けんせつる
「木造の床組って根太・大引き・床束がどう組み合わさっているのか、床下換気口の面積や床下高さの規定はどう確認すればいいのか整理したい。」
この記事の要点
木造の床組は、根太・大引き・床束で構成された床下の骨格です。施工管理では法令に基づく数値の確認が重要です。
木造軸組工法の最下階の床は、基礎の上に次の部材を積み上げる形で構成されます。
| 部材名 | 読み | 役割 | 標準的なサイズ・間隔 |
|---|---|---|---|
| 大引き | おおびき | 根太を支える横架材。土台から土台にかけ渡す。 | 90×90mm程度。間隔910mm(3尺)が一般的 |
| 根太 | ねだ | 床板(合板)を直接支える横材。大引きに直角に組む。 | 45×60mm程度。間隔303mm(1尺)または455mm |
| 床束 | ゆかつか | 大引きを地面から支える短柱。 | 910mm間隔が目安。現在は鋼製束・プラスチック束が主流 |
| 束石 | つかいし | 床束の下に置く石またはコンクリートブロック。床束の沈下を防ぐ。 | 独立基礎形式でコンクリート製が一般的 |
ザックリ言えば、「地面→束石→床束→大引き→根太→床板」という順番で下から上に積み上がる構造ですね。それぞれの部材が荷重を受け持つ階層があります。
建築基準法施行令第22条では、最下階の居室の床(木造)の高さについて次のとおり定めています。
「床の高さは、直下の地面からその床の上面まで45cm以上とすること。」
床下を45cm以上確保する理由は、湿気がこもりにくい空間をつくるためです。床下が狭すぎると通気が悪くなり、木材が腐朽・シロアリ被害を受けやすくなります。
施工管理では、土工事後の基礎着工前に地面高さを確認し、設計床高さとの差から床下空間が45cm以上確保されているかを確かめておくべきでしょう。コンクリート打設後に床下高さを変更するのは困難です。
建基令22条には換気孔についても規定があります。
「外壁の床下部分には、壁の長さ5m以下ごとに、面積300cm2以上の換気孔を設け、ねずみの侵入を防ぐための設備をすること。」
これが在来工法の床下換気口(基礎に設けるスリット・開口)の根拠です。換気口はねずみ・虫の侵入を防ぐために防虫網を設置します。
| 換気方式 | 設置方法 | 規制の扱い |
|---|---|---|
| 従来の換気口方式 | 基礎立ち上がり部に開口を設ける(300cm2以上/5m以内) | 建基令22条に準拠 |
| 基礎パッキン工法 | 基礎と土台の間に樹脂製パッキンを敷き、全周から均一に通気させる | 換気量が確保できれば令22条の換気孔は不要(国土交通省告示) |
現在の新築木造住宅では基礎パッキン工法が広く普及しています。換気口の有無を確認する際は、どちらの方式で設計されているかを先に確認しておくことが必要ですね。
地面から上がってくる湿気を防ぐため、床下の地面には防湿フィルムを敷きます。施工管理での確認ポイントは次のとおりです。
混同しやすい用語の整理
根太:床板を直接受ける細い横材。間隔は303mm(1尺)程度。
大引き:根太を受ける太い横材。間隔は910mm(3尺)程度。
根太より下位の部材。
床束:床組を下から支える短い柱。基礎から土台まで達せず床下だけに存在する。
管柱:1階床から2階梁まで達する柱。軸組の一部として壁面に使われる。
床下換気口:基礎の立ち上がり部に設ける開口。従来工法。
基礎パッキン:基礎と土台の間に挟む樹脂製部材。全周から通気させる。
どちらも目的は床下換気で、現在は基礎パッキンが主流。
Q1. 建基令22条で定められている、最下階木造床の床下高さの最小値はいくらか。
A. 直下の地面から床上面まで45cm以上(建築基準法施行令第22条)。床下の通気を確保し、木材の腐朽を防ぐことが目的。
Q2. 床下換気孔の面積と設置間隔の規定はどのようなものか。
A. 壁長さ5m以下ごとに、有効面積300cm2以上の換気孔を設ける(建基令22条)。基礎パッキン工法で全周通気が確保されている場合はこの規定は適用しない。
Q3. 根太と大引きの違いは何か。
A. 根太は床板を直接支える部材(間隔303mm程度)、大引きは根太を支える太い横材(間隔910mm程度)。大引きが根太の下位に位置する。
Q4. 床下防湿フィルムの継目の重ね代はいくら必要か。
A. 継目は300mm以上重ねる。端部は基礎立ち上がりまで巻き上げてテープで固定する。
RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨にまとめています。
参考資料
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
床下防湿と床下換気は「どちらかだけ」では不十分で、両方そろって初めて機能します。防湿フィルムで地面からの湿気を遮断し、換気口(またはパッキン)で床下空間の空気を流通させる。
この組み合わせが木材の腐朽・シロアリを防ぐ基本です。施工中にフィルムが傷ついたまま床板を張ると後から修正できないため、フィルム施工後・床板施工前の確認が必須です。
また、基礎パッキン工法を採用している場合でも、床下の点検口は設ける必要があります。竣工後も床下を点検できる状態を維持することが建物の長期保全につながります。