けんせつる
クリティカルパスって何?どんな場面で使うの?
この記事の要点
クリティカルパスとは、ネットワーク工程表において最長の経路(最も時間がかかる経路)のことです。クリティカルパス上の作業が1日でも遅れると、工期全体が遅れます。
クリティカルパス上の作業はフロート(余裕時間)がゼロです。施工管理者はクリティカルパスの作業を最優先で管理します。
工程管理では、多くの作業が並行・連続して進みます。その中で「この作業が遅れると工期全体が遅れる」という最重要経路がクリティカルパスです。
ここを見落とすと、遅れが発覚した時点で手の打ちようがなくなることもあります。では、クリティカルパスとは何か、現場でどう活かすのかを整理しましょう。
クリティカルパス(Critical Path)とは、ネットワーク工程表において始点から終点(工事完了)に至る経路のうち、最も所要日数が長い経路のことです。
特徴は次の3点です。
ザックリ言えば、「1日でも遅れたら工期全体が遅れる、フロートゼロの最長経路」ということです。ここを最優先で管理するのが工程管理の基本です。
フロート(float)とは、ある作業が工期を遅らせずに遅延できる最大の余裕時間のことです。
フロートには2種類あります。
フロートの詳細については専用記事で確認できます。
要は、フロートは「遅れても工期に影響しない日数の貯金」です。クリティカルパスはこの貯金がゼロの経路です。
例えば、躯体工事が遅れても設備工事・内装工事と並行して追いつける工種はフロートがある状態です。逆にコンクリート打設の前工程である型枠工事は遅れが即後工程に響く、クリティカルパス上の作業になりやすいです。
クリティカルパスの作業が遅れると工期全体が遅れるため、最優先で管理しなければなりません。
フロートに余裕がある作業は、資源(人・機械)をクリティカルパスの作業に振り向けることができます。また、工期短縮を図る場合はクリティカルパス上の作業を短縮することで全体工期を縮められることになります。
逆に言えば、クリティカルパス以外の作業を急かしても工期は縮まりません。ここを理解しているかどうかで、工程管理の効果が大きく変わってきますね。
建設業の時間外労働の上限規制(月45時間・年360時間等)は、厚生労働省の資料(下図)に示されています。
混同しやすい用語の整理
クリティカルパスはフロートがゼロの経路(最長経路)です。フロートはある作業が持てる余裕日数です。
クリティカルパス上の作業はフロートが0です。
最早開始時刻(EST)は最も早く着手できる時刻です。最遅開始時刻(LST)は工期を遅らせずに着手できる最も遅い時刻です。
両者の差がトータルフロートです。
新・担い手3法の概要(適正工期の確保・生産性向上・働き方改革の全体像)は、国土交通省の資料(下図)に示されています。
クリティカルパスとは何か?
ネットワーク工程表において始点から終点に至る最長の経路。フロート(余裕時間)がゼロで、遅れると工期全体が遅れる。
(出題例:1級令和2年 問56)
クリティカルパス上の作業のフロートは何日か?
0日(ゼロ)。
(出題例:1級令和2年 問56)
工期を短縮したい場合、どの作業を短縮するべきか?
クリティカルパス上の作業(フロートがゼロの作業)を短縮する。
> 工程表とネットワーク工程表の違いを確認する
> 工程管理と進捗管理の違いを確認する
施工管理の基本は施工管理にまとめています。
参考法令・規格
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
クリティカルパスは遅れが全体工期に直結する最重要ルートです。工程会議ではクリティカルパス上の作業の進捗確認を最優先してください。
フロートがゼロの作業は一日の遅れも許されないため、先行作業の完了確認が重要です。