けんせつる
バーチャートとネットワーク工程表って何が違うの?どっちを使うの?
この記事の要点
バーチャート工程表は工種ごとの期間を横棒で表す工程表です。視覚的にわかりやすい反面、工種間の依存関係(どの作業が終わらないと次が始められないか)が読み取りにくいです。
ネットワーク工程表は作業の前後関係を矢印(アロー)と丸(イベント)で表す工程表です。クリティカルパス(工期を決定する最長経路)とフロート(余裕時間)が明確になります。
工程管理とは、工事を予定通りに完了させるための管理です。
現場ではバーチャートとネットワーク工程表のどちらか(または両方)を使って工程を管理します。それぞれの特徴を理解することが、工程管理の第一歩です。
バーチャート工程表(横線工程表)は、縦軸に工種(作業)、横軸に日数・週数などの時間をとり、各工種の作業期間を横棒(バー)で表した工程表です。
ザックリ言えば、「いつからいつまで何の工事をするのか」が一目でわかる棒グラフなことになります。
ネットワーク工程表は、作業(アクティビティ)を矢印(アロー)で、作業の開始・完了をノード(丸印、イベント)で表し、全体の工程を網の目状のネットワークで示した工程表です。
アローダイアグラム(矢線式工程表)とも呼ばれます。
| 項目 | バーチャート工程表 | ネットワーク工程表 |
|---|---|---|
| 表現方法 | 横棒グラフ | 矢印(アロー)とノード(丸) |
| 作業間の依存関係 | 表現しにくい | 明確に表現できる |
| クリティカルパスの把握 | できない | できる |
| フロート(余裕時間)の把握 | できない | 計算で求められる |
| 視覚的なわかりやすさ | 高い | やや難しい |
| 作成・修正の容易さ | 容易 | 手間がかかる |
| 主な用途 | 現場説明・進捗管理・簡易な工程管理 | 工程計画・クリティカルパス管理・大規模工事 |
ネットワーク工程表において、クリティカルパスとは最初のイベントから最後のイベントに至るまでの経路のうち、所要日数が最大となる経路のことです。
クリティカルパス上の作業が1日でも遅れると、工期全体が1日遅れます。逆に言えば、クリティカルパス上にない作業には「フロート(余裕時間)」があり、多少遅れても工期全体には影響しありません。
クリティカルパスを把握することで、「どの作業を重点的に管理するのか」の優先順位が明確になることになります。
実際の現場では、バーチャートとネットワーク工程表を目的に応じて使い分けることが多いです。
フロートの計算方法は→ トータルフロートとフリーフロートの違いは?で解説しています。
建設業の時間外労働の上限規制(月45時間・年360時間等)は、厚生労働省の資料(下図)に示されています。
混同しやすい用語の整理
建設現場では同じ意味で使われることが多いですが、ガントチャートは厳密には進捗状況(実施分)を重ねて表示できるものを指す場合があります。現場では「バーチャート工程表」「ガントチャート」「横線工程表」はほぼ同義で使われています。
クリティカルパスは工期を決定する最長経路のことで、フロートがゼロです。フロートはクリティカルパス上にない作業の余裕時間のことです。
フロートが大きいほど、その作業は遅れても工期への影響が少ないことになります。
新・担い手3法の概要と適正工期確保の法制化は、国土交通省の資料(下図)に示されています。
ネットワーク工程表でクリティカルパスとは何か?
最初のイベントから最後のイベントに至る経路のうち所要日数が最大となる経路。クリティカルパス上の作業が遅れると工期全体が遅れる。
クリティカルパス上の作業のフロートはゼロ。
バーチャート工程表の欠点は何か?
工種間の依存関係(前後関係)が表現されないため、どの作業が遅れると工期全体に影響するのかが判断しにくい。クリティカルパスやフロートが把握できない。
> トータルフロートとフリーフロートの違いは?を確認する
施工管理の基本は施工管理にまとめています。
参考法令・規格
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
バーチャートは作成・読み取りが簡単で短工期に向き、ネットワークは工程の相互関係を明確にできます。大規模工事では両方を使い分けることが多く、バーチャートは日常管理、ネットワークは全体計画に使います。
どちらを選ぶかは工事規模・発注者の要求・自社の慣行で判断してください。