けんせつる
石綿作業主任者って何?改修・解体工事でいつ必要になるの?
この記事の要点
石綿作業主任者は、石綿をその重量の0.1%を超えて含有する建材等の取扱い・封じ込め・囲い込み作業で選任が義務付けられる作業主任者です(石綿障害予防規則第19条)。
他の作業主任者と異なり、高さ等の数値条件はなく「石綿含有建材を扱う作業」が対象です。改修・解体工事でアスベスト含有建材が確認されたら選任が必要です。
古い建物の改修・解体工事では、かつて広く使われていたアスベスト(石綿)含有建材が問題になります。
石綿繊維を吸い込むと中皮腫・石綿肺などの重篤な健康被害を引き起こすため、石綿を含有する建材を扱う際には専門知識を持つ作業主任者の選任が義務付けられています。
石綿作業主任者は、石綿障害予防規則第19条に基づき選任が義務付けられる作業主任者です(労働安全衛生法第14条・労働安全衛生法施行令第6条第18号にも規定)。
事業者が「石綿作業主任者技能講習」を修了した者の中から選任します。
対象となる作業のポイントは「石綿をその重量の0.1%を超えて含有する製剤その他の物を取り扱う作業」です。
| 作業の内容 | 選任要否 |
|---|---|
| 石綿含有建材(0.1%超)の除去・解体 | 必要 |
| 石綿含有建材の封じ込め作業(固化剤等による飛散防止) | 必要 |
| 石綿含有建材の囲い込み作業(ボード等で覆う) | 必要 |
| 石綿を含有しないことが確認された建材の解体 | 不要 |
ザックリ言えば、「アスベスト含有建材が現場にあって、それを触る・除去する・封じ込めるなら作業主任者が必要」ということです。
石綿作業では「飛散させない・吸わせない」が最重要です。作業主任者による保護具の監視が特に重要です。
石綿の事前調査義務化・調査者資格・報告義務の改正ポイントは、環境省「大気汚染防止法改正(令和3年4月施行)」の資料(下図)に示されています。
混同しやすい用語の整理
石綿含有建材を取り扱う作業に従事する作業員には特別教育(石綿取扱い作業従事者特別教育)が必要です。一方、石綿作業主任者は技能講習修了者の中から選任し、作業を指揮する立場です。
特別教育だけでは作業主任者になれません。
石綿含有建材への対処方法は3種類です。除去は建材ごと取り除く方法。
封じ込めは固化剤等を吹き付けて石綿繊維の飛散を防ぐ方法。囲い込みはボード等で覆って飛散を防ぐ方法です。
いずれの方法でも石綿作業主任者の選任が必要です。
石綿作業主任者を含む作業主任者の選任業務一覧は、厚生労働省の資料(下図)に示されています。
石綿作業主任者の選任が必要となる石綿含有の濃度基準は?
石綿をその重量の0.1%を超えて含有する製剤その他の物を取り扱う作業が対象。根拠は石綿障害予防規則第19条。
石綿作業主任者の主な職務は何か?
作業の方法・順序の決定と指揮、保護具(防じんマスク・保護衣等)の使用状況の監視、養生・集じん装置の稼働確認。
> 作業主任者の種類と選任要件を確認する
施工管理の基本は施工管理にまとめています。
参考資料
・労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第14条・第119条
・労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号)第6条
・厚生労働省 職場のあんぜんサイト「作業主任者」
選任義務違反の罰則:作業主任者を選任しなかった場合、労働安全衛生法第119条により6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象となります。
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
石綿作業主任者は石綿等を取り扱う作業(除去・封じ込め等)全てで選任が必要です。石綿の種類(クリソタイル・アモサイト等)によって除去工法が異なります。
事前調査の結果と除去計画書を施工記録に保管し、廃棄物は特別管理産業廃棄物として処理します。