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令和7年度 1級建築施工管理技士 No.31を解説、絶縁断熱工法の立上り部は下張り2.5mmと上張り4.0mmが基準

けんせつる

けんせつる

立上り部の上張りは「3mm」か「4mm」か。1mmの差ですが、JASS 8の基準はきっちり決まっています。

この記事の要点

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.31は、改質アスファルトシート防水トーチ工法に関する問題です。正解は選択肢4。

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.31は、改質アスファルトシート防水トーチ工法に関する問題です。

問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

正解:選択肢4

JASS 8の規定では、絶縁断熱工法の立上り部において、下張りは厚さ2.5mm、上張りは厚さ4.0mmの改質アスファルトシートを重ね張りするのが標準です。上張りを「3mm」としたのが誤りで、4.0mmが正しい数値です。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 密着工法の平場部シート重ね幅は縦横とも100mm以上
2 ○(正しい) 密着工法のALCパネル下地プライマーは0.4kg/m²を2回に分けて塗布
3 ○(正しい) 絶縁断熱工法のALCパネル目地短辺接合部は幅50mm程度のストレッチルーフィングを張り付ける
4 ×(誤り) 立上り部の上張りは4.0mmが正しい(3mmは不足)

選択肢4の「上張りに厚さ3mmの改質アスファルトシートを重ね張りした」という記述が誤りです。

この問題のポイント

この問題では密着工法と絶縁断熱工法の両方が出てきます。この2つの工法の違いを整理しておくと、各選択肢の理解が深まります。

密着工法は、防水シートを下地に全面密着させる工法です。下地とシートが一体になるため、下地の動きが直接シートに伝わります。

絶縁断熱工法は、断熱材を介してシートを張る工法で、下地とシートの間に断熱材が入ります。下地の動きが直接シートに伝わりにくい一方、立上り部などの細部の処理がより重要になるわけです。

選択肢1

密着工法における平場部のシートの重ね幅は、防水層の連続性を確保するうえで重要な管理項目です。

JASS 8では、縦横ともに100mm以上の重ね幅が必要とされています。この100mmという数値は試験に頻出なのでしっかり押さえておきましょう。

重ね幅が不足すると接合部からの漏水リスクが高まります。現場では100mmのラインをチョークやテープでマーキングして確認することが多いわけです。

選択肢2

ALC(軽量気泡コンクリート)パネル下地に改質アスファルトシート防水を施工するときは、プライマーの塗布方法に注意が必要です。

ALCパネルは吸水性が高いため、プライマーを一度に多量に塗ってもすぐに吸い込まれてしまい、表面に均一な膜が形成されません。

そのため、0.4kg/m²を2回に分けて塗布する方法が規定されています。1回目で下地の吸込みを抑え、2回目で表面の均一な接着層を作るわけです。この記述は正しい内容です。

選択肢3

ALCパネルの目地には、短辺接合部と長辺接合部があります。ここは混乱しやすいところですね。

絶縁断熱工法において、パネルの短辺接合部(パネルの短い辺が突き合わさる目地)には、幅50mm程度のストレッチルーフィングを下地として張り付けます。

このストレッチルーフィングは、パネル目地の動きに追従して防水層のひび割れを防ぐ役割を果たします。この記述は正しい内容なわけです。

選択肢4

これが誤りを含む選択肢です。改質アスファルトシート防水において、立上り部は平場部と異なる環境に置かれます。

立上り部は、日射を正面から受けやすく、温度変化による伸縮が平場部より激しくなります。また、垂直面であるため重力方向の滑りにも抵抗する必要があります。

ザックリ言えば、立上り部は平場部より過酷な条件にさらされるため、上張りに厚いシートを使って耐久性を確保しているわけです。

JASS 8の規定では、絶縁断熱工法の立上り部は下張りが厚さ2.5mm、上張りが厚さ4.0mmの改質アスファルトシートの2層構成とされています。「上張りに厚さ3mmの改質アスファルトシートを重ね張りした」という記述は基準を満たさないため誤りで、正しくは上張り4.0mmです。

試験での引っかかりポイント

立上り部の厚さ問題は「下張り2.5mm・上張り3mm」という少し薄めの数値で出題されやすいパターンです。上張りは必ず4.0mm、と頭に刷り込んでおくと見抜きやすくなります。

覚え方

立上り部のシート厚さは「下が薄く、上が厚い」という組み合わせで覚えましょう。

立上り部:下張り2.5mm + 上張り4.0mmがJASS 8の標準です。上張りが3mmという誤った数値が選択肢に出たときに気づけるようにしておきましょう。

一問一答

Q.

改質アスファルトシート防水トーチ工法(絶縁断熱工法)の立上り部において、下張りと上張りのシート厚さはそれぞれいくらか。

下張りは2.5mm、上張りは4.0mmです。合計2層で構成します。

Q.

密着工法における平場部の改質アスファルトシートの重ね幅の最小値はいくらか。

縦横ともに100mm以上です。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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