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筋かいとは?欠き込み禁止・端部金物の根拠と施工管理の確認ポイント

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けんせつる

けんせつる

「木造の耐力壁に使う筋かいって、何が禁止されてるの?施工管理でどこを確認すればいい?」

この記事の要点

筋かいは、木造軸組工法の耐力壁を構成する斜め材で、地震・風圧力による水平力を負担します。施工管理で特に重要なのは以下の3点です。

  • 欠き込み禁止:筋かいには配管等のために欠き込みをしてはならない(建築基準法施行令第45条第4項)。
  • 端部金物による緊結:筋かいの端部は柱と横架材(土台・梁)の仕口に接近して、ボルトなどの金物で緊結する(同条第3項)。
  • 壁倍率の確認:構造図に指定された筋かいの種別・断面・配置が施工通りに取り付けられているか確認する。

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筋かいとは何か

筋かいとは、木造軸組工法で柱と横架材(土台・梁など)の間に斜めに入れる部材です。地震や台風の水平力を負担するために使います。

耐力壁を構成する部材のひとつで、水平力に対して「変形しない壁」をつくるために不可欠です。

四角形の骨組みは変形しやすいですが、斜め材(筋かい)を入れると三角形の安定した構造になります。

筋かいには片筋かい(一方向のみ)とたすき掛け(X字型に2本入れる)があります。たすき掛けの方が壁倍率(耐力)が高いです。

片筋かいとたすき掛け筋かいの模式図
筋かいの模式図。片筋かいは1本を斜めに、たすき掛けはX字に2本入れる。たすき掛けは壁倍率が高い。端部は柱と横架材の仕口に金物で緊結する。形・比率はイメージで、実物どおりではない。

欠き込みが禁止されている理由

建築基準法施行令第45条第4項には「筋かいには欠き込みをしてはならない」と定められています。

なぜ欠き込みが禁止されているかというと、筋かいは部材の断面全体で引張力・圧縮力を負担しているからです。欠き込みがあるとその断面が弱くなり、荷重を受けたときに欠き込み部分から折れたり引き裂かれたりします。

例えば、給排水管のために筋かいを削って貫通させるというのは、絶対にやってはいけない施工です。現場では設備業者が「少しくらい大丈夫だろう」と削ってしまうケースが実際に起きます。

建築施工管理者として、工種間の調整(筋かいを避けて設備配管を計画する)を上棟前から行うことが重要です。

施工管理では、筋かい設置後・壁下地組み前に「欠き込みがないか」を目視確認し、写真記録に残します。

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端部金物が必要な理由

建築基準法施行令第45条第3項では「筋かいは、その端部を柱と横架材との仕口に接近して、ボルト・かすがい・くぎその他の金物で緊結しなければならない」と規定されています。

端部が緊結されていないと、地震時の引張力・圧縮力が筋かいの端部から抜けてしまいます。ビスや釘だけでは不十分なケースもあり、専用の筋かい端部金物(BP金物・筋かいプレート等)が使われます。

確認ポイントは次のとおりです。

壁倍率とは何か

壁倍率とは、耐力壁の水平力に対する抵抗力を数値化したものです。筋かいの種類ごとの壁倍率は建築基準法施行令第46条第4項の表1に、面材なども含めた軸組の倍率は昭和56年建設省告示第1100号に規定されています。

筋かいの種類壁倍率
厚さ4.5cm×幅9cm(45×90mm)片筋かい2.0
厚さ9cm×幅9cm(90×90mm)片筋かい3.0
45×90mm たすき掛け(2本)4.0
構造用合板(厚9mm以上)張り2.5

壁倍率が高いほど水平力への抵抗力が強いです。ただし壁倍率だけでなく、建物全体の耐力壁の配置バランス(平面上の偏り)も重要なので、設計段階での確認が前提です。

施工管理では「構造図に指定された壁倍率の種別が現場で正しく施工されているか」を確認します。例えば「壁倍率4.0のたすき掛け指定なのに、片筋かいしか入っていない」というミスは、竣工後に発覚すると大ごとになります。

施工管理の確認タイミング

筋かいの確認は「壁下地(合板・石膏ボード)を張る前」が最後のチャンスです。壁下地を張ってしまった後は、壁を壊さない限り確認できません。

上棟後の工程確認として、次のタイミングで写真記録と確認を行います。

この確認の記録は、施工管理者として残しておく重要な写真管理の一部です。

設備配管と筋かいの干渉は総合図で先に潰す

設備配管と筋かいの干渉に注意します。電気コンセント・配管スリーブが筋かいと重なると、欠き込みやズレが生じます。上棟前の施工図合わせ(総合図)で、筋かいと設備の位置を重ねて確認しておきます。

たすき掛け筋かい(X字型)の中央交差部で、どちらかを欠き込んで交差させる必要が生じる場合は、構造設計者の確認を得たうえで施工するのが原則です。

混同しやすい用語の整理

片筋かい vs たすき掛け筋かい

片筋かいは一方向のみに1本入れる(1方向に抵抗)。たすき掛けはX字型に2本入れ、引張り・圧縮の両方向に抵抗する。壁倍率は片筋かいの2倍になる。

筋かいの欠き込み禁止 vs 欠き込みが許容される部材

筋かいは欠き込み禁止(建基令45条4項)で、配管等を通すための欠き込み不可。間柱・胴縁などは設計上問題ない範囲で欠き込みが行われる場合がある(構造材は要確認)。

理解度チェック

Q.

木造軸組工法で筋かいに欠き込みをしてはならない根拠となる法令を答えよ。

建築基準法施行令第45条第4項。断面が欠損すると筋かいとしての引張力・圧縮力の負担が損なわれるため。

Q.

筋かい(45mm×90mm)の片筋かいを用いた耐力壁の壁倍率はいくらか。

2.0(建築基準法施行令第46条第4項の表1)。同じ断面のたすき掛け(2本)では4.0になる。

Q.

筋かいの端部を柱と横架材の仕口に金物で緊結することを求める法令条文は?

建築基準法施行令第45条第3項。

まとめ

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参考資料

  • 建築基準法施行令 第45条(筋かい),第46条(軸組計算)
  • 昭和56年建設省告示第1100号(耐力壁の壁倍率)
  • 木造住宅工事仕様書(フラット35仕様書)住宅金融支援機構
  • 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)国土交通省

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けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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