けんせつる
マニフェストって何?どんな場面で使うの?
この記事の要点
マニフェスト(産業廃棄物管理票)は、産業廃棄物の排出事業者が廃棄物の種類・数量・委託先等を記載して交付する書類です。廃棄物が適正に処理されたことを確認するための追跡システムです。
マニフェストはA票?E票で構成され、各票は排出事業者・収集運搬業者・処分業者がそれぞれ保管します。保存期間は5年間です。
建設現場で発生した産業廃棄物(建設廃棄物)は、許可を受けた業者に処理を委託しなければなりません。
このとき、廃棄物が適正に処理されたかどうかを確認するための追跡書類がマニフェスト(産業廃棄物管理票)です。廃棄物処理法第12条の3に基づく制度で、排出事業者(元請業者)が交付義務を負います。
マニフェストの目的は、産業廃棄物が適正に処理されたことを排出事業者が確認することです。
なぜかというと、廃棄物を処理業者に渡した後、実際にどこへ持って行かれたかを元請業者が確認する手段がなければ、不法投棄のリスクを管理できないからです。マニフェストはその追跡ツールとして機能しています。
紙マニフェストは複写式で、A票?E票(またはA・B1・B2・C1・C2・D・E)に分かれています。各票の役割を整理しましょう。
| 票の種類 | 誰が保管するのか | 役割 |
|---|---|---|
| A票 | 排出事業者 | 交付の控え。廃棄物を引き渡したことの証明。 |
| B2票 | 収集運搬業者→排出事業者に送付 | 運搬完了の確認。排出事業者は受取後保管。 |
| D票 | 処分業者→排出事業者に送付 | 処分完了の確認。排出事業者は受取後保管。 |
| E票 | 最終処分業者→排出事業者に送付 | 最終処分完了の確認。排出事業者は受取後保管。 |
ザックリ言えば、A票を渡した後に、B2票(運搬完了)、D票(処分完了)、E票(最終処分完了)が順番に戻ってくることで、廃棄物の行方を追えるという仕組みです。
A票・B2票・D票・E票の受取と保管が施工管理で特に重要です。D票・E票が返送されない場合、不法投棄等の疑いがあるため行政への報告義務が生じます。
排出事業者・収集運搬業者・処分業者・情報処理センターの関係と、電子・紙マニフェストの流れは、環境省の資料(下図)に示されています。
排出事業者は、マニフェストを交付した日から一定期間内に返送票が届かない場合、廃棄物の行方を調査し、必要に応じて都道府県知事等に報告する義務があります。
例えば、廃棄物を持って行ってもらって90日経ってもB2票が返ってこない場合、「問題ないだろう」と放置するのではなく、運搬業者に確認して必要なら行政に報告しなければなりません。
紙マニフェストの代わりに、情報処理センター(一般財団法人日本産業廃棄物処理振興センター)を通じた電子マニフェストを利用することも可能です。
電子マニフェストでは、インターネットを通じて交付・管理・照会が行えます。紙の保管・管理の手間が省けるうえ、返送状況をリアルタイムで確認できるというメリットがあります。
運搬終了(90日以内)・最終処分終了(180日以内)の排出事業者による確認フローは、日本産業廃棄物処理振興センターの資料(下図)に示されています。
混同しやすい用語の整理
A票は排出事業者の手控え(最初に保管)、D票は処分業者からの処分完了報告、E票は最終処分業者からの最終処分完了報告です。「最終的にE票が返ってきて完結」と覚えましょう。
B2票(運搬完了)の返送期限は交付から90日以内、D票(処分完了)の返送期限は180日以内です。処分は運搬より時間がかかるため期限が長く設定されています。
マニフェストを交付する義務を持つのは誰か?
排出事業者(建設工事では元請業者)。
マニフェストの保存期間は何年か?
5年間。
B2票(運搬完了)が期限内に返送されない場合、調査・報告義務が生じるのは交付から何日以内か?
90日以内。
D票(処分完了)が返送される期限は交付から何日以内か?
180日以内。
> 建設副産物と産業廃棄物の違いを確認する
> 建設リサイクル法と特定建設資材の届出を確認する
法規の施工管理ポイントは法規にまとめています。
参考資料
・廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)
・建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)
・環境省 廃棄物・リサイクル対策
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
マニフェスト(産業廃棄物管理票)は廃棄物の種類ごとに発行し、処理業者の確認印をもらって保管します。元請は下請の廃棄物管理も確認する義務があります。
5年間の保管が義務なので、竣工後も整理して保管してください。