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令和6年度(後期)2級建築施工管理技士 No.38を解説、普通コンクリートの調合

けんせつる

けんせつる

スランプって、工場を出るときの値を決めればいいんだっけ。

この記事の要点

令和6年度(後期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.38は、普通コンクリートの調合に関する問題です。正解は選択肢4。スランプは荷卸し地点での値を指定するのが原則で、工場出荷時の値ではないからです。

令和6年度(後期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.38は、普通コンクリートの調合に関する問題です。

問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。

この問題は能力問題で、5つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

正解:選択肢4

スランプは荷卸し地点での値を指定するのが原則なんです。「工場出荷時に決めればいい」と勘違いしがちですが、運搬中にスランプは少しずつ低下していくわけです。受け取る側の現場で必要な軟らかさを確保するには、出荷時ではなく荷卸し時の値で管理しないと意味がありません。ここが一番引っかかりやすいところですね。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 水セメント比は、耐久性を確保するには小さいほうがよい
2 ○(正しい) ブリーディングを抑えるには、単位水量はできるだけ少なくする
3 ○(正しい) 乾燥収縮ひび割れを防ぐには、単位セメント量はできるだけ少なくする
4 ×(誤り) スランプは荷卸し地点での値を指定する。工場出荷時ではない
5 ○(正しい) ワーカビリティー向上には、扁平より球形の粗骨材を用いる

選択肢4は、スランプを「工場出荷時の値」で指定するとしている点が誤りで、正しくは荷卸し地点での値を指定します。

この問題のポイント

この問題では、コンクリートの調合を決めるときの考え方が問われています。

耐久性、ひび割れ、ワーカビリティーといった目的ごとに、どの数値をどう動かすかを整理しておきたいところですね。

特に引っかかりやすいのが、スランプを指定する「場所」です。コンクリートは工場から現場まで運ばれる間に、少しずつ軟らかさが失われていくわけです。

そのため、受け取る現場の側でちょうどよい軟らかさになるよう、荷卸し地点の値で指定するんです。

選択肢1

選択肢1は水セメント比についての記述です。

水セメント比とは、セメントに対する水の量の割合です。水が多いほどコンクリートはスカスカになり、耐久性が落ちます。

そのため、耐久性を確保したいなら水セメント比は小さいほうがよいわけです。記述のとおりなので適当ですね。

選択肢2

選択肢2は単位水量とブリーディングについての記述です。

ブリーディングとは、打込み後に余分な水が表面へ浮き上がってくる現象です。水が多いほど起きやすくなります。

そのため、ブリーディングを抑えたいなら単位水量はできるだけ少なくします。記述のとおりなので適当です。

選択肢3

選択肢3は単位セメント量と乾燥収縮についての記述です。

セメントが多いほど、固まったあとに縮む量が大きくなり、乾燥収縮によるひび割れが出やすくなります。

そのため、ひび割れを防ぐには単位セメント量はできるだけ少なくします。記述のとおりなので適当ですね。

選択肢4

これが誤りを含む選択肢です。「スランプは、レディーミクストコンクリート工場出荷時における値を指定する」とありますが、正しくは荷卸し地点での値を指定します。

コンクリートは運搬中にスランプが少しずつ低下します。出荷時の値で決めてしまうと、現場に着いたときには硬くなりすぎてしまうわけです。

受け取る現場でちょうどよい軟らかさになるよう、荷卸し地点で測る値を指定するのが原則です。そのため、選択肢4は不適当ということです。

選択肢5

選択肢5は粗骨材の形状についての記述です。

扁平で角ばった骨材は流れにくく、丸みのある球形の骨材のほうがコンクリートが流れやすくなります。

例えば、角の多い砂利よりも丸い砂利のほうが、ポンプ圧送もしやすくなりますね。ワーカビリティー向上には球形を用いるという記述は適当です。

覚え方

スランプは「いつ測るか」ではなく「どこで測るか」で覚えると間違えにくくなります。

運搬中にスランプは下がるので、お金を払って受け取る現場の側、つまり荷卸し地点で必要な値を確保するわけです。

スランプは荷卸し地点の値で指定、運搬中に下がるから受け取る側で管理とセットで覚えると、選択肢4のようなひっかけに引っかからなくなるでしょう。

一問一答

Q.

レディーミクストコンクリートのスランプは、どの地点での値を指定するか。

荷卸し地点での値を指定します。工場出荷時ではありません。

Q.

乾燥収縮によるひび割れを防ぐには、単位セメント量をどうするか。

できるだけ少なくします。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和6年度(後期)2級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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