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けんせつる
アスファルト防水って何?どんな場面で使うの?
この記事の要点
アスファルト防水とは、アスファルトを含ませたシート(ルーフィング)を重ね張りして防水層をつくる工法です。
そのルーフィングにも種類があり、原料(紙・不織布・粗布)と用途が違います。製品名の数字の意味もそれぞれ異なるので、アスファルト防水材料の種類にまとめました。
施工方法に熱工法・トーチ工法・常温工法があり、施工環境・改修か新築かによって使い分けます。
絶縁工法(通気緩衝工法)は下地に全面接着せず脱気装置を設けることで、下地の水蒸気による防水シートの膨れを防ぎます。
アスファルト防水は、建築の防水工法の中で最も歴史が長く、信頼性の高い工法のひとつです。
施工方法によって熱工法・トーチ工法・常温工法に分類され、下地への接着方法によって密着工法・絶縁工法(通気緩衝工法)に分類されます。
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アスファルト防水とは、アスファルト(または改質アスファルト)を含浸・被覆したシートを重ね張りして防水層を形成する工法です。
複数層重ね張りすることで高い防水性能を確保できます。主に屋上・地下外壁・ピットなどに使われます。
防水層の厚みは工法・仕様によって異なります(標準的な仕上りで4mm前後)。
熱工法は、溶融アスファルトを加熱溶融して防水シートを接着する工法です。
ルーフィング類(防水シート)をアスファルトで溶着して重ね張りします。防水性能が高く信頼性があります。
ただし、アスファルトを溶かすための溶融釜(アスファルト釜)が必要であり、煙・臭気・火気の発生があります。
なぜかというと、アスファルトを液状にするには約220〜270℃まで加熱しなければならないからです。市街地では環境規制への対応が必要になる場合があります。
トーチ工法は、改質アスファルトシートをトーチバーナーで加熱溶融して接着する工法です。
溶融釜が不要なため施工性が高く、改修工事にも対応しやすいのが特徴です。
改質アスファルトシートはSBS(スチレン・ブタジエン・スチレン)などのポリマーを混合したアスファルトシートで、低温時の柔軟性と高温時の耐熱性が向上しています。
熱工法は「溶融釜でまとめてアスファルトを溶かして使う大規模工法」、トーチ工法は「バーナーで1枚ずつシートを溶かしながら貼る工法」です。
常温工法は、自着式(粘着式)の改質アスファルトシートを常温で貼り付ける工法です。
火気を使わないため、火気使用が制限される場所に適しています。
例えば、営業中のホテルや病院の屋上改修では、テナントや患者への影響を考えて常温工法が指定されることがあります。
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施工法(熱・トーチ・常温)と接着方法(密着・絶縁)は別軸の分類です。混同しやすいので分けて整理します。
| 項目 | 密着工法 | 絶縁工法(通気緩衝工法) |
|---|---|---|
| 下地との接着 | 全面接着 | 部分接着または非接着 |
| 脱気装置 | 不要 | 必要(脱気筒を設置) |
| 下地の水分 | 影響を受けやすい(膨れが起きる) | 水蒸気が逃げるため膨れが起きにくい |
| 主な用途 | 新築・下地含水率が低い場合 | 改修工事・下地に水分がある場合 |
屋根保護防水の密着工法と絶縁工法の種別および工程は、公共建築工事標準仕様書(下図)に示されています。
下地に水分が残っている改修工事では、絶縁工法を選びます。
脱気筒は「下地の水蒸気を防水層の外に逃がす装置」です。これがないと、下地に閉じ込められた水蒸気が膨張して防水シートが膨れ上がってしまいます。
アスファルト系防水は、令和5年度から令和7年度まで1級・2級で繰り返し問われています。引っかけは下の2パターンですが、どちらも各部の施工寸法を規定より小さい数字にすり替えてきます。
| 年度・級・No. | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 2級 R6前期 No.23 | 保護防水密着工法で平場と立上りの重ね幅を「100mm」とした → 正は150mm以上(不足) ←①重ね幅 |
| 1級 R5 No.31 | ALCパネル短辺接合部の増張りストレッチルーフィング幅を「50mm程度」とした → 正は80mm程度(不足) ←②増張り幅 |
| 1級 R7 No.31 | ALCパネル目地の絶縁用ストレッチルーフィング幅を「50mm程度」とした → 正は150mm程度(不足) ←②絶縁ルーフィング幅 |
アスファルト系防水は、各部の施工寸法(重ね幅・増張り幅・絶縁ルーフィング幅)を規定より小さい値にすり替える引っかけが定番で、いずれも「不足」が誤りです。平場の重ね幅100mm以上・立上り150mm以上・入隅の増張り300mm程度は正しい数値として押さえます。
混同しやすい用語の整理
熱工法は溶融釜でアスファルトを加熱し、ルーフィングを溶着します。トーチ工法は改質アスファルトシートをトーチバーナーで加熱して接着します。
どちらも火を使いますが、熱工法は溶融釜が必要でスケールが大きく、トーチ工法は溶融釜が不要で施工性が高いです。
密着工法は防水シートを下地に全面接着するため、下地の水分が抜けずに膨れが生じやすいです。絶縁工法は全面接着せず脱気装置を設けることで、水蒸気を逃がして膨れを防ぎます。
改修工事や下地に水分が残る場合は絶縁工法が適します。
従来のアスファルト熱工法は溶融釜が必要で煙・臭気が多いです。改質アスファルト防水はトーチ工法・常温工法を採用し、煙・臭気が少なく改修工事にも使いやすいです。
アスファルト防水で使う「ルーフィング(アスファルト含浸シート)」と、シート防水(塩ビシートや加硫ゴムシートを貼る別の防水工法)は名前が似ていますが、まったく別物です。混同しないように注意してください。
アスファルト防水熱工法で使う設備は?
溶融釜(アスファルト釜)。
アスファルト防水絶縁工法で設置する装置は何か、その目的は?
脱気装置(脱気筒)。下地の水蒸気を逃がして防水シートの膨れを防ぐ。
火気使用が制限される場所に適したアスファルト防水工法は?
常温工法(自着式改質アスファルト)。
防水工事の種類と施工管理は防水・シーリングにまとめています。
> ウレタン塗膜防水を確認する
> 2面接着と3面接着を確認する
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この用語が問われた過去問
参考資料
・JASS 8 防水工事(日本建築学会)
・公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和4年版 第9章 防水工事(国土交通省)
※ この記事の法令確認日:2026年6月
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下地の乾燥不足が「膨れ」の最大原因
アスファルト防水は下地処理(乾燥・プライマー塗布)が品質の大半を決めます。下地に水分が残ったまま密着工法で施工すると、水蒸気で防水層が膨れます。改修や湿りやすい下地では絶縁工法を選ぶのが基本です。
防水層端部の押え・立上りの処理は雨水浸入のリスクが高い箇所なので丁寧に確認します。