けんせつる
改質アスファルト防水って何?どんな場面で使うの?
この記事の要点
改質アスファルト防水とは、アスファルトにゴム・プラスチックなどの改質材を加えて性能を向上させたシートを使う防水工法です。トーチ工法(バーナーで溶かして貼る)と常温工法(常温で接着)があります。
従来のアスファルト防水(熱工法)と比べて煙・臭気が少なく、改修工事でも広く使われます。密着工法と絶縁工法のどちらでも施工できます。
アスファルト防水の中でも、改質アスファルトを使うものを「改質アスファルト防水」と呼びます。防水工法の種類全体の中では、アスファルト系に分類されます。
施工管理者は従来の熱工法との違い(溶融釜の有無・火気管理の範囲)を把握した上で、現場に応じた工法を確認します。
改質アスファルト防水とは、天然アスファルトにゴム(SBS:スチレン・ブタジエン・スチレン)またはプラスチック(APP:アタクチックポリプロピレン)などの改質材を混合したシートを使う防水工法です。
改質材を加えることで次の性能が向上します。
ザックリ言えば、「普通のアスファルトに弱点を補う材料を混ぜて、温度変化に強くしたシート」ということです。
| 工法 | 施工方法 | 特徴 |
|---|---|---|
| トーチ工法 | プロパンガスのバーナー(トーチ)でシート裏面を溶かしながら下地に貼る | 煙・臭気が少ない。作業員の技術差が品質に影響しやすい。火気に注意。 |
| 常温工法(冷工法) | 常温の接着剤または自己接着型シートを使って下地に貼る | 火気を使わない。屋内・地下など火気厳禁の場所でも施工可能。 |
改質アスファルトシート防水の露出防水工法(密着・絶縁)の種別および工程は、公共建築工事標準仕様書(下図)に示されています。
例えば、営業中のビルの地下防水工事では火気厳禁になることがあります。そのような場合は常温工法が選ばれます。
| 項目 | 従来熱工法 | 改質アスファルト防水 |
|---|---|---|
| 使用材料 | 溶融アスファルト+ルーフィング | 改質アスファルトシート |
| 施工方法 | アスファルトを高温で溶かして流す | トーチまたは常温接着 |
| 煙・臭気 | 多い(アスファルトの臭気・煙) | 少ない |
| 耐久性 | 高い(長年実績あり) | 改質材により熱工法と同等以上 |
| 改修工事への適用 | 設備・火気の準備が必要 | 比較的容易(常温工法なら火気不要) |
要は、熱工法のデメリット(大規模設備・煙・臭気)を改善したのが改質アスファルト防水、ということです。
混同しやすい用語の整理
熱工法は溶融アスファルトを加熱・流して防水層を形成する従来工法です。トーチ工法は改質アスファルトシートの裏面をバーナーで溶かして貼る工法です。
どちらも「熱」を使いますが、使い方が異なります。
トーチ工法は火気を使いシートを溶かして貼る、常温工法は接着剤または自己接着シートを使い火気不要です。火気制限がある場所では常温工法を選ぶのが基本です。
トーチ工法とはどのような施工方法か?
プロパンガスのバーナー(トーチ)で改質アスファルトシートの裏面を溶かしながら下地に貼る工法。
改質アスファルト防水で火気が使えない場合に用いる工法は?
常温工法(冷工法)。常温の接着剤または自己接着型シートを使う。
従来のアスファルト熱工法と比べた改質アスファルト防水の利点は?
煙・臭気が少なく、施工が比較的容易。改修工事にも適用しやすい。
防水工事の種類と施工管理は防水・シーリングにまとめています。
> アスファルト防水(熱工法)の基本を確認する
> 密着工法と絶縁工法の違いを確認する
参考資料
・JASS 8 防水工事(日本建築学会)
・公共建築工事標準仕様書(建築工事編)国土交通省
・JIS A 5758 建築用シーリング材
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
トーチ工法は炎の当て方と移動速度でシートの融着品質が変わります。裏面アスファルトが均一に融けているか確認しながら施工してください。
重ね幅(端部100mm、側面150mm)は特に注意が必要なポイントです。