けんせつる
塗装工事って何?どんな場面で使うの?
この記事の要点
塗装工事とは、外壁・内壁・鉄骨等の面に塗料を塗布する仕上げ工事です。塗装は「素地ごしらえ → 下塗り → 中塗り → 上塗り」の順で重ねて行います。
下塗りは素地との接着力を高める・防錆の役割。中塗りは表面を平滑にする・塗膜厚を確保する役割。
上塗りは最終仕上げ(色・耐候性・光沢)の役割です。
塗装は一見シンプルに見えますが、「下塗り→中塗り→上塗り」の工程順序と各層の乾燥時間を守ることが品質を左右します。
素地の状態確認(素地ごしらえ)が塗装品質の基礎になります。
| 工程 | 役割 | 主な材料 |
|---|---|---|
| 素地ごしらえ | 下地の清掃・補修・調整(さびの除去・パテ埋め等) | 研磨材・パテ・さび止め剤 |
| 下塗り(プライマー・シーラー) | 素地への接着力向上・防錆・吸収防止 | プライマー・シーラー・錆止め塗料 |
| 中塗り | 塗膜厚の確保・表面の平滑化・上塗りの下地 | 中塗り用塗料 |
| 上塗り | 最終仕上げ(色・光沢・耐候性・耐久性) | アクリル系・ウレタン系・フッ素系塗料等 |
ザックリ言えば、「下塗り=接着・防錆、中塗り=厚みと平滑、上塗り=色と耐候性の最終仕上げ」と役割が分かれています。
| 塗料の種類 | 適用素地・特徴 |
|---|---|
| 合成樹脂調合ペイント(SOP) | 木部・鉄鋼面・亜鉛めっき鋼面に使用。セメント系素地(押出成形セメント板等)には不適。 |
| 合成樹脂エマルションペイント | コンクリート・モルタル・押出成形セメント板などのセメント系素地に適用。 |
| アクリル系塗料 | コストが低く耐候性は中程度。外壁の一般的な塗替えに使用。 |
| ウレタン系塗料 | 柔軟性・耐候性が高い。外壁・屋根に広く使用。 |
| フッ素系塗料 | 最高水準の耐候性。高耐久・高コスト。高層ビル外壁等に使用。 |
| 錆止め塗料 | 鉄骨の防錆目的の下塗り材。ただし高力ボルト摩擦面・コンクリート埋込部には塗らない。 |
簡単にいうと、「SOPはセメント系素地には使えない」「セメント系素地にはエマルションペイント」と覚えておけば試験で混乱しありません。
鉄骨の錆止め塗装は試験でよく問われます。塗装前のケレンを行い、塗るべき場所と塗ってはいけない場所を整理しておくことが大切です。
| 箇所 | 塗装の扱い | 理由 |
|---|---|---|
| 高力ボルト摩擦接合部の摩擦面 | 塗装しない | 摩擦力(すべり係数)が低下するため |
| コンクリートに埋め込まれる部分 | 塗装しない | コンクリートとの付着強度が低下するため |
| 溶接を行う箇所(溶接予定部) | 塗装しない | 溶接品質が低下するため |
| 一般的な鋼材面 | 素地調整後、速やかに塗装 | 調整後は発錆しやすいため、数日あけるのは× |
工場塗装を行う部材は、塗装検査以外のすべての検査を完了させてから塗装します。
混同しやすい用語の整理
下塗りは塗装の第1工程の総称。シーラーは下地の吸収を抑える下塗り材(コンクリート・モルタル面に使用)。
プライマーは接着力を高める下塗り材(鉄素地・各種下地に使用)。どちらも下塗りの一種ですが目的が異なります。
塗膜厚は乾燥後の塗膜の厚さ(μm単位)。塗り重ね回数は何回塗ったかの回数。
1回の塗り重ねで必要な塗膜厚が確保できない場合、複数回塗り重ねます。
塗装の下塗りの役割は?
素地(下地)への塗料の密着性を高めること、および鉄骨等では防錆の役割を担うこと。プライマー・シーラー・錆止め塗料が下塗りに使われる。
塗装を避けるべき気象条件は?
気温5℃以下・湿度85%以上・降雨・強風時。これらの条件では塗料の乾燥・密着が不良になる。
合成樹脂調合ペイント(SOP)は押出成形セメント板に使用できるか?
×。SOPは木部・鉄鋼面・亜鉛めっき鋼面に適用。
セメント系素地には合成樹脂エマルションペイントを使用する。
鉄骨の高力ボルト摩擦接合部の摩擦面に錆止め塗装してよいか?
×。摩擦面は塗装しない。
塗装するとすべり係数が低下して接合強度が落ちる。
鉄骨の素地調整(ケレン)後、数日あけてから塗装してよいか?
×。素地調整後は速やかに塗装する。
調整後の金属面は発錆しやすいため、日数をあけてはいけない。
> 素地ごしらえとは?塗装前に行う理由を確認する
> シーラーとプライマーの違いを確認する
仕上げ・内装工事の施工管理は仕上げ・内装にまとめています。
参考法令・規格
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
SOP(合成樹脂調合ペイント)はセメント系素地には使えません。素材ごとの塗料種別を仕様書で確認する習慣をつけましょう。
鉄骨の素地調整後は発錆を防ぐため速やかに塗装することが基本ですね。高力ボルト摩擦面・コンクリート埋込部・溶接予定部は塗装禁止箇所として特に注意が必要で、検査時に写真記録を残しておきましょう。