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アスファルト防水材料の種類とは?ルーフィング1500と1000の数値の意味の違い

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けんせつる

けんせつる

ルーフィング1500の1500って何の数字なの?

ストレッチ1000も同じ意味じゃないの?

この記事の要点

アスファルト防水で使う材料は、名前が似ていて中身が違います。見分ける鍵は「原料の紙・布」と「表面に何を付けたか」です。

製品名の数字は、種類によって意味が変わります。アスファルトルーフィング1500は製品の単位面積質量、ストレッチルーフィング1000は抗張積です。

この数字の意味の取り違えが、1級・2級で14問ぶん問われています。

アスファルト防水の材料は、アスファルトを紙や布にしみ込ませたシート(ルーフィング類)と、下地に塗るプライマーが基本です。

種類はJIS(日本産業規格)で決められています。名前の違いは、①どんな原料にしみ込ませたか、②表面に何を付けたか、の2点から来ています。

まずこの2点で整理してしまうと、あとは数字の意味を覚えるだけになります。

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ルーフィング類の種類と作り方

JISの定義を、原料と表面で並べます。

名称 原料 つくり方・用途
アスファルト
フェルト
有機天然繊維の原紙 アスファルトを浸透したもの。被覆も鉱物質粉末の付着もしない
アスファルト
ルーフィング
有機天然繊維の原紙 アスファルトを浸透・被覆し、表裏面に鉱物質粉末を付着させたもの
ストレッチ
ルーフィング
有機合成繊維の
不織布原反
アスファルトを浸透・被覆し、表裏面に鉱物質粉末を付着させたもの。伸びるので増張りに使う
網状アスファルト
ルーフィング
天然・有機合成繊維の粗布 アスファルトを浸透・付着させたもの。立上りの張りじまいや貫通配管回りの増張りに使う
砂付あなあき
ルーフィング
穴があいており、下地と防水層を絶縁するために用いる

フェルトとルーフィングの違いは、被覆と鉱物質粉末があるかどうかです。フェルトはしみ込ませただけ、ルーフィングはさらに包んで粉を付けています。

原料で分けると、紙=フェルト・ルーフィング、不織布=ストレッチ、粗布=網状です。

数字の意味は種類で変わる

ここが最大の山場です。同じように数字が付いていても、意味が違います。

製品名 数字が表すもの
アスファルトルーフィング1500 製品の単位面積質量の呼び(1m²当たりの製品の質量g)
ストレッチルーフィング1000
砂付ストレッチルーフィング800
抗張積の呼び(引張強さ×最大荷重時の伸び率)

ルーフィング1500は「重さ」、ストレッチ1000は「強さ×伸び」です。ストレッチは伸びる性質が売りなので、強さと伸びを掛けた値で表す、と考えると筋が通ります。

1500は製品まるごとの質量です。原紙・アスファルト・鉱物質粉末を全部含みます。「アスファルトの含浸量」ではありません。JISは製品の単位面積質量とアスファルトの単位面積質量を別の項目として分けています。

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プライマー・アスファルト・改質シート

アスファルトプライマー

プライマーは、下地と防水層の接着性を向上させるために用います。タイプが2つあります。

  • 有機溶剤タイプ:ブローンアスファルトなどを揮発性溶剤に溶解したもの。
  • エマルションタイプ:アスファルトを水中に乳化分散させたもの。

溶剤に溶かすか、水に散らすか、の違いです。コンクリート下地での使用量は0.2kg/m²が目安です。

防水工事用アスファルト

低温での性質はフラースぜい化点で表します。温度が低いものほど低温特性がよいアスファルトです。

ぜい化点は「もろくなる温度」なので、その温度が低いほど寒さに強い、ということです。

改質アスファルトルーフィングシート

合成ゴムやプラスチックを添加して、温度特性などを改良したアスファルトを原反に含浸・被覆させたシートです(改質アスファルト防水)。

温度特性でⅠ類とⅡ類に分かれます。低温時の耐折り曲げ性がよいのはⅡ類です。

区分 低温時の耐折り曲げ性(無処理)
Ⅰ類 −5℃でき裂が生じないこと
Ⅱ類 −15℃でき裂が生じないこと(=より低温に強い)

数字が大きいⅡ類のほうが低温に強い、と覚えます。

施工管理での確認ポイント

  • 納入品の照合:設計図書が指定する種類・呼び(ストレッチルーフィング1000など)の製品が入っているか、製品表示で確認する。名前が似ているので取り違えが起きます。
  • 用途の使い分け:増張りには網状やストレッチ、絶縁には砂付あなあきと、役割が決まっています。平場の一般部と同じ材料で済ませていないか確認する。
  • 保管:ルーフィング類は立てて保管し、変形を防ぎます(材料の保管)。
  • 下地の乾燥:プライマーの前に下地の含水率を確認する(防水下地)。

混同しやすい用語の整理

アスファルトフェルト と アスファルトルーフィング

どちらも有機天然繊維の原紙が原料です。違いは仕上げで、フェルトは浸透しただけルーフィングは浸透・被覆して表裏面に鉱物質粉末を付着させています。

ストレッチルーフィング と 網状アスファルトルーフィング

どちらも増張りに使いますが、原料が違います。ストレッチは不織布(伸びる)、網状は粗布(網目状)です。網状は貫通配管回りのように複雑な形になじませる部位に使います。

過去問でどう問われたか

防水材料は、平成27年度から令和7年度まで、1級・2級とも毎年のように問われています。引っかけは3つのパターンです。

  • 数字の意味のすり替え……ルーフィング1500を「1巻当たり」「アスファルトの含浸量」と読ませる。正しくは1m²当たりの製品の質量
  • 砂付あなあきの用途を逆にする……「密着させるために用いる」と読ませる。正しくは絶縁
  • 作り方の入れ替え……アスファルトルーフィングを「表面側のみに鉱物質粒子」(正しくは表裏面に粉末)、Ⅰ類とⅡ類を逆にする、など。
年度・級・No. 問われ方/引っかけ
1級 令和3年 No.14 1500を「単位面積当たりのアスファルト含浸量」とした → 製品の単位面積質量 ←①
1級 令和元年 No.14 1500を「単位面積当たりのアスファルト含浸量」とした → 製品の単位面積質量 ←①
1級 平成29年 No.14 1500を「1巻当たりの含浸量」とした → 1m²当たり ←①
1級 令和5年 No.14 低温時の耐折り曲げ性がよいのをⅠ類とした → Ⅱ類 ←③
2級 平成27年 No.13 砂付あなあきを「密着工法に用いる」とした → 絶縁 ←②
2級 令和4年後期 No.14 砂付あなあきを「密着させるために用いる」とした → 絶縁 ←②
2級 令和2年後期 No.14 アスファルトルーフィングを「表面側のみに鉱物質粒子を付着」とした → 表裏面に粉末 ←③
2級 令和6年前期 No.13 同上(表面側のみに鉱物質粉末)→ 表裏面 ←③
2級 平成30年前期 No.14 砂付ストレッチの作り方を入れ替えた ←③

つまり1500は重さ(製品の単位面積質量)で含浸量ではない、砂付あなあきは絶縁、低温に強いのはⅡ類。この3つを押さえれば、防水材料の問題は落としません。各行は該当する過去問解説にリンクしています。

理解度チェック

Q.

アスファルトルーフィング1500の「1500」は何を表すか。

製品の単位面積質量の呼びです。1m²当たりの製品の質量(g)で、原紙・アスファルト・鉱物質粉末を含んだ製品まるごとの質量です。アスファルトの含浸量ではありません。

Q.

ストレッチルーフィング1000の「1000」は何を表すか。

抗張積の呼びです。抗張積とは、引張強さと最大荷重時の伸び率との積のことです。

Q.

砂付あなあきルーフィングは何のために用いるか。

下地と防水層を絶縁するために用います。密着させるためではありません。穴があいていて、そこだけで下地とつながる仕組みです。

Q.

アスファルトフェルトとアスファルトルーフィングの違いは何か。

フェルトは原紙にアスファルトを浸透しただけのものです。ルーフィングは浸透・被覆したうえで、表裏面に鉱物質粉末を付着させています。

まとめ

  • 原料で分かれる。紙=フェルト・ルーフィング、不織布=ストレッチ、粗布=網状。
  • ルーフィング1500=製品の単位面積質量、ストレッチ1000・砂付ストレッチ800=抗張積。
  • 砂付あなあきは絶縁用。網状は貫通配管回りなどの増張り用。
  • フラースぜい化点は低いほど低温特性がよい。改質シートは低温に強いのがⅡ類。

> 工法の違いはアスファルト防水を確認する
> 密着と絶縁の使い分けは密着工法と絶縁工法を確認する
> 下地の条件は防水下地を確認する

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参考資料

  • JIS A 6005(アスファルトルーフィングフェルト):アスファルトフェルト・アスファルトルーフィング・砂付ルーフィングの定義、種類及び製品の単位面積質量の呼び
  • JIS A 6022(ストレッチアスファルトルーフィングフェルト):ストレッチルーフィング・砂付ストレッチルーフィングの定義、抗張積(引張強さと最大荷重時の伸び率との積)
  • JIS A 6013(改質アスファルトルーフィングシート):温度特性による区分(Ⅰ類・Ⅱ類)と低温時の耐折り曲げ性
  • 一般財団法人 建設業振興基金「1級・2級 建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」(防水材料の出題)

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けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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