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令和5年度 1級建築施工管理技士 No.56を解説、普通コンクリートの調合

けんせつる

けんせつる

骨材は偏平なほうが流れやすいんだっけ?21N/mm²のスランプって21cmでいいの?

この記事の要点

令和5年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.56は、普通コンクリートの調合に関する応用能力問題です。五肢のうち不適当なものを2つ選ぶ問いで、正解:選択肢1・5

令和5年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.56は、普通コンクリートの調合に関する応用能力問題です。五肢択二で「不適当なもの」を2つ選ぶ形式なんです。

問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。

5つの記述のうち、不適当なものを2つ選びます。

正解:選択肢1・5

「偏平な骨材のほうが流れがよい」と思い込んでいる人が意外と多いのですが、これは逆なんです。選択肢1は偏平な骨材のほうがワーカビリティーがよいとした点、選択肢5は21N/mm²のスランプを21cmとした点が誤りで、一般的なコンクリートのスランプは18cm程度です。数字が並ぶと混乱しがちですが、ここを落ち着いて切り分けましょう。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ×(誤り) ワーカビリティーは球形に近い骨材のほうがよい。偏平は悪い
2 ○(正しい) AE剤等を用いる場合の調合空気量は4.5%
3 ○(正しい) 無害でない骨材もアルカリ総量3.0kg/m³以下なら使用可
4 ○(正しい) 調合管理強度=品質基準強度+構造体強度補正値
5 ×(誤り) 21N/mm²程度のスランプは一般に18cm程度。21cmは大きすぎる

選択肢1は偏平な骨材のほうがワーカビリティーがよいとした点が誤りで、正しくは球形に近い骨材のほうがよいです。選択肢5はスランプを21cmとした点が誤りで、調合管理強度21N/mm²程度なら一般に18cm程度です。

この問題のポイント

この問題のテーマは、コンクリートを練るときの配合(調合)の考え方なんです。

判断の軸は「材料の形・量・強度」の3つです。骨材の形、空気量やアルカリ量、そして強度とやわらかさ(スランプ)の関係を見ます。

言葉が似ていて取り違えやすいので、1つずつ意味を確かめましょう。

選択肢1

これが誤りを含む選択肢の1つです。粗骨材偏平なものを用いるほうが、球形に近い骨材よりワーカビリティーがよいとしています。

ワーカビリティーとは、コンクリートの練り混ぜ・運搬・打込みのしやすさのことです。骨材どうしが転がってなめらかに動くほうが、流れやすくなります。

球形に近い骨材は転がりやすく流動性が高い一方、偏平・細長い骨材は引っかかって動きにくいんです。記述は逆で、偏平のほうがよいは誤りということです。

選択肢2

選択肢2は、AE剤・AE減水剤・高性能AE減水剤を用いる場合の調合空気量を4.5%とした内容です。

これらの混和剤は、コンクリート中に細かい空気を連行して凍害への抵抗性とワーカビリティーを高めます。

調合を定める際の空気量は4.5%が標準値です。正しい記述ですね。

選択肢3

選択肢3は、アルカリシリカ反応性試験で無害でないと判定された骨材でも、アルカリ総量3.0kg/m³以下なら使用できるとした内容です。

アルカリシリカ反応は、骨材とセメント中のアルカリが反応して膨張ひび割れを起こす現象です。これを抑える方法の1つが、アルカリの総量を制限することなんです。

コンクリート中のアルカリ総量を3.0kg/m³以下に抑えれば、無害でない骨材でも使えます。正しい記述です。

選択肢4

選択肢4は、調合管理強度を品質基準強度に構造体強度補正値を加えたものとした内容です。

構造体のコンクリートは、試験用の供試体より強度が出にくいことがあります。その分を補うのが構造体強度補正値です。

ザックリ言えば、目標の品質基準強度に「ちょっと割増し」を足したものが調合管理強度、ということです。正しい記述です。

選択肢5

これが誤りを含むもう1つの選択肢です。調合管理強度21N/mm²のスランプを、一般に21cmとした内容です。

スランプはコンクリートのやわらかさの指標で、大きいほどやわらかく流れやすくなります。ただ、やわらかくしすぎると材料分離や強度低下を招きます。

21N/mm²程度の一般的なコンクリートでは、スランプは18cm程度が目安です。21cmは大きすぎて誤りなんです。なんとなく全体の流れがつかめましたか。

覚え方

骨材は球形に近いほどワーカビリティーがよい(偏平は悪い)。21N/mm²程度のスランプは18cm程度(21cmではない)

選択肢1は「形と流れやすさ」、選択肢5は「強度とスランプの目安」と、論点が別なので分けて覚えると混ざりません。空気量4.5%、アルカリ総量3.0kg/m³も数字で押さえておきましょう。

一問一答

Q.

球形に近い骨材と偏平な骨材では、どちらがワーカビリティーがよいか。

球形に近い骨材のほうがよいです。偏平・細長い骨材は引っかかって流れにくく、ワーカビリティーは悪くなります。

Q.

調合管理強度21N/mm²程度のコンクリートのスランプは、一般にどのくらいか。

一般に18cm程度です。21cmは大きすぎて不適当です。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和5年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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