けんせつる
水張り試験って何?どんな場面で使うの?
この記事の要点
水張り試験(湛水試験)とは、防水工事完了後に防水面に水を張り、一定時間後の水位の変化・下階への漏水を確認する試験です。防水層の品質確認として行います。
湛水深さは一般に50mm程度、試験時間は24~48時間が標準的です。試験後は速やかに水を排水し、下階・内部の漏水確認も合わせて行います。
防水工事は目視だけで漏水の有無を判断するのが難しいです。そのため、施工完了後に実際に水を張って確認する水張り試験(湛水試験)を行います。
特にアスファルト防水・ウレタン防水など屋上・バルコニー・地下外壁防水などで行われる、防水品質確認の重要な試験です。
水張り試験(湛水試験)とは、防水工事完了後に防水面(屋上スラブ・バルコニー床等)に水を一定深さまで張り、試験前後の水位変化と下階・内部への漏水を確認する試験のことです。
防水工事は施工中の目視確認だけでは不十分です。実際に水を張ることで、ピンホールや接着不良など目視では見えない欠陥を確認できます。
ザックリ言えば、水張り試験は「防水層に水を50mm程度張って24~48時間放置し、水位が下がらないか・下階に漏れないかを確認する試験」ということです。仕上げ工事の前に必ず行います。
試験の手順は次のとおりです。
例えば、屋上防水の水張り試験では、ドレンをゴム栓で塞いだ後にホースで水を補給していきます。50mm分張るには時間がかかるので、当日の作業スケジュールに組み込んでおく必要があります。
水張り試験で確認する内容は次のとおりです。
| 確認項目 | 判定の基準 |
|---|---|
| 水位の変化 | 蒸発量を考慮した上で、有意な水位低下がない |
| 下階への漏水 | 下階天井・壁に染み・水滴がない |
| ドレン周りの状態 | ドレン仮閉鎖部からの漏れがない |
| 立上り端部・配管貫通部 | 水が浸入している痕跡がない |
水位の変化を確認するときは、蒸発による自然な減水と実際の漏水による減水を区別する必要があります。蒸発量は気温・天候で変わるため、試験当日の状況を記録しておくことが大事です。
水張り試験は、次の工程の前に行うのが原則です。
仕上げ材で防水層が覆われた後では漏水箇所の特定・補修が困難になります。防水施工完了直後に試験を行うことが重要です。
ここは混乱しやすいところですね。「防水工事が終わったら次の工事に進む」ではなく、「防水工事が終わったら水張り試験をしてから次に進む」という順番です。
混同しやすい用語の整理
水張り試験(湛水試験)は水を張って静置する試験です。散水試験はホース等で水を吹きつけて漏水を確認する試験です。
防水層全体の確認には水張り試験が一般的で、外壁やサッシ周りの確認には散水試験も使います。
水張り試験の一般的な湛水深さは?
50mm程度(設計・仕様書による)。
水張り試験の一般的な試験時間は?
24~48時間(設計・仕様書による)。
水張り試験はいつ(どの工程の前に)行うか?
仕上げ工事(タイル・保護コンクリート等)の施工前・防水面が隠れる前。
水張り試験と散水試験の違いは?
水張り試験(湛水試験)は水を張って静置する試験、散水試験は水を吹きつけて確認する試験。
防水工事の種類と施工管理は防水・シーリングにまとめています。
> 防水層の立上りと端部処理を確認する
> 防水工事の種類と概要を確認する
参考資料
・JASS 8 防水工事(日本建築学会)
・公共建築工事標準仕様書(建築工事編)国土交通省
・JIS A 5758 建築用シーリング材
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
水張り試験は防水層完成後24時間以上水を張り、漏れがないか確認します。試験前に排水口・ドレインを完全に塞いでください。
試験後は結果を記録し、漏れがあった場合は補修後に再試験を実施します。