けんせつる
ウレタン塗膜防水って何?どんな場面で使うの?
この記事の要点
ウレタン塗膜防水は液状ウレタン樹脂を塗り重ねる工法で継ぎ目がなく、複雑な形状の下地にも対応できます。
密着工法は下地に全面接着して新築向け。通気緩衝工法は脱気装置で下地の水蒸気を排出し、改修工事や下地に水分がある場合に適します。
ウレタン塗膜防水は、液状のウレタン樹脂を塗り重ねて防水層を形成する工法です。防水工法の種類の中では塗膜防水に分類されます。
液体を塗るため複雑な形状の下地にも対応できる柔軟性があり、屋上・バルコニー・廊下・ベランダなど幅広い箇所に使われます。
ウレタン塗膜防水は、2液型または1液型のウレタン樹脂を塗布・硬化させて防水層を形成します。
防水層の厚みは塗り重ねる回数・塗布量によって調整でき、一般的に2~3mm程度の防水層を形成します。
最大の特徴は継ぎ目(シーム)がないことです。シート防水は重ね部分が弱点になりますが、ウレタン塗膜防水は塗り重ねるため継ぎ目がなく、複雑な形状や入隅・出隅の処理が容易です。
密着工法は、下地にプライマーを塗布し、ウレタン樹脂を直接塗り重ねる工法です。
補強布(メッシュクロス)を入れることで防水層の強度を高める場合があります。
下地の乾燥が十分な新築時の施工に適しています。下地に水分が残っていると、乾燥時に発生する水蒸気がウレタン防水層を持ち上げて膨れ(フクレ)が生じます。
施工手順の例:プライマー塗布 → ウレタン樹脂1層目 → (補強布) → ウレタン樹脂2層目 → トップコート
通気緩衝工法は、下地にプライマーを塗布したあと、通気緩衝シート(穴あきシート)を全面に敷き込み、脱気装置(脱気筒)を設置してからウレタン樹脂を塗る工法です。
通気緩衝シートはウレタン防水層を下地から切り離す役割を果たします。脱気筒を通じて下地の水蒸気を外部に排出することになります。
なぜかというと、改修工事の下地コンクリートには長年蓄積した水分が残っています。その水蒸気が逃げられないと膨れが起きてしまうからです。
通気緩衝工法ならその問題を回避できます。
| 項目 | 密着工法 | 通気緩衝工法 |
|---|---|---|
| 下地との接着 | 全面接着 | 通気緩衝シートで絶縁 |
| 脱気装置 | 不要 | 必要(脱気筒を設置) |
| 下地の膨れリスク | 高い(水分があると膨れる) | 低い(水蒸気が逃げる) |
| 適した状況 | 新築・下地が乾燥している場合 | 改修・下地に水分がある場合 |
| 工程数 | 少ない | 多い(シート敷込みが加わる) |
ウレタン系塗膜防水の密着工法(X-1・X-2)と通気緩衝工法(Y-1・Y-2)の工程比較は、公共建築工事標準仕様書(下図)に示されています。
ザックリ言えば、「新築で乾燥した下地には密着工法、改修で水分が心配な下地には通気緩衝工法」ということです。
混同しやすい用語の整理
密着工法はウレタン樹脂を直接下地に塗るため、下地の水蒸気が逃げ場を失い膨れが起きやすいです。通気緩衝工法は通気緩衝シートで下地と防水層を絶縁し、脱気筒で水蒸気を排出するため膨れを防止します。
改修工事では通気緩衝工法を選択するのが一般的です。
アスファルト防水はシートを重ね張りする工法で高い防水性能があり、大規模屋上に適します。ウレタン塗膜防水は塗布するため継ぎ目がなく、複雑な形状・バルコニー・廊下など広範囲に使いやすい工法です。
ウレタン塗膜防水通気緩衝工法で脱気装置を設ける目的は?
下地の水蒸気を外部に排出し、防水層の膨れ(フクレ)を防止するため。
ウレタン塗膜防水密着工法の施工前に塗布する材料は?
プライマー(下地との接着性を高めるため)。
改修工事でコンクリート下地に水分が残る場合、ウレタン塗膜防水はどちらの工法が適するのか?
通気緩衝工法(絶縁工法)。
防水工事の種類と施工管理は防水・シーリングにまとめています。
> アスファルト防水を確認する
> 2面接着と3面接着を確認する
参考資料
・JASS 8 防水工事(日本建築学会)
・公共建築工事標準仕様書(建築工事編)国土交通省
・JIS A 5758 建築用シーリング材
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
ウレタン塗膜防水は膜厚管理が品質の要です。1層ごとの塗布量・乾燥時間を記録し、所定の総膜厚を確保してください。
通気緩衝工法では脱気筒の設置個数・位置を設計図書で確認します。