けんせつる
機械固定工法って何?どんな場面で使うの?
この記事の要点
機械固定工法とは、シート防水で防水シートをアンカーボルト(固定ディスク)で下地に固定し、シート同士の継ぎ目を熱溶着または溶剤溶着で接合する工法です。下地に接着剤を使わない絶縁工法の一種です。
既存防水層の上に重ね張りできるため改修工事に適しており、下地の影響を受けにくい利点があります。接着工法(全面接着)と比べて施工効率が高い反面、固定ディスクの間隔管理が重要です。
シート防水には「接着工法(全面接着)」と「機械固定工法」の2つがあります。防水工法の種類の中では、合成高分子系シート防水に分類されます。
機械固定工法は改修工事での採用が増えており、既存防水層を撤去せずに上から施工できるのが大きな特徴です。
機械固定工法とは、防水シートを下地に固定する際に、接着剤(全面接着)を使わず、金属製のアンカーボルト(固定ディスク・ビス)で機械的に固定する工法です。
シートの継ぎ目部分は熱溶着または溶剤溶着で接合します。
防水シートは固定ディスクの部分でのみ下地に固定され、それ以外の部分は下地に接着していません。これにより絶縁工法と同様の効果(下地の影響を受けにくい)を得られます。
機械固定工法には改修工事で選ばれる理由がいくつかあります。
例えば、築20年の建物の屋上改修で既存アスファルト防水が残っている場合、撤去費・廃材処理費をかけずに機械固定工法で上から施工できることがあります。これが改修工事でよく採用される理由です。
| 項目 | 機械固定工法 | 接着工法(全面接着) |
|---|---|---|
| 固定方法 | 固定ディスク(アンカーボルト) | 接着剤で全面接着 |
| 分類 | 絶縁工法 | 密着工法 |
| 下地の影響 | 受けにくい | 受けやすい |
| 既存防水層への重ね張り | 可能な場合が多い | 原則、既存防水層の撤去が必要 |
| 風圧への強さ | 固定ディスクの間隔で決まる | 全面接着で比較的強い |
ザックリ言えば、「改修で撤去せずに施工したい→機械固定工法、新築で下地が良好→接着工法」という使い分けです。
合成高分子系ルーフィングシート防水における機械固定工法の種別および工程は、公共建築工事標準仕様書(下図)に示されています。
機械的固定工法における固定金具の配置や重ね幅の規定は、公共建築工事標準仕様書(下図)に示されています。
混同しやすい用語の整理
機械固定工法はアンカーボルトで固定する絶縁工法、接着工法は接着剤で全面接着する密着工法です。「機械固定=ボルト留め=絶縁」「接着工法=接着剤=密着」と覚えましょう。
どちらも火気不要の防水工法ですが、機械固定工法は塩ビシートをボルト固定、改質アスファルト常温工法は改質アスファルトシートを接着剤で貼る工法です。材料が異なります。
機械固定工法はシート防水の密着工法・絶縁工法のどちらに分類されるか?
絶縁工法(シートが全面接着していない)。
機械固定工法が改修工事に向いている理由は?
既存防水層を撤去せずに上から重ね張りできる場合が多いため。
機械固定工法でシートを固定するために使うものは何か?
固定ディスク(アンカーボルト・ビス)。
防水工事の種類と施工管理は防水・シーリングにまとめています。
> シート防水の種類と特徴を確認する
> 密着工法と絶縁工法の違いを確認する
参考資料
・JASS 8 防水工事(日本建築学会)
・公共建築工事標準仕様書(建築工事編)国土交通省
・JIS A 5758 建築用シーリング材
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
機械固定工法は固定ビスの間隔・トルク管理が品質管理の核心です。固定間隔は設計図書の仕様を守り、風圧力計算に基づいた配置を確認してください。
既存防水層の上に施工する際は下地の状態確認(浮き・剥がれ)を先行します。