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木部の塗装工事とは?クリヤラッカーの工程と着色のタイミング

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けんせつる

けんせつる

着色って、下塗りの前と後どっちだっけ?

ウッドシーラーとサンジングシーラーって何が違うの?

この記事の要点

木を透明に仕上げるクリヤラッカー塗りは、着色 → 下塗り(ウッドシーラー)→ 中塗り(サンジングシーラー)→ 上塗りの順です。

着色は下塗りより前。ウッドシーラーは色を押さえる材料なので、あとから着色しても色が入りません。

下塗りにジンクリッチプライマーを使うのは誤りです。あれは鉄部のさび止め用です。ここが繰り返し出ます。

木部の塗装は、木目を見せる透明塗料と、木目を隠す不透明塗料に大きく分かれます。

透明仕上げの代表がクリヤラッカー塗り(CL)で、屋内の造作材・建具・造付け家具などに使います。

不透明仕上げの代表は合成樹脂調合ペイント(SOP)です。塗料と素地の組合せは塗装工事にまとめています。

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クリヤラッカー塗りの工程

工程と材料は次のとおりです。順番が試験の的です。

工程 材料・ねらい
1 素地ごしらえ 汚れ・油の除去、研磨紙ずりなど(素地ごしらえ
2 着色 木地に色を入れる。下塗りより前
3 下塗り ウッドシーラー。吸込み止め・素地押え・着色押え
4 目止め 導管のくぼみを埋めて平らにする
5 中塗り サンジングシーラー。膜厚を確保し、研磨して平滑にする
6 上塗り クリヤラッカー

シーラーが2回出てきますが、下塗りがウッドシーラー、中塗りがサンジングシーラーです。名前が似ているので、下塗りにサンジングシーラーと書かせる出題があります。

なぜ着色が先なのか

ウッドシーラーの役目のひとつが着色押えだからです。入れた色が動かないように押さえ、上に塗る塗料へにじみ出るのを止めます。

先にウッドシーラーを塗ってしまうと、木地が塞がれて色が入らなくなります。だから着色が先、押えが後です。

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オイルステイン・木材保護塗料の扱い

オイルステイン塗り

木に色を染み込ませる着色材です。塗ったあとの扱いに特徴があります。

  • 拭き取る:塗付け後、乾き切らないうちに余分な材料をウエスで拭き取ります。乾いてからでは取れません。
  • 色濃度の調整はシンナー:水ではありません。油性だからです。
  • 屋外には使わない耐候性が劣るため、建築物の屋外には使用しません。

木材保護塗料塗り

屋外の木部に使う塗料です。希釈せず原液のまま使用します。薄めると性能が出ません。

施工管理での確認ポイント

  • 下塗り材の確認:木部の透明塗りの下塗りがウッドシーラーになっているか。ジンクリッチプライマー(鉄部用)が混ざっていないか確認する。
  • 着色の順番:着色が下塗りの前に行われているか確認する。順番を戻せないので、着手前の打合せで押さえます。
  • 木部の含水率:塗装できる乾き具合には基準があります(塗装工事の施工禁止条件)。
  • 節止め:不透明塗料塗りの木部は、節止め(セラックニス)をしてから穴埋め・パテかいの順です(素地ごしらえ)。

混同しやすい用語の整理

ウッドシーラー と サンジングシーラー

どちらもクリヤラッカー塗りで使うシーラーですが、順番と役目が違います。

ウッドシーラー=下塗り。吸込み止め・素地押え・着色押えのために、着色のあとに塗ります。

サンジングシーラー=中塗り。膜厚を確保し、研磨して平滑に仕上げるために使います。

ウッドシーラー と ジンクリッチプライマー

どちらも下塗り材ですが、素地が違います。ウッドシーラーは木部ジンクリッチプライマーは鉄部のさび止めです。木部の下塗りにジンクリッチを使うという出題は誤りです。

過去問でどう問われたか

木部の塗装は、平成27年度から令和5年度まで、主に2級で繰り返し問われています。引っかけは3つのパターンです。

  • 下塗り材のすり替え……クリヤラッカーの下塗りに「ジンクリッチプライマー」(鉄部用)や「サンジングシーラー」(中塗り用)を当てる。正しくはウッドシーラー。
  • 着色の順番……「着色は下塗りのウッドシーラー塗布後」と読ませる。正しくは下塗りの前。
  • オイルステインの扱い……屋外での使用可否、拭き取りの時期、シンナーでの調整。
年度・級・No. 問われ方/引っかけ
2級 令和5年後期 No.27 クリヤラッカー塗りの下塗りにジンクリッチプライマーを用いた → 木部の下塗りはウッドシーラー ←①
2級 平成29年後期 No.60 木部のクリヤラッカー塗りの下塗りにジンクリッチプライマーを用いた → 同上 ←①
2級 令和元年後期 No.30 クリヤラッカー塗りの下塗り材にサンジングシーラーを使用した → サンジングシーラーは中塗り。下塗りはウッドシーラー ←①
2級 令和4年後期 No.27 着色を下塗りのウッドシーラー塗布後に行った → 着色は下塗りの前 ←②
2級 平成27年 No.90 着色はウッドシーラー塗布後に着色するとした → 着色は下塗りの前 ←②

つまりクリヤラッカーの下塗りはウッドシーラー、着色はその前。ジンクリッチは鉄部、サンジングは中塗りです。この並びを覚えておけば、木部の塗装は取りやすくなります。各行は該当する過去問解説にリンクしています。

理解度チェック

Q.

クリヤラッカー塗りの着色は、下塗りの前と後のどちらか。

前です。下塗りのウッドシーラーには着色押えの役目があり、先に塗ると色が入らなくなります。

Q.

クリヤラッカー塗りの下塗り材は何か。

ウッドシーラーです。サンジングシーラーは中塗り、ジンクリッチプライマーは鉄部のさび止め用で、どちらも木部の下塗りには使いません。

Q.

オイルステイン塗りの余分な材料は、いつ拭き取るか。

塗付け後、乾き切らないうちに拭き取ります。乾いてからでは取れません。

Q.

オイルステインを屋外の木部に使ってよいか。

使いません。耐候性が劣るためです。屋外の木部には木材保護塗料を、希釈せず原液で使用します。

まとめ

  • クリヤラッカー塗り=着色 → 下塗り(ウッドシーラー)→ 目止め → 中塗り(サンジングシーラー)→ 上塗り。
  • 着色は下塗りより前。ウッドシーラーが着色押えだから。
  • 下塗りにジンクリッチプライマー(鉄部用)・サンジングシーラー(中塗り用)は誤り。
  • オイルステインは乾く前に拭き取り、調整はシンナー、屋外には使わない。

> 塗料と素地の組合せは塗装工事を確認する
> 節止め・パテかいは素地ごしらえを確認する
> 木部の含水率は塗装工事の施工禁止条件を確認する

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参考資料

  • 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)第18章 塗装工事 クリヤラッカー塗り(CL)の工程・材料
  • JASS 18 塗装工事(ウッドシーラー・サンジングシーラーの役割)
  • 一般財団法人 建設業振興基金「1級・2級 建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」(木部の塗装工事の出題)

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けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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