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令和7年度 1級建築施工管理技士 No.60を解説、鉄骨組立て作業主任者の職務に作業計画の策定は含まれない

けんせつる

けんせつる

鉄骨組立て作業主任者って、作業計画を作る役割もあるんじゃないの?

この記事の要点

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.60は、応用能力問題(5択)で、各種作業主任者の職務に関する問題です。正解は選択肢4。作業計画の策定は事業者の義務であり、作業主任者の職務ではないというところが問われています。

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.60は、「労働安全衛生法」上の作業主任者の職務に関する問題です。

問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。

応用能力問題のため、5つの選択肢のうち、定められていないものを1つ選びます。

正解:選択肢4

「建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者は、作業の方法及び順序を作業計画として定めること」という記述が誤りです。作業計画の策定は事業者が行う義務であり、作業主任者の職務ではありません。作業主任者の職務はあくまで「作業の方法及び順序の決定・作業の直接指揮」等に限られるわけです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 地山の掘削作業主任者は作業の方法を決定し、作業を直接指揮することが職務として定められている
2 ○(正しい) 型枠支保工の組立て等作業主任者は材料の欠点の有無並びに器具及び工具を点検し、不良品を取り除くことが職務として定められている
3 ○(正しい) 足場の組立て等作業主任者は作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業の進行状況を監視することが職務として定められている
4 ×(誤り) 「作業計画として定めること」は事業者の義務であり、作業主任者の職務ではない
5 ○(正しい) 酸素欠乏危険作業主任者は作業開始前に酸素の濃度を測定することが職務として定められている

選択肢4の「作業計画として定めること」という記述が誤りで、これは作業主任者ではなく事業者が行う事項です。

この問題のポイント

この問題では、「作業主任者の職務」と「事業者の義務」を区別できているかが試されています。

見るべきポイントは「誰がやる義務なのか」ということです。ここを混同すると、この種の問題で迷いやすくなるわけです。

労働安全衛生法では、作業計画(作業の方法・順序)の策定は事業者の義務として定めています。一方で作業主任者は、その計画を現場で実行するために「直接指揮する」「点検する」「監視する」という役割を担う存在です。

つまり計画を「定める」のは事業者、「実行・監視する」のが作業主任者という役割分担があるんです。ここが整理できると、選択肢4の誤りがすぐ見えてきますね。

選択肢1

地山の掘削作業主任者の職務は、労働安全衛生規則第359条に定めがあります。

「作業の方法を決定し、作業を直接指揮すること」はその職務として明記されています。

地山掘削は崩壊・土砂崩れのリスクが高い作業なので、作業主任者が直接現場で指揮を執ることが求められているわけです。

選択肢2

次に確認しておきたいのが型枠支保工の組立て等作業主任者の職務です。

労働安全衛生規則第247条では、材料の欠点の有無並びに器具及び工具を点検し、不良品を取り除くことを作業主任者の職務として定めています。

例えば、型枠の支柱に亀裂や変形がないか、締め付け器具に緩みや損傷がないかを確認するのが作業主任者の役割なんです。

選択肢3

足場の組立て等作業主任者の職務については、労働安全衛生規則第565条に定められています。

「作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業の進行状況を監視すること」はその職務として明記されており、この記述は正しいということです。

足場の組立て・解体は高所作業を伴うため、作業主任者による常時の監視が特に重要な作業です。

選択肢4

ここが誤りを含む選択肢です。「建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者は、作業の方法及び順序を作業計画として定めること」という記述になっています。

労働安全衛生規則第517条の3に定める鉄骨組立て等作業主任者の職務は「作業の方法及び順序の決定」「作業を直接指揮すること」「器具・工具の点検」などです。

作業計画として定めること」という表現は作業主任者の職務ではなく、安衛則第517条の2に規定された事業者の義務です。わずかな言い回しの違いで誤りを埋め込んでくるのが、この種の問題の特徴ですね。

選択肢5

最後に酸素欠乏危険作業主任者の職務です。

酸素欠乏症等防止規則第11条では、第一種酸素欠乏危険作業の作業開始前に、作業を行う場所の空気中の酸素の濃度を測定することを職務として定めています。

酸素濃度が18%未満になると酸素欠乏症のリスクが生じるため、作業前の測定確認は特に重要な職務なんです。

覚え方

作業主任者の職務を覚えるときは、「計画は事業者、実行・監視は作業主任者」という軸で整理するとすっきりします。

具体的には、作業主任者の職務は「指揮する・監視する・点検する・測定する」といった動詞で表されることが多いわけです。

計画を「定める」は事業者の義務、現場を「指揮・監視する」が作業主任者の職務という分け方で覚えると、選択肢の誤りに気づきやすくなります。

一問一答

Q.

建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者の職務として、「作業の方法及び順序を作業計画として定めること」は含まれるか。

含まれません。作業計画の策定は事業者の義務です。作業主任者の職務は「作業の方法及び順序の決定」「作業を直接指揮すること」などに限られます。

Q.

酸素欠乏危険作業主任者は、作業開始前に何を測定する義務があるか。

作業を行う場所の空気中の酸素の濃度を測定します。酸素濃度が18%未満の環境は酸素欠乏症のリスクがあるため、作業前の確認が義務付けられています。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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