けんせつる
プライマーって下地に塗る液体?シーラーとは違うの?
この記事の要点
プライマーは下地と防水材・シーリング材の接着性を高めるために塗布する下地処理材です。省略や乾燥不足は防水層の剥離原因になります。
防水工事やシーリング工事では、防水材・シーリング材を塗る前にプライマーを下地に塗布します。
プライマーは「下地処理材」とも呼ばれ、下地と防水材・シーリング材の接着性を高める役割を担います。
省略したり乾燥不足のまま次の工程に進んだりすると、防水層の剥離や接着不良の直接原因になります。
プライマー(Primer)は、下地と仕上げ材(防水材・シーリング材・塗料等)の接着力を高めるために塗布する下地処理材です。
「プライム(Prime:最初の)」という言葉が語源で、仕上げ材を塗る前の最初の工程として使われます。
プライマーは下地の種類と使用する仕上げ材の種類に合わせて選定します。異なる種類を使うと接着不良の原因になるため、材料の組み合わせは必ず確認しましょう。
ザックリ言えば、プライマーは「防水材やシーリング材を塗る前に下地に塗る接着の準備材」ということです。これを省くと、仕上げ材がすぐに剥がれてきます。
防水材は、下地にそのまま塗っても十分に接着しません。
防水下地のコンクリートやモルタルはそのままでは吸水性があり、防水材がうまく密着しない状態になっています。プライマーを先に塗ることで、下地表面が安定して防水材との接着力が確保されます。
| 防水工法 | プライマーの役割 |
|---|---|
| アスファルト防水 | 下地コンクリートとアスファルトの接着性を確保。下地の細孔に浸透して表面を固める。 |
| ウレタン塗膜防水 | 下地とウレタン防水材の接着を確保。下地からの気泡発生を抑制する。 |
| シート防水 | 下地と接着剤・シートの接着を確保。シートが浮かないよう密着させる。 |
ウレタン系塗膜防水工法においてプライマー塗りが最初の工程に位置することは、公共建築工事標準仕様書(下図)に示されています。
例えば、ウレタン防水で下地が乾燥不十分なまま施工すると、プライマーを塗っても下地から水蒸気が発生して膜が膨れてきます。プライマー塗布の前に含水率の確認が必要なのはこのためです。
シーリング工事では、シーリング材を充填する前に目地の被着体(接着させる面)にプライマーを塗布します。
被着体(コンクリート・金属・ガラス等)の種類とシーリング材の種類に応じたプライマーを選定します。ここは混乱しやすいところですね。
ポイントは「どこに塗るか」です。
バックアップ材・ボンドブレーカー面にプライマーを塗ると3面接着になり、ムーブメント(目地の動き)に追従できなくなります。シーリング材が切れてしまう原因になることになります。
シーリング材の接着性試験の手順(プライマー塗布方法を含む)は、公共建築工事標準仕様書(下図)に示されています。
簡単にいうと、プライマーの問題は「省略」「乾燥不足」「材料の組み合わせ違い」の3パターンに集約されます。現場ではどれも起きやすいので、3点セットで確認するようにしましょう。
混同しやすい用語の整理
プライマーは接着性を高めるための下地処理材です。シーラーは下地の吸水・透湿を抑えるための下地処理材で、主に塗装工事で使われます。
建築防水では「プライマー」という名称が一般的です。
プライマーは接着性を「高める」材料で、単体では接着しません。接着剤は材料同士を接着させる材料です。
シート防水では接着剤もプライマーも使いますが、役割が異なります。
プライマーを塗布する目的は?
下地と防水材(またはシーリング材)の接着性を高めるため。
シーリング工事でプライマーを塗布する面は?
目地の側面(被着体の接着させる面)のみ。バックアップ材・ボンドブレーカー面には塗布しない。
プライマーの乾燥前に防水材を塗布すると何が起きるか?
接着力が不足し、防水層の剥離・浮きの原因になる。
防水工事の種類と施工管理は防水・シーリングにまとめています。
参考資料
・JASS 8 防水工事(日本建築学会)
・公共建築工事標準仕様書(建築工事編)国土交通省
・JIS A 5758 建築用シーリング材
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
プライマーは下地と防水材・シーリング材の接着力を高める下塗り材です。塗り残し・塗布量不足は接着不良の直接原因になります。
乾燥時間(通常1~4時間)を守り、乾燥前に防水材を重ね塗りしないでください。