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けんせつる
バナナ曲線って何?S字になるのはなぜ?バーチャートと何が違うの?
この記事の要点
バナナ曲線(出来高曲線・累積出来高曲線)とは、工事の進捗(時間)に対する累積出来高(工事金額の%)をグラフ化した工程管理ツールのことです。工事の序盤・終盤はゆっくり進み、中盤に加速するためS字を描きます。
このS字曲線を上下にずらした上方許容限界(早期完了ライン)と下方許容限界(遅延ライン)の2本を合わせた形が「バナナ」に似ることから、バナナ曲線と呼ばれます。実績が2本の限界線の範囲内に収まっているかで進捗を管理します。
バーチャート工程表やネットワーク工程表は「いつ何をするか」を管理するのに対し、出来高曲線は「工事全体の出来高が今どこにあるか」を一目で把握するためのツールです。
発注者への工程報告・月次の進捗確認によく使われます。
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建設工事の出来高は工期を通じて均等に進むわけではありません。
工期の序盤は準備・仮設工事・地業工事などで出来高が上がりにくく、中盤(躯体工事・仕上げ工事の最繁忙期)に出来高が急増し、終盤は手直し・検査・撤収で再び出来高の増加が鈍化します。
この「序盤ゆっくり→中盤加速→終盤ゆっくり」の特性が、グラフをS字(英語では「S-curve」)にします。
言い換えると、「工事はゆっくり始まり、真ん中で猛ダッシュして、最後はまたゆっくり仕上げる」のがS字の理由です。
計画出来高のS字曲線1本だけでは、実績がどの程度ずれているかの許容範囲がわかりません。
そこで、計画曲線を上下にずらして2本の限界線を設けます。
| 線の種類 | 意味 | 位置 |
|---|---|---|
| 上方許容限界線 | これより実績が上回る場合は「工事が進みすぎ」→ 品質管理の手抜きや資材の先取り使用が疑われる | 計画曲線を上側にずらした線 |
| 計画曲線 | 理想の進捗ライン | 中央 |
| 下方許容限界線 | これより実績が下回る場合は「工事が遅延」→ 工程の遅れ対策が必要 | 計画曲線を下側にずらした線 |
この3本をグラフ上に重ねると、上方限界線と下方限界線が作る形が「バナナ」に見えることからバナナ曲線と呼ばれます。
許容範囲(上下の幅)は工事規模・工種の特性に応じて設定し、決まった標準値はありません。
なお国土交通省の土木工事施工管理基準では、工程に10%程度の遅れが生じた場合に工程の見直しを行うことが望ましいとされています。
計画のS字曲線を上下にずらして許容限界の帯をつくった全体像が、下の模式図です。
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月次進捗会議等で実績出来高を計画曲線と比較し、以下の判断をします。
| 実績の状態 | 判断と対応 |
|---|---|
| 上方限界線を超えている | 工事が計画より大幅に進んでいる。品質管理・安全管理の確認を優先する。次月以降の資材手配・人員配置に余裕が生まれる可能性がある |
| 計画曲線付近で推移 | 正常な進捗。継続管理する |
| 下方限界線を下回っている | 遅延発生。工程管理の見直しが必要。増員・残業・並行作業等の回復対策を検討・実施する |
実績が下方限界を下回ったときは、発注者への報告と工程挽回計画の提出が求められることが多いです。
各工程表には得意・不得意な使い方があります。
| 工程表の種類 | 主な用途・特徴 |
|---|---|
| バーチャート工程表 | 各工種の施工期間を時間軸上で管理する。「いつ何をするか」の把握が得意 |
| ネットワーク工程表(クリティカルパス) | 工種間の前後関係・余裕時間を管理する。「どこが全体工期に影響するか」の把握が得意 |
| バナナ曲線(出来高曲線) | 工事全体の累積進捗を金額ベースで管理する。「工事全体として今どこにいるか」の把握が得意。発注者への進捗報告に使いやすい |
実際の現場では、バーチャート工程表での日常管理と出来高曲線での月次進捗報告を組み合わせて使うことが多いです。
混同しやすい用語の整理
出来高曲線:累積出来高を時間軸でグラフ化したもの全般の呼称。S字を描く。
S字曲線(S-curve):出来高曲線の別称。グラフ形状がS字になることから。
バナナ曲線:出来高曲線(計画線)に上方・下方許容限界の2本を加えた3本セット。2本の限界線が作る形がバナナに似ることからの呼称。管理ツールとして使うときの呼び名。
→ 1本だけ描いたものが「出来高曲線・S字曲線」、3本セットにしたものが「バナナ曲線」という使い分けが一般的です。
建設工事の出来高曲線がS字になる理由は何か。
工事は序盤(準備・仮設工事)は出来高の増加が緩やかで、中盤(躯体・仕上げ工事の繁忙期)に急増し、終盤(手直し・検査・撤収)に再び鈍化するため、累積すると「ゆっくり→急増→ゆっくり」のS字になる。
バナナ曲線とは何か。
計画出来高曲線(S字曲線)に上方許容限界線と下方許容限界線の2本を加えた3本セットのグラフ。2本の限界線が作る帯状の形がバナナに似ることから呼ばれる。実績が帯の範囲内に収まっているかで進捗を管理する。
実績出来高が下方許容限界線を下回った場合、施工管理者は何をすべきか。
遅延が発生している状態。工程管理を見直し、増員・残業・並行作業等の工程挽回対策を検討・実施する。発注者への報告と挽回計画の提出が必要になる場合がある。
出来高曲線はバーチャート工程表と何が異なるか。
バーチャートは各工種の施工期間(いつ何をするか)を管理する。出来高曲線は工事全体の累積進捗を金額ベースで把握するためのツール。発注者への月次進捗報告に使いやすい。
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参考資料
・建設業法(昭和24年法律第100号)
・公共工事標準請負契約約款(中央建設業審議会)
・国土交通省 土木工事施工管理基準
※ この記事の法令確認日:2026年5月
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