ゼロから学ぶ建築施工管理

  1. HOME
  2. 施工管理の基礎知識
  3. > ガントチャートとは?

ガントチャートとは何か:バーチャートとネットワーク工程表の使い分け

本ページはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。

けんせつる

けんせつる

ガントチャートとバーチャートって同じもの?ネットワーク工程表と何が違うの?

この記事の要点

ガントチャート工程表は、縦軸に作業項目・横軸に各作業の達成度(進捗率)を置き、その作業が今どこまで進んだかを横棒で表した工程表です。各作業の進捗状況は一目でわかりますが、各作業の所要日数や全体の工期はわかりません

横軸に日程(時間)を取って施工時期を表すのがバーチャート工程表で、施工管理技士試験ではこの2つを区別します。どちらも作業間の関連は表せないため、依存関係やクリティカルパスを管理したいときはネットワーク工程表を使います。

ガントチャート工程表とは、縦軸に作業、横軸に達成度(進捗率)を取り、各作業が今どこまで進んだかを横棒で示した工程表です。

横軸が「日程」ではなく「達成度」である点が、バーチャート工程表との決定的な違いになります。

ガントチャートとバーチャートの横軸の違いの模式図
図:ガントチャート(横軸=達成度)とバーチャート(横軸=日程)の違い(位置関係をつかむための模式図。棒の長さ・位置は説明用の例で実際の数値ではありません)

これから受験する人は受験ガイド、教材選びはおすすめ参考書・過去問もどうぞ。

わかって合格る 1級建築施工管理技士 第一次検定 基本テキスト

テキスト本命わかって合格(うか)る 1級建築施工管理技士 第一次検定 基本テキスト

TAC出版/図解が多く全体像をつかみやすい定番。分野の用語は、この1冊で流れを押さえてから過去問に入ると解きやすくなります。

価格・在庫は各販売ページでご確認ください。1級2級の参考書・過去問の比較もどうぞ。

ガントチャートは何を示す工程表なのか

ガントチャートは、縦軸に作業項目、横軸に各作業の達成度(0〜100%)を取り、それぞれの作業が今どこまで進んだかを横棒の長さで表します。

長所は、各作業の進捗状況が一目でわかることです。「どの作業が予定より遅れているか」を見える化するのに向いています。

一方で短所もはっきりしています。横軸が達成度なので、各作業の所要日数や開始・完了の時期、全体の工期はわかりません。作業どうしの関連も表せません。

言い換えると、「各作業の進み具合(%)だけを並べた横棒グラフ」です。だから日程そのものの管理には向きません。

バーチャートとはどう違うのか

ここは試験でも実務でも混乱しやすい。両者の決定的な違いは横軸に何を取るかです。

項目 ガントチャート バーチャート
横軸達成度(進捗率%)日程(時間・日付)
主にわかること各作業の進捗状況(達成度)各作業の所要日数・施工時期
わからないこと所要日数・全体工期・作業間の関連作業間の関連(順序・影響)

例えばバーチャート工程表は、縦軸に作業、横軸に日付を取り、各作業の着手から完了までを横棒で表します。各作業の所要日数や施工時期がわかる一方、作業どうしのつながりが線で結ばれないため、ある作業が延びたときの影響が読み取りにくいという短所があります。

ガントチャートは「達成度」、バーチャートは「日程」と覚えておくと、横軸を入れ替えた試験の引っかけに対応できます。

一般的なプロジェクト管理ソフトやビジネスの場面では、横軸に時間を取った横棒工程表のことを「ガントチャート」と呼ぶことがほとんどです。ただし施工管理技士試験では、達成度を横軸とするものをガントチャート、時間を横軸とするものをバーチャートと区別して出題されます。同じ言葉が二通りに使われる点に注意が必要です。

独学で二次検定(施工経験記述)の書き方に不安があるなら、添削が受けられる独学サポート事務局の通信講座で早めにたたき台を用意しておくと安心です。

ネットワーク工程表との使い分け

ガントチャートもバーチャートも、共通して作業間の関連(どの作業が終わらないと次が始められないか)を表現できません。これを補うのがネットワーク工程表です。

項目 ガントチャート バーチャート ネットワーク工程表
横軸・表し方達成度(%)日程(時間)矢線で作業を結ぶ
各作業の進捗(達成度)○ わかる
所要日数・工期×○ わかる
作業間の関連××○ 明示できる
クリティカルパス××○ 把握できる
作成の手軽さ△ 知識・ツールが必要

例えば「型枠解体が終わらないとコンクリート養生に進めない」という依存関係は、ガント・バーチャートでは見えません。工事が複雑になるほど、ネットワーク工程表で依存関係とクリティカルパスを管理することが重要になります。

実務では、全体スケジュールの共有にはバーチャート、詳細な日程と工期短縮の検討にはネットワーク工程表、というように使い分けます。ガントチャートは各作業の達成度(出来高)の管理に使われます。

まちがえやすいポイント

試験で一番ねらわれるのが「横軸の取り違え」です。バーチャートの横軸を『達成度』、ガントチャートの横軸を『日程』と入れ替えた選択肢が、よく不適当肢として並びます。

ガントチャート=達成度、バーチャート=日程。この対応だけは反射で答えられるようにしておく。なお、現場で日常的に使う横棒工程表は時間軸のバーチャートで、達成度のガントチャートは出来高の管理に使われます。

過去問でどう問われたか

2級の第一次検定では、平成28年度から令和7年度まで前期・後期ともにほぼ毎回、バーチャート工程表が出題されています。引っかけは大きく次の3つのパターンです。

年度・級・No. 問われ方/引っかけ
2級 令和7年後期 No.32横軸(イ)を「各工事の達成度」→正しくは各工事の日数。修正(ロ)は「しにくい」が正しい組合せ ←②横軸の取り違え/①役割の取り違え
2級 令和7年前期 No.32作業を細分化すると作業間の関係が「把握しやすくなる」→正しくは把握しにくくなる ←①役割の取り違え
2級 令和6年後期 No.32作業の相互関係・クリティカルパスが「把握しやすい」→正しくはネットワーク工程表が得意 ←①役割の取り違え
2級 令和6年前期 No.32重点管理すべき作業の判断が「しやすい」→正しくは判断しにくい(ネットワークの役目) ←①役割の取り違え
2級 令和5年後期 No.33作業間調整に伴う修正が「しやすい」→正しくは修正しやすいのはネットワーク工程表 ←①役割の取り違え
2級 令和5年前期 No.33作業を細分化すると作業間の関係が「把握しやすくなる」→正しくは把握しにくくなる ←①役割の取り違え
2級 令和4年後期 No.33重点管理すべき作業が「判断しやすい」→判断しにくい(クリティカルパス上の作業はネットワーク工程表が得意) ←①役割の取り違え
2級 令和3年後期 No.33作業を細分化して数を増やすほど「把握しやすくなる」→横線が増えてかえって全体が読みにくくなる ←③細分化のしすぎ
2級 令和2年後期 No.37〔最も適当を選ぶ〕横軸に達成度を取る/関連工事間の調整が有利 はいずれも誤り→横軸は時間・調整はネットワーク工程表が有利 ←②横軸・①役割
2級 令和元年後期 No.37クリティカルパスが「把握しやすい」→把握しにくい(分かるのはネットワーク工程表) ←①役割の取り違え
2級 令和元年前期 No.37作業を細分化すると「把握しやすくなる」→細分化しすぎると全体が読みにくくなる ←③細分化のしすぎ
2級 平成30年後期 No.37〔最も適当を選ぶ〕順序関係を明確に把握→ネットワーク/達成度を縦軸・時間を横軸→出来高累計曲線 ←①役割・②横軸
2級 平成30年前期 No.37多くの関連工事間の工程調整に「有利」→不利(有利なのはネットワーク工程表) ←①役割の取り違え
2級 平成29年後期 No.30〔最も適当を選ぶ〕相互関係・出来高の累積・クリティカルパスが把握しやすい はいずれも誤り→相互関係とCPはネットワーク・出来高は工程曲線 ←①役割
2級 平成29年前期 No.30横軸に工事の達成度をとる→横軸は暦日(達成度を軸に取るのは出来高曲線) ←②横軸の取り違え
2級 平成28年 No.30作業の順序関係を「明確に把握できる」→順序関係を示せるのはネットワーク工程表 ←①役割の取り違え

バーチャートで「作業の関連・修正・重点管理・クリティカルパスが把握しやすい」とあれば、それはネットワーク工程表の長所のすり替えで誤りです。横軸が「達成度」ならガントチャートとの取り違えと見抜きます。

理解度チェック

Q.

ガントチャートとバーチャートの違いは何か?

横軸に取るものが違う。ガントチャートは横軸が達成度(進捗率)で各作業の進み具合を示し、バーチャートは横軸が日程(時間)で各作業の施工時期・所要日数を示す。施工管理技士試験ではこの2つを区別する。

Q.

ガントチャートで表現できないことは何か?

各作業の所要日数・全体の工期と、作業間の関連(先行・後続の関係)・クリティカルパス。横軸が達成度なので日程はわからず、作業間の関連はネットワーク工程表で矢線として表現する。

Q.

ガントチャートよりネットワーク工程表の方が計算問題に向いている理由は何か?

クリティカルパスの計算・所要工期の算出など、数値を使った計算問題として出題しやすい構造を持っているから。ガントチャートは視覚的な読み取りが主で計算要素が少ない。

まとめ

ネットワーク工程表とは?を確認する

クリティカルパスとは?を確認する

施工管理の基本は施工管理にまとめています。

1級建築施工管理 第一次検定 問題解説集

過去問本命1級建築施工管理 第一次検定 問題解説集

地域開発研究所/用語を覚えたら過去問演習で定着。解説が丁寧な正統派。2級は2級のおすすめ参考書から。

独学がきつい・第二次の経験記述に不安があるなら、添削まで付く通信講座も選択肢です。経験記述の添削・独学サポート事務局を見る内容と料金の解説

独学の教材は1級のおすすめ参考書・過去問に、試験のしくみ・勉強法は受験ガイドにまとめています。

参考資料

・公共建築工事標準仕様書(建築工事編)「施工計画書の記載事項」

・建設業労働災害防止協会「施工管理技術テキスト」

資格を取ったら、次はキャリアと年収

施工管理は人手不足で売り手市場です。今の待遇に不満があるなら、建設業界に強い転職エージェントに相談だけでもしておくと、自分の市場価値と選択肢が見えます。

建設業界専門の転職エージェント【RSG建設転職】▶

登録・相談は無料

独学で合格をめざすなら

使うテキスト・過去問で迷ったら、定番をまとめたこちらもどうぞ。

けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

経験記述の添削・通信講座

独学がきつい、第二次の経験記述が不安。そんな人は添削まで付く通信講座も選択肢です。

独学サポート事務局を見る ▶

内容・料金は公式で確認

けんせつる

けんせつる

施工管理の用語・過去問・受験ガイドを、初心者向けにやさしく案内します。

Topへ >>