けんせつる
コンクリートの打継ぎ管理って何?どんな場面で使うの?
この記事の要点
打継ぎとは、すでに硬化したコンクリートの上に新しいコンクリートを打設する際の継ぎ目のことです。打継ぎ面の処理が不十分だと、新旧コンクリートが一体化せず、強度・水密性が低下します。
施工管理者として押さえるべきは①打継ぎ位置が図面通りか ②打継ぎ面の処理(レイタンス除去・チッピング)が正しく行われたか ③清掃・散水の確認の3点です。
打継ぎは構造的に弱点になりやすい部分です。
設計図で位置が指定されていても、現場での面処理が甘ければ後から問題が起きます。「処理した」という口頭確認だけでなく、工事写真で記録を残すことが現場での鉄則です。
打継ぎ位置は設計図(構造図)で指定されています。施工管理者は打設計画書に打継ぎ位置を明記し、現場作業員と事前に共有します。
代表的な位置の基準はこちらです。
| 部位 | 打継ぎ位置の目安 |
|---|---|
| 梁・スラブの鉛直打継ぎ | スパンの中央付近(せん断力が小さい位置) |
| 柱・壁の水平打継ぎ | スラブ・梁の下端または基礎梁の上端 |
| 階段 | 段差の踏面・蹴上の中間付近 |
ザックリ言えば、「応力が大きい位置(支点・端部)を避ける」というのが打継ぎ位置の基本的な考え方です。現場では設計図と実際の型枠位置がズレていないか、打設前に目視確認します。
打継ぎ位置(梁・スラブはスパン中央付近・柱は基礎上端またはスラブ天端)とレイタンス除去・散水湿潤の処理規定は、公共建築工事標準仕様書(下図)の6.6.4に示されています。
硬化したコンクリートの表面にはレイタンス(水和反応で浮き上がった脆弱な層)が残っています。これを除去しないと新旧コンクリートの付着が弱くなります。
混同しやすい用語の整理
打継ぎは設計図に基づいて意図的に設ける継ぎ目です。適切な処理を行えば問題ありません。
コールドジョイントは打設中断・遅延などによって意図せず生じる不連続面で、接合不良が生じた欠陥です。どちらも「古いコンクリートの上に新しいコンクリートを打つ」という形は同じですが、計画・管理のうえで全く別物として扱います。
レイタンス除去は表面の脆弱層(レイタンス)を取り除く作業全般を指します。チッピングはレイタンス除去の手段のひとつで、ハンマー・ディスクグラインダー等で表面を物理的に削る・叩く作業のことです。
「チッピングをしてレイタンスを除去する」という関係です。
コンクリートの打継ぎ面に残る脆弱な層を何というか?
レイタンス。水和反応で浮き上がった脆弱層で、新しいコンクリートを打設する前に除去しないと付着不良の原因になる。
梁・スラブの鉛直打継ぎ位置の目安は?
スパンの中央付近(せん断力が小さく、曲げモーメントが大きい位置)。支点・端部を避けて設ける。
(出題例:1級令和6年午後 問2)
梁・スラブの鉛直打継ぎをスパンの端部に設けることは適当か?
不適当。スパン端部はせん断力が最も大きい位置であり、打継ぎの弱点を設けるのは構造上不利になる。
スパンの中央付近または端部から1/4付近に設ける。
打継ぎ面処理後・打設直前に行うべき作業は?
清掃(粉じん・泥の除去)と散水(面を湿潤状態にする)。ただし水たまり状態で打設してはいけない。
RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。
> ジャンカ・コールドジョイントの防止と対策を確認する
> コンクリートの打込みと締固めの管理ポイントを確認する
参考資料
・JASS 5 鉄筋コンクリート工事(日本建築学会)
・JIS A 5308 レディーミクストコンクリート
・公共建築工事標準仕様書(建築工事編)国土交通省
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
打継ぎは打設計画書で位置と処理方法を事前に決めておきます。レイタンス除去(ウォータージェット・チッピング)後に湿潤面にしてから次の打設を行ってください。
打継ぎ面は水平打継ぎを原則とし、せん断力の大きい部位には設けないよう計画します。