令和3年度(後期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.42 は、塗装工事に関する問題です。この問題では、4つの記述のうち、不適当なものを2つ選びます(応用能力問題)。
塗装では、強溶剤系のローラー選び、オイルステインの濃度調整、モルタル面への塗料選定、隅やちり回りの先行塗りが並びます。2つの不適当肢を選ぶ問題です。
核心は、塗料と道具・下地の「相性」です。強溶剤に侵されるモヘアのローラーを使う点と、アルカリに弱い合成樹脂調合ペイントをモルタル面に使う点が、相性の悪い組合せとして紛れ込んでいます。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢1・3(最も不適当な2つの記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(誤り) | 強溶剤系の塗料にモヘア(ウール系)のローラーは溶剤に侵されて不適。耐溶剤性のローラーを使う |
| 2 | ◯(正しい) | オイルステインの濃度調整を専用シンナーで行う取扱いで正しい |
| 3 | ×(誤り) | アルカリ性のモルタル面に合成樹脂調合ペイントは不適。耐アルカリ性の塗料を選ぶ |
| 4 | ◯(正しい) | ローラーが届きにくい隅やちり回りを小刷毛で先に塗っておく段取りで正しい |
選択肢1は強溶剤にモヘアのローラーを合わせた点、選択肢3はアルカリ性のモルタル面に合成樹脂調合ペイントを合わせた点で、いずれも相性の悪い組合せです。
ローラーの毛には素材ごとの得手不得手があり、モヘアのようなウール系の毛は強い溶剤に弱い性質を持ちます。強溶剤系の塗料に使うと、溶剤に侵されて毛が傷み抜け落ち、塗面に毛が残るなど仕上がりを損ないます。だから強溶剤系には溶剤に耐える種類のローラーを選びます。選択肢1はここが誤りなんです。
もう一方は下地と塗料の相性です。合成樹脂調合ペイント(SOP)はアルカリに弱い塗料で、モルタルやコンクリートのようなアルカリ性の下地に塗ると、けん化と呼ばれる反応で塗膜が軟化したり変色したりします。
そのためモルタル面には、アルカリに耐える種類の塗料を選ぶのが原則です。選択肢3はアルカリ性下地に弱い塗料を合わせており、塗膜が早く劣化する点で不適当になります。
強溶剤系の塗料にモヘアのローラーが向かないのはなぜか。
ウール系のモヘアは強い溶剤に侵されて毛が傷み抜け落ちるためです。強溶剤系には溶剤に耐える種類のローラーを使います。
モルタル面に合成樹脂調合ペイントが適さないのはなぜか。
モルタルはアルカリ性で、アルカリに弱い合成樹脂調合ペイントはけん化して塗膜が劣化するためです。耐アルカリ性の塗料を選びます。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月