けんせつる
「木材って含水率が何パーセント以下なら使っていいの?乾燥材のD15とD20って何が違うの?」
この記事の要点
木材の含水率とは「木材に含まれる水分の量を全乾重量(完全乾燥後の重量)で割った割合」です。含水率が高いと乾燥収縮・割れ・狂いが生じるため、使用箇所に応じた乾燥材が必要です。
JAS規格の乾燥材区分では、D15:含水率15%以下(造作材・内装材向け)、D20:含水率20%以下(構造材向け)が基本です。含水率が約30%(繊維飽和点)を超えると木材の強度・寸法安定性が大きく変わります。
含水率とは、木材に含まれる水分の重量を、完全乾燥後の木材の重量(全乾重量)で割って100を掛けた値です。
式で書くと:含水率(%)=(水分重量 ÷ 全乾重量)× 100 となります。
生材(山から切り出したばかりの木材)の含水率は樹種によって異なりますが、30~100%以上になることもあります。これを乾燥させていくと含水率が下がり、施工に使える状態になります。
ザックリ言えば、含水率が高いほど「まだ水分が多い」状態で、乾燥するにつれて木材が収縮していきます。乾燥が不十分な材を使うと、建物の完成後も木材が動き続けます。
これは要注意ですね。
木材の含水率が約30%を超えると、水分は細胞内の空洞(細胞腔)に液体として存在します。この状態では含水率が変化しても木材の寸法はほとんど変わりません。
ところが、含水率が約30%以下になると、細胞壁の中に含まれていた水分(結合水)が抜け始め、細胞壁が収縮します。これが乾燥収縮の本体です。
この境目の含水率(約30%)を繊維飽和点と呼びます。
繊維飽和点を超えている生材を使うと、建物が完成してから乾燥が進み、割れ・狂い・反りが生じます。内装材の隙間や床鳴りが起きるのはほぼこれが原因ですね。
JAS規格(日本農林規格)では、製材の乾燥材を含水率で以下のように区分しています。
| 区分記号 | 含水率 | 主な用途 |
|---|---|---|
| D15 | 15%以下 | 造作材・内装材・フローリング下地など |
| D20 | 20%以下 | 構造材・下地材・土台(防腐処理材)など |
「D」はDried(乾燥済み)の頭文字で、後ろの数字が最大含水率を表します。D15の方が乾燥度が高く、寸法安定性が求められる箇所に使われます。
公共建築工事標準仕様書では、構造用製材はD20(含水率20%以下)を標準としています。内装造作材にはD15(15%以下)が求められることが多いです。
例えば、フローリング材に含水率20%の材を使うと、室内の平衡含水率(約12~15%程度)まで乾燥収縮が続き、床板の継目に隙間が生じます。造作材ほど厳しい15%基準が必要なのはこのためです。
現場での含水率確認には、主に電気抵抗式含水率計が使われます。木材に2本の電極ピンを刺して抵抗値を測り、含水率を読み取る器具です。
作業性が高く、搬入時の抜き取り確認に適しています。
より精度の高い方法として全乾法(炉乾燥法)があります。試験体を炉で完全乾燥させ、乾燥前後の重量差から含水率を計算する方法で、公的試験に使われます。
ただし現場での即時確認には向きません。
施工管理の確認ポイントは以下です。
含水率が基準を超えた材を使ってしまうと、建物完成後に以下の問題が生じます。
含水率管理は「後から取り換えがきかない」工種なので、搬入時の確認が最も重要でしょう。使う前に記録を残す習慣をつけておくと、後々のトラブル対応が楽になりますね。
混同しやすい用語の整理
D15:含水率15%以下の乾燥材。造作材・内装材など寸法安定性が特に求められる箇所に使う。
D20:含水率20%以下の乾燥材。構造材・下地材・土台など。
D15より乾燥が緩い区分。
含水率:その時点での木材の水分量を全乾重量比で表した数値(%)。
繊維飽和点:約30%。
これ以下になると乾燥収縮が始まる境目の含水率。
Q1. 木材の含水率が低下すると収縮が始まる境目の含水率を何と呼ぶか。
A. 繊維飽和点(約30%)。この含水率以下になると乾燥収縮が生じる。
Q2. JAS規格でD15とD20はそれぞれ含水率何%以下か。
A. D15は15%以下、D20は20%以下。D(Dried)の後の数字が最大含水率を示す。
Q3. 内装造作材と構造用製材では、一般にどちらが厳しい含水率基準を求められるか。
A. 内装造作材(D15・15%以下)の方が厳しい。仕上がりの寸法安定性が求められるため。
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参考資料
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
現場で見落としやすいのが「保管中の含水率上昇」です。乾燥材として搬入されても、雨ざらしで保管していると含水率が再び上昇します。
特に梅雨時期・夏の工事では、材料のブルーシート養生を徹底することが重要です。また、電気抵抗式含水率計の測定位置は木材の表面ではなく、断面中央に近い位置(ピンの刺し込み深さに注意)で読み取ることが必要です。
表面は乾いていても内部は湿っているケースがあります。