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令和6年度 1級建築施工管理技士 No.52を解説、コンクリート締固めの考え方

けんせつる

けんせつる

棒形振動機って、長く当てればしっかり締まって良いんじゃないの?

この記事の要点

令和6年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.52は、コンクリートの運搬・打込み・締固めに関する応用能力問題です。五肢択一で最も不適当なものを選び、正解は選択肢5。

令和6年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.52は、コンクリートの運搬、打込み、締固めの数値や手順を問う問題なんです。

問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。

5つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

正解:選択肢5

コンクリート内部振動機(棒形振動機)の加振時間は1か所あたり5〜15秒程度が目安です。選択肢5の「60秒程度」は長すぎます。長く加振すると材料分離を起こしやすくなるので、現場では「長く当てるほど良い」と勘違いしがちですが、実際は逆なんです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 暑中コンクリートの荷卸し時の温度は35℃以下。標準どおり
2 ○(正しい) ベント管の水平換算距離は実長の3倍。圧送負荷の算定どおり
3 ○(正しい) 打重ねは先打ちコンクリートの再振動可能時間以内に行う。コールドジョイント防止にかなう
4 ○(正しい) 梁・スラブの鉛直打継ぎはスパン中央付近。せん断力の小さい位置で正しい
5 ×(誤り) 棒形振動機の加振時間は1か所5〜15秒程度。「60秒程度」は長すぎる

選択肢5の「60秒程度」という加振時間が誤りで、正しくは1か所あたり5〜15秒程度です。

この問題のポイント

この問題のテーマは、コンクリートを運んで、打ち込んで、固めるまでの一連の管理です。

見るべきは、温度・距離・時間・位置といった数値が現場の標準どおりかどうかなんです。

特に締固めは、量や時間を多めにすれば良いというものではありません。締固めはやりすぎると材料分離を招くので、適切な範囲があるわけです。

選択肢1

暑中コンクリートの荷卸し時のコンクリート温度を35℃以下とした、という記述です。

夏場の高温下では、コンクリートのスランプ低下や凝結の促進が起きやすくなります。

それを抑えるための上限が35℃以下です。標準的な管理値なので、この記述は問題ありません。

選択肢2

圧送負荷の算定で、ベント管の水平換算距離を実長の3倍とした、という内容です。

ベント管は曲がっている分だけ圧送抵抗が大きくなります。そのため、まっすぐな水平管よりも長い距離として計算するわけです。

実長の3倍に換算するのは標準的な扱いで、誤りはありません。

選択肢3

同一区画の打重ねを、先に打ち込んだコンクリートの再振動可能時間以内に行った、という記述です。

打重ねが遅れると、先打ち層と後打ち層が一体にならず、コールドジョイントができてしまいます。

再振動可能時間以内なら、棒形振動機で下層まで一体化できるんです。だから時間管理として正しいということです。

選択肢4

梁やスラブの鉛直打継ぎ部を、スパンの中央付近に設けた、という内容です。

打継ぎ部は構造的に弱点になりやすい場所です。

そのため、せん断力が大きい端部を避け、せん断力の小さいスパン中央付近に設けます。よってこの記述も適切です。

選択肢5

ここが誤りを含む選択肢です。棒形振動機の加振時間を1か所あたり60秒程度とした、という記述になっています。

実際の加振時間は5〜15秒程度が目安なんです。

なぜかというと、60秒も加振するとモルタルと粗骨材が分離し、表面に余分なペーストが浮いてしまうからです。

例えば現場で1か所を長く当てすぎると、骨材が沈み、上の方がジャブジャブのモルタルだけになってしまいます。これでは品質が落ちますね。

覚え方

棒形振動機 → 1か所5〜15秒 → ゆっくり引き抜く → 長すぎは材料分離でNG

締固めは「強く長く」ではなく「適切な時間で均一に」が基本です。

時間の数値が出てきたら、5〜15秒という範囲を思い出してください。60秒のような大きな数字は、まず疑ってよいでしょう。

一問一答

Q.

コンクリート内部振動機(棒形振動機)の1か所あたりの加振時間の目安は。

5〜15秒程度です。長く加振しすぎると材料分離を起こすため、60秒程度は不適当です。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和6年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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