前にレイタンスを除去する必要がある。
Q1. 梁・スラブのコンクリート打継ぎ位置として避けるべき部位はどこか。
A. 端部(支点付近・端からスパンの1/4以内の部分)。この部位はせん断力が最大になるため打継ぎを避ける。
Q2. 柱のコンクリート打継ぎ位置として適切な箇所はどこか。
A. 基礎の上端またはスラブの天端(梁下)。柱の中間には原則として打継ぎを設けない。
Q3. 打継ぎ面の処理で除去しなければならない旧コンクリート表面の脆弱な層は何か。
A. レイタンス。ブラシ・高圧水洗浄等で除去してから散水湿潤後に新コンクリートを打継ぐ。
Q4. 打継ぎ前に旧コンクリート面を散水湿潤にする理由は何か。
A. 乾燥した旧コンクリートが新コンクリートの水分を吸収すると、接合面の水セメント比が変化して強度が低下するため。
RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。
参考資料
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
打継ぎ位置の管理で現場で見落としやすいのは「設計図に明示されていない打継ぎ位置を現場判断で決めてしまう」ケースです。梁端部・柱中間に打継ぎを設けると構造的な問題になることがあります。
打設計画書に打継ぎ位置を明記し、設計監理者の承認を受けておくことが重要です。また、打継ぎ面のレイタンス除去のタイミングは「旧コンクリートが初期強度を発現した後(打設後12~24時間程度)」が最適で、完全硬化後では処理が困難になります。
打継ぎ処理の担当者・タイミング・方法を工程表に明記しておきましょう。