けんせつる
鉄骨の組立てで作業主任者が必要なのはどんな場合?高さの基準は?
この記事の要点
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者は、高さが5m以上の金属製の部材で構成される建築物の骨組みまたは塔の組立・解体・変更作業で選任が義務付けられる作業主任者です(労働安全衛生法施行令第6条第15号の3)。
鉄骨造・S造の建物を建てる際の鉄骨建て方工事が主な対象です。技能講習修了者の中から選任し、作業方法の決定・指揮・安全帯の使用確認が主な職務です。
鉄骨造の建物を建てる際には、工場で製作した鉄骨部材を現場でクレーンで吊り上げて組み立てます。
この鉄骨建て方工事は高所での重量物の取扱いを伴う危険な作業です。高さ5m以上の場合は作業主任者の選任が法令上の義務になります。
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者は、労働安全衛生法第14条・労働安全衛生法施行令第6条第15号の3に基づき選任が義務付けられる作業主任者です。
事業者が「建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者技能講習」を修了した者の中から選任します。
鉄骨の組立て工事では、クレーンで吊った重量物が作業員に当たる・高所から部材が落下する・作業員が転落するなどの危険があります。高さ5m以上になると転落・落下の重篤度が高まるため、専門知識を持つ者が作業を指揮することが法令上の義務になります。
| 条件 | 対象 |
|---|---|
| 高さ5m以上の金属製部材の建築物の骨組み・塔の組立 | 作業主任者の選任必要 |
| 高さ5m以上の金属製部材の建築物の骨組み・塔の解体・変更 | 作業主任者の選任必要 |
| 高さ5m未満の同上 | 選任不要(※他の安全対策は必要) |
ザックリ言えば、「5m以上の鉄骨建て方・解体・変更には作業主任者が必要」ということになります。
鉄骨建て方では「どの部材をどの順番で組むか」が構造の安定性と安全性に直結します。作業主任者が適切な建て方順序を定めることが事故防止の核心です。
建築物等の鉄骨の組立て等を含む作業主任者の選任業務一覧は、厚生労働省の資料(下図)に示されています。
混同しやすい用語の整理
どちらも高さ5m以上が選任基準ですが対象作業が異なります。鉄骨の組立て等は「建物の骨組み・塔の鉄骨工事」、足場の組立て等は「足場自体の組立・解体」が対象です。
鉄骨工事に伴って足場も組む場合は両方の作業主任者が別々に必要です。
「建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者」は金属製の部材による建築物・塔が対象です。RC造(鉄筋コンクリート造)の型枠支保工や配筋工事は対象外です(型枠支保工なら別の作業主任者が必要)。
足場の組立て等作業主任者の選任要件(高さ5m以上)と点検タイミングは、滋賀労働局の資料(下図)に示されています。
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者の選任が必要な高さは?
高さ5m以上の金属製部材で構成される建築物の骨組みまたは塔の組立・解体・変更。根拠は労働安全衛生法施行令第6条第15号の3。
鉄骨建て方工事と外部足場の組立てを同時に行う場合、どんな作業主任者が必要か?
「建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者」と「足場の組立て等作業主任者」の両方が必要。それぞれ別の技能講習修了者から選任する(1人が両方の修了証を持っている場合は兼任可)。
> 作業主任者の種類と選任要件を確認する
施工管理の基本は施工管理にまとめています。
参考資料
・労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第14条・第119条
・労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号)第6条
・厚生労働省 職場のあんぜんサイト「作業主任者」
選任義務違反の罰則:作業主任者を選任しなかった場合、労働安全衛生法第119条により6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象となります。
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者は高さ5m以上の鉄骨組立て作業で必要です。建方計画書に作業主任者の職務と安全対策(建方精度・クレーン計画等)を明記してください。施工計画書に組み込みます。
強風・悪天候時の作業中止基準も事前に定めておきます。