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けんせつる
「木造の防腐・防蟻処理って、どこに必要なの?現場切断したら再塗布が必要って本当?」
この記事の要点
防腐・防蟻処理は、木材の腐朽とシロアリ被害を防ぐために、湿気・土壌に近い部位へ施す措置です。施工管理で押さえるポイントは次の3点です。
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木材は水分を含んだ状態が続くと、腐朽菌(木材腐朽菌)によって腐食が進みます。また、シロアリは地中から侵入して木材を食害し、建物の構造耐力を大きく低下させます。
特に土台や床下の木材は地面からの湿気と近く、腐朽・虫害が起きやすい部位です。防腐・防蟻処理は、こうした劣化を防ぐために施す化学的・物理的な措置です。
建築基準法施行令第49条第2項は、構造耐力上主要な部分である柱・筋かい・土台のうち地面から1m以内の部分に、有効な防腐措置と、必要に応じてしろあり等の防止措置を講じるよう定めています。具体的な処理方法は公共建築工事標準仕様書や住宅金融支援機構のフラット35仕様書に示されています。
設計段階から確認しておきたいポイントです。
施行令49条2項や各仕様書では、地面から高さ1m以内に位置する木材(外壁内・床下)への防腐・防蟻処理を求めています。
具体的には以下の部位が対象です。
処理対象の目安は「床下の木材と、外壁の地際から1m以内の木材」です。
ヒノキ・ヒバ・ベイヒバなど、もともと腐朽しにくい材種(耐久性大)を使用する場合は、防腐処理の省略が認められるケースがあります。ただし防蟻処理は別途、要否の確認が必要です。
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防腐・防蟻処理の方法には、大きく分けて工場での加圧注入処理と現場での表面塗布処理があります。
| 処理方法 | 内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 加圧注入処理(工場処理) | 木材に薬剤を高圧で浸透させる。JAS規格の防腐処理製材。 | 薬剤浸透深さが深い。耐久性が高い。 |
| 表面処理(現場塗布) | 刷毛・スプレーで表面に薬剤を塗布する。 | 現場での補修・切断面への再塗布に使う。浸透深さは浅い。 |
問題になるのは現場切断後の対応です。工場で加圧注入処理された材でも、現場で切断・穿孔(ビス孔・ボルト孔)を行うと、処理層が切れて未処理の木材断面が露出します。
この切断面に薬剤を再塗布しないと、腐朽・害虫侵入の弱点になります。
施工管理の確認ポイントは次のとおりです。
クロルピリホスは有機リン系の殺虫剤(防蟻剤)で、かつて木造の土台・柱等の防蟻処理に広く使われていました。しかし、室内に揮発して人体(特に小児の神経発達)に影響するとされ、シックハウス問題の主要因のひとつになりました。
建築基準法第28条の2・施行令第20条の6により、クロルピリホスを添加した建築材料の使用が禁止されています(居室を有する建築物が対象)。土台・柱等への塗布・注入にも使えません。
現在は、クロルピリホスの代わりにピレスロイド系薬剤など安全性の高い薬剤が使われています。施工管理では、防腐・防蟻剤の安全データシート(SDS)を確認して禁止物質が含まれていないかを確認します。
使用薬剤の確認記録は保管しておきます。
混同しやすい用語の整理
防腐処理は木材腐朽菌による腐食を防ぐ処理(防カビ・防腐剤)。防蟻処理はシロアリ等の害虫による食害を防ぐ処理(殺虫・忌避剤)。
実際には、両方の成分を含む防腐防蟻剤が使われることが多いです。
木造建物の防腐・防蟻処理が求められる部位(高さ)の目安はどこか。
地面から高さ1m以内の外壁内・床下の木材。土台・大引き・地際の柱脚部等が主な対象(建築基準法施行令49条2項)。
工場で加圧注入処理された防腐処理材を現場で切断した場合、どのような対応が必要か。
切断面(未処理の木材断面が露出)に防腐・防蟻剤を再塗布する。穿孔部分も同様に処理する。
防蟻処理で使用が禁止されている薬剤の一例と、その根拠は?
クロルピリホス。建築基準法第28条の2・施行令第20条の6により、添加した建材の使用が禁止されている(居室を有する建築物が対象)。
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参考資料
※ この記事の法令確認日:2026年6月
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床下地の施工前に処理を確認し写真を残す
床下の木材は、断熱材や床組の施工が進むと後から処理状況を確認しにくくなります。土台・大引き・根太の防腐・防蟻処理が完了したタイミングで写真記録を残し、床下地(断熱材・合板)施工前に確認を終わらせます。
土台などの接合部(刻み加工部)も切断面として再塗布の対象になるため、加工後の段階で確認しておきます。