けんせつる
JAS規格って何?木材の品質確認でよく出てくるけど、JISとどう違うの?
この記事の要点
JAS規格(日本農林規格)は、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)に基づく規格です。建築では、木材・合板・集成材・フローリングなど木質建材に適用されます。
JIS規格が工業製品(コンクリート・鉄鋼・化学品等)に使われるのに対し、JAS規格は農林水産物・林産品が対象です。「木材の品質はJAS、コンクリートや鉄鋼はJIS」といいます。
木工事の仕様書には、「JAS規格品の構造用製材を使用すること」「JAS規格に適合する構造用合板」といった記載が出てきます。
木材は自然素材のため、強度や寸法のばらつきが大きくなりがちです。JAS規格はこのばらつきをコントロールし、建物の構造安全性を確保するために設けられています。材料検収の際にJASマークを確認することが施工管理の基本です。
JAS規格は、農林物資の規格化等に関する法律(JAS法)に基づいて農林水産大臣が制定する国家規格です。
食品・農産物・林産品の品質基準を定めることで、消費者・使用者が安心して選べる環境を整えることが目的です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 日本農林規格(Japanese Agricultural Standards) |
| 根拠法 | 農林物資の規格化等に関する法律(JAS法) |
| 制定・改定主体 | 農林水産省(農林物資規格調査会が審議) |
| JASマーク | 登録認証機関による認証を受けた製品に表示できる |
| 対象範囲 | 農産物・畜産物・水産物・林産物・加工食品・特定JAS等 |
ザックリ言えば、「農林水産省が管轄する農林水産物・林産品の国家規格」です。建築工事との関係では、特に林産品(木材・合板・集成材等)への適用が重要ということです。
建築工事で関係するJAS規格は、主に木質建材に集中しています。
| JAS規格の種類 | 主な内容 | 建築での用途 |
|---|---|---|
| 構造用製材 | 建物の構造部材として使う製材の強度・寸法・含水率 | 柱・梁・桁・土台等の構造部材 |
| 造作用製材 | 仕上げ・造作に使う製材の寸法・品質 | 床・壁・天井の造作材 |
| 構造用合板 | 床・壁・屋根下地等に使う合板の強度・耐水性・板厚 | 床下地・壁下地・屋根野地板等 |
| 普通合板 | 一般用途の合板の品質・板厚 | 内装材・家具等 |
| 構造用集成材 | ラミナを接着した集成材の強度・接着性能 | 大断面の梁・柱(スパンの長い部位等) |
| 造作用集成材 | 仕上げ・造作用集成材の品質 | 階段・手すり・カウンター等 |
| フローリング | 床仕上げ材(単層・複合)の品質・寸法 | 床仕上げ材 |
| 枠組壁工法構造用製材 | ツーバイフォー工法で使う製材の規格 | 枠組壁工法(2×4工法)の壁・床・屋根構造材 |
このうち試験や施工管理で特に重要なのが、構造用製材と構造用合板です。
JAS規格品には、登録認証機関の認証を受けた製品にJASマークが表示されます。
JASマークには、規格の種類・等級・寸法・認証機関名等が記載されています。木材の場合は材面や包装に打刻・印刷されていることが多いことになります。
木工事の仕様書でJAS品が指定されている場合、施工管理者として確認すべきことを整理しましょう。
木材・合板のJAS品使用規定を含む材料品質の管理基準は、公共建築工事標準仕様書(令和4年版)(下図)に示されています。
混同しやすい用語の整理
JASは農林物資の規格(木材・合板・集成材・食品等)、JISは工業製品の規格(コンクリート・鉄鋼・ガラス・シーリング材等)です。根拠法も管轄省庁も異なります。
建築工事では、木質建材がJAS、その他の工業建材がJISと整理できます。
構造用製材は柱・梁・桁・土台など建物の構造を担う部材に使います。強度区分(等級)が設けられており、JAS規格で品質が保証されます。
造作用製材は床・壁・天井の造作材(仕上げ材)として使います。強度より寸法精度・外観品質が重視されます。
構造用合板は床下地・壁下地・屋根野地板など構造に関わる用途で使います。強度・耐水性の基準が設けられています。
普通合板は構造以外の用途(内装・家具等)で使います。強度区分は設けられておらず、主に外観品質・板厚で区分されます。
廃木材・廃合板を含む建設副産物の現場分別品目区分は、国土交通省「建設副産物適正処理推進要綱」(下図)に定められています。
JAS規格の根拠法は何か?
農林物資の規格化等に関する法律(JAS法)。農林水産省が管轄し、農林水産物・林産品等の品質基準を定める国家規格。
建築工事でJAS規格が適用される主な材料は何か?
構造用製材・造作用製材・構造用合板・普通合板・構造用集成材・フローリング等の木質建材。コンクリートや鉄鋼はJIS規格が適用される。
JAS規格品であることを確認する方法は?
JASマーク(登録認証機関による認証)の確認、または品質証明書・納品書での確認。JASマークには等級・規格の種類・認証機関名等が記載されている。
施工管理の基本は施工管理にまとめています。
参考資料
・農林物資の規格化等に関する法律(JAS法)
・農林水産省 JAS規格一覧
・農林水産消費安全技術センター(FAMIC)
規格外品の使用リスク:仕様書でJIS・JAS規格品が指定されている工事で規格外品を使用した場合、民法上の契約不適合責任を問われる可能性があります。搬入時の品質証明書確認と受入検査記録を徹底してください。
※ この記事の法令確認日:2026年5月
施工管理のポイント
木材はJASマークが付いていても、現場でのカットや切断後は見えなくなってしまいます。
材料が到着したタイミングでのJAS確認が唯一のチャンスになることが多いので、搬入時の受入検査を省略しないことが重要です。