けんせつる
レイタンスって何?打継ぎの前になぜ除去しないといけないの?
この記事の要点
レイタンス(laitance)は、コンクリート打設後のブリーディング(水の上昇)によって表面に浮き上がる、強度の低い微粒子の堆積層です。
コンクリートの打継ぎを行う前にレイタンスを除去しないと、新旧コンクリートの付着力が低下して打継ぎ部分の強度・水密性が確保できません。施工管理ではレイタンス除去の完了確認と除去後の写真記録が必須です。
レイタンスは「見た目では分かりにくいが、残したままだと打継ぎ部分が弱点になる」材料です。
発生メカニズムと除去方法を整理しましょう。
コンクリートを打設すると、コンクリート内の水分(余剰水)が比重差で上昇する「ブリーディング」が起きます。
このブリーディング水とともに、コンクリート内の微細なセメント粒子・骨材微粉末が表面に浮き上がります。これが乾燥・硬化してコンクリート表面に積もった薄い層がレイタンスです。
レイタンスの特徴は次の通りです。
ここは混乱しやすいところですね。ブリーディングとレイタンスは関連していますが別の現象です。
| 用語 | 現象 | 発生タイミング |
|---|---|---|
| ブリーディング | コンクリート打設後に余剰水が表面に浮き上がる現象(水の移動) | 打設直後~数時間 |
| レイタンス | ブリーディング水とともに浮き上がった微粒子が表面で堆積・固化した層 | 硬化後に残る |
ザックリ言えば、「ブリーディングが原因でレイタンスが結果として生じる」という関係です。
ブリーディング自体は発生を完全に防ぐことはできませんが、打継ぎ前にレイタンスを除去することで打継ぎ品質を確保できます。
JASS 5・公共建築工事標準仕様書では、コンクリートの打継ぎを行う前にレイタンスを除去することが定められています。
レイタンスを残したまま打継ぎを行うと、次の問題が生じます。
主な除去方法は以下の3種類です。施工計画書または設計図書で指定された方法に従います。
レイタンス除去は「やったかどうか確認できない」と思われがちですが、適切な方法で確認できます。
例えば、地下躯体の打継ぎでレイタンスを除去せずに打設した場合、打継ぎ部分から地下水が漏れるリスクがあります。
地下部分は防水性が特に重要なため、レイタンス除去の確認は打継ぎ前の必須工程なんです。
混同しやすい用語の整理
ブリーディングはコンクリート内の余剰水が表面に浮き上がる現象(水の移動)。レイタンスはブリーディング水とともに浮き上がった微粒子が表面で固化した層。原因(ブリーディング)と結果(レイタンス)の関係。
レイタンスはコンクリート表面に生じる弱い微粒子層。打継ぎ前に除去すれば問題を防げる。コールドジョイントはコンクリートが部分的に硬化した後に次のコンクリートを打設したことで生じる打継ぎ欠陥。一度発生すると修復が困難。
レイタンスが打継ぎ面に残っていると何が起きるか?
新旧コンクリートの付着力が低下する。打継ぎ部分が構造上の弱点になり、地震時・荷重時にひび割れが生じやすくなる。地下部分では水密性が低下して漏水の原因になる。
レイタンスはどのようなメカニズムで発生するか?
コンクリート打設後のブリーディング(余剰水の上昇)によって、セメント微粒子・骨材微粉末が表面に浮き上がり、硬化して堆積したもの。ブリーディングが原因でレイタンスが生じる。
レイタンス除去の確認で施工管理者が行うべき写真記録は何か?
除去前と除去後を同じアングルで撮影する。除去後の面が新鮮なコンクリート面(ザラついた面)になっていることを確認できる写真を工事記録として残す。
JASS 5でレイタンス除去が求められている場面はどこか?
コンクリートの打継ぎを行う前。既設コンクリートの打継ぎ面のレイタンスを除去してから新しいコンクリートを打設することが定められている。
レイタンス除去後、新しいコンクリートを打設する前に行うべき処理は何か?
既設コンクリート面の湿潤。打継ぎ面を水で湿潤させてから打設する。既設コンクリートが乾燥していると、打設した新しいコンクリートの水分を吸収して品質が低下する。
RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。
> コンクリートの打継ぎ管理とは?を確認する
> ジャンカとコールドジョイントの違いとは?を確認する
参考資料
・JASS 5 鉄筋コンクリート工事(日本建築学会)打継ぎの節
・国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和4年版 第6章 コンクリート工事」
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
レイタンス除去で現場で起きることがあるのが「除去したつもりだが残っている」問題です。
ワイヤーブラシで軽くこするだけでは不十分で、特に角部分・境界部分に残りやすいです。除去後に現場を歩いて目視確認してから次の打設計画を立てる習慣が重要です。
もう一つは「打継ぎ面を濡らすタイミング」です。
新しいコンクリートの打設前に既設コンクリート面を湿潤にしておかないと、既設コンクリートが水分を吸い取って打継ぎ部の水セメント比が変わってしまいます。レイタンス除去→湿潤→打設という手順を守ることが大切です。