けんせつる
防水層の立上りって何?どんな場面で使うの?
この記事の要点
防水層の立上りとは、屋上・バルコニーなどの防水層が水平面から垂直面(パラペット・壁面)に折り返して立ち上がっている部分のことです。立上り高さは一般に250mm以上(仕上げ面から)を確保します。
立上りの端部は防水層の終端となる最も重要な納まり部位で、端部の押え(金物・シーリング)が不十分だと漏水の起点になります。ドレン周りも同様に漏水リスクが高く、入念な確認が必要です。
防水工事で漏水が発生しやすいのは、平面部分ではなく端部・角部・貫通部(立上り・ドレン・配管回り)です。アスファルト防水・シート防水いずれでも立上り部の施工は最重要確認箇所です。
施工管理では、これらの部位の施工を重点的に確認することが重要です。
防水層の立上りとは、屋上・バルコニー等の床面(水平面)に施工した防水層が、パラペット(手すり壁)・外壁・サッシ下枠などの垂直面に連続して立ち上がっている部分のことです。
立上りが必要な理由は2つです。
ザックリ言えば、立上りは「床の防水層を壁まで折り返した部分」ということです。ここが不十分だと、雨水が壁と床の境目から入り込んでしまいます。
立上り高さの目安は部位によって異なります。設計図書・防水仕様書で指定された値どおりに確保されているか、スケールで実測して確認しましょう。
| 部位 | 立上り高さの目安 |
|---|---|
| 屋上パラペット | 250mm以上(仕上げ面から) |
| バルコニー壁面 | 120mm以上(仕上げ面から)※設計・仕様による |
| ドレン周り | ドレンより防水層を確実に回り込ませる |
出隅・入隅・立上りへの増し重ねと端部シール材充填の規定は、公共建築工事標準仕様書(下図)に示されています。
例えば、屋上パラペットで250mmを下回る立上りしか確保されていないと、大雨時に風で吹き上げられた雨水が防水層の天端を越えて浸入するリスクがあります。高さの確認は写真を撮りながら行うことが大事です。
立上り防水層の上端(天端)は防水層の終端となり、最も漏水リスクが高い部位です。ここは混乱しやすいところですね。
端部の代表的な納まりは次のとおりです。
押え金物のビス留めは固定ピッチを守ることが重要です。また、シーリングが充填されているかどうかだけでなく、目地に隙間なく打たれているかを確認します。
ドレン(排水口)周りは防水層の貫通部であり、漏水が最も起きやすい箇所です。
貫通部は防水層に穴を開けている状態なので、施工が甘いと水が直接建物内部へ入り込む経路になってしまいます。
改質アスファルトシート防水の立上り・ドレン周り・端部の施工規定は、公共建築工事標準仕様書(下図)に示されています。
例えば、ドレン周りの増し貼りが省略されているケースを現場でよく見ます。「見えなくなる部分だから」という意識で省かれてしまいますが、数年後に必ず漏水として出てきます。
施工中に写真で記録しておくことが大事です。
混同しやすい用語の整理
立上りは防水層が垂直面に折り返した部分全体を指します。笠木はパラペット(手すり壁)の天端を覆う金属板等のことで、立上り防水層の天端を保護する役割を持ちます。
増し貼りは漏水リスクが高い箇所(ドレン周り・入隅・出隅・配管貫通部)に通常の防水層に加えて補強のために重ねて施工する層です。
屋上パラペットの防水層立上り高さの一般的な目安は?
仕上げ面から250mm以上。
防水層の端部(立上り天端)に使う金物の名称は?
押え金物(ルーフィング押え金物)。
ドレン周りの防水で増し貼りをする目的は?
ドレン周りは貫通部であり漏水リスクが高いため、防水層を補強するための増し貼りが必要。
防水工事の種類と施工管理は防水・シーリングにまとめています。
> 水張り試験の方法と確認内容を確認する
> シーリング工事の基本を確認する
参考資料
・JASS 8 防水工事(日本建築学会)
・公共建築工事標準仕様書(建築工事編)国土交通省
・JIS A 5758 建築用シーリング材
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
立上りの高さは設計図書で確認し、最低250mm以上を確保するのが一般的な仕様です。立上り端部は押えが不十分だと風でめくれるリスクがあるので、端部処理を丁寧に行ってください。
立上り部の型枠解体後に下地コンクリートの凸凹を補修してから防水を施工します。