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木材の性質とは?心材・辺材・繊維飽和点・含水率と強度を過去問で整理

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けんせつる

けんせつる

木の真ん中(心材)と外側(辺材)、腐りにくいのはどっちだっけ?

木は乾くほど強くなるの、それとも弱くなるの……?

この記事の要点

心材(丸太の中心部)は、辺材(外側)より腐朽菌・虫害に強く、耐久性が大きい。辺材は含水率が高く腐りやすいので、この2つを入れ替える引っかけが最頻出です。

木材の強度は、繊維飽和点(約30%)以下では含水率が低い(乾いている)ほど大きくなります。「乾くほど弱くなる」は誤りです。

含水率と乾燥材D15・D20の規定は木材の含水率に詳しくまとめています。

木材は、丸太の中心に近い心材と、外側の辺材からなり、方向によって強度や収縮が大きく変わる材料です。試験(2級で毎年のように出ます)でねらわれるのは、心材と辺材の性質、含水率と強度の関係です。まず心材・辺材を図で押さえます。

丸太の断面と心材・辺材を表す模式図。丸太の中心部が心材で、色が濃く、腐朽菌や虫害に強く耐久性が大きい。外側が辺材で、色が淡く、含水率が高いため腐りやすく虫害を受けやすい。乾燥による収縮は、年輪の接線方向が最も大きく、半径方向がその半分程度、繊維方向が最も小さい。
心材(中心)は耐久性が大きく、辺材(外側)は含水率が高く腐りやすい。収縮は接線方向が最大。※関係をつかむための模式図。
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心材と辺材:耐久性が大きいのは心材

丸太の断面で、中心に近い濃い色の部分が心材、外側の淡い色の部分が辺材です。

  • 心材:樹脂などの成分を多く含み、腐朽菌や虫害に対する抵抗が大きい(耐久性が大きい)。含水率は低め。
  • 辺材含水率が高く、腐りやすく虫害を受けやすい。乾燥にともなう収縮も心材より大きい。

ねらわれるのは、「心材は辺材に比べて腐朽菌・虫害に対する抵抗が低い」「辺材は心材より腐りにくい」とする肢です。いずれも逆で誤り。耐久性が大きいのは心材、含水率が高く腐りやすいのが辺材、と覚えます。

含水率と強度:繊維飽和点がカギ

繊維飽和点(含水率約30%)は、細胞壁の中の水(結合水)で満たされた状態の境目です。強度との関係はここで分かれます。

  • 繊維飽和点より上(含水率30%超):含水率が変化しても、強度はほぼ一定です。
  • 繊維飽和点より下(含水率30%未満)含水率が低い(乾いている)ほど強度は大きくなります。「繊維飽和点以下で含水率が減ると強度が低下する」は誤りです。

また気乾状態とは、大気中で安定した含水率約15%の状態のことで、水分が完全に無くなった状態ではありません(水分ゼロは全乾状態)。「気乾状態=水分が完全に無くなった状態」は誤りです。

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強度の方向性・密度・樹種

  • 強度の方向性繊維方向(縦)と平行に加えた力に最も強く、繊維に直交する方向の圧縮・引張強度はそれより小さくなります。
  • 密度:含水率が同じなら、密度が大きい(重い)木材ほど強度が大きい
  • :断面の減少や応力集中をもたらし、強度を低下させます
  • 針葉樹と広葉樹針葉樹(すぎ・ひのき等)は広葉樹より軽量で加工しやすい。曲り・ねじれ・反りは一般に広葉樹のほうが大きい。
  • 樹種の圧縮強度:一般に高い順で、けやき > ひのき > すぎとなります。

収縮の異方性

木材の乾燥収縮は、方向によって大きさが違います。年輪の接線方向が最も大きく、半径方向はその半分程度、繊維方向が最も小さい(接線方向 > 半径方向 > 繊維方向)。この違いが、割れや反りの原因になります。心割れ・肌割れ・目回りなどの割れは、強度や耐久性に影響します。

混同しやすい用語の整理

心材 と 辺材

耐久性と含水率が逆です。

心材(中心)は、腐朽菌・虫害に強く耐久性が大きい。含水率は低め。

辺材(外側)は、含水率が高く腐りやすい。「辺材のほうが腐りにくい」は誤りです。

気乾状態 と 全乾状態

水分の有無が違います。

気乾状態は、大気中で安定した含水率約15%の状態。水分はまだ残っています。

全乾状態は、水分を完全に取り去った含水率0%の状態。「気乾=水分ゼロ」は誤りです。

過去問でどう問われたか

木材の性質は、2級の第一次検定でほぼ毎年(No.12前後)出ます。引っかけは3つのパターンです。

  • 心材と辺材の入れ替え……「心材は辺材より腐朽菌・虫害への抵抗が低い」「辺材は心材より腐りにくい」とする。正しくは心材のほうが耐久性が大きい。最頻出。
  • 含水率と強度……「繊維飽和点以下で含水率が減ると強度が低下する」とする。正しくは乾くほど強くなる。
  • 用語のすり替え……「気乾状態=水分が完全に無くなった状態」、「熱伝導率は含水率が低いほど大きい」とする。
年度・級・No. 問われ方/引っかけ
2級 平成30年前期 No.12 「心材は辺材に比べ腐朽菌・虫害への抵抗が低い」とした → 心材のほうが抵抗が大きい ←①心材辺材
2級 令和4年 No.12 「心材は辺材に比べ腐朽菌・虫害への抵抗が低い」とした → 心材のほうが抵抗が大きい ←①心材辺材
2級 令和2年 No.12 「繊維飽和点以下では含水率の減少とともに強度が低下する」とした → 乾くほど強くなる ←②含水率
2級 平成29年 No.12 「気乾状態とは水分が完全に無くなった状態」とした → 含水率約15%の状態 ←③用語
2級 平成29年前期 No.12 「辺材は心材に比べ乾燥にともなう収縮が小さい」とした → 辺材のほうが収縮が大きい ←①心材辺材
2級 平成28年 No.12 「熱伝導率は含水率が低いほど大きい」とした → 含水率が低いほど小さい ←③用語

安定して問われるのは心材は辺材より耐久性が大きい、繊維飽和点以下では乾くほど強い、気乾状態は含水率約15%、収縮は接線方向が最大です。各行は該当する過去問解説にリンクしています。

理解度チェック

Q.

心材と辺材で、腐朽菌・虫害に強い(耐久性が大きい)のはどちらか。

心材です。心材は樹脂などの成分を含み、腐朽菌・虫害に対する抵抗が大きく耐久性があります。辺材は含水率が高く腐りやすいので、「心材は抵抗が低い」「辺材は腐りにくい」とする肢は誤りです。

Q.

木材の強度は、繊維飽和点以下では乾くほど強くなるか、弱くなるか。

強くなります。繊維飽和点(約30%)以下では、含水率が低い(乾いている)ほど強度が大きくなります。それ以上ではほぼ一定です。「乾くほど弱くなる」は誤りです。

Q.

気乾状態とは、含水率がいくつの状態か。

大気中で安定した含水率約15%の状態です。水分が完全に無くなった状態(含水率0%=全乾状態)ではありません。

Q.

木材の乾燥収縮は、どの方向が最も大きいか。

年輪の接線方向が最も大きく、半径方向はその半分程度、繊維方向が最も小さくなります(接線>半径>繊維)。この違いが割れや反りの原因になります。

まとめ

  • 心材(中心)は耐久性が大きく、辺材(外側)は含水率が高く腐りやすい。入れ替えが最頻出。
  • 強度は繊維飽和点(約30%)以下で含水率が低いほど大きく、それ以上はほぼ一定。
  • 気乾状態は含水率約15%。水分ゼロの全乾状態ではない。
  • 繊維方向に最も強く、密度が大きいほど強い。節は強度を低下させる。針葉樹は広葉樹より軽く加工しやすい。
  • 乾燥収縮は接線方向>半径方向>繊維方向。熱伝導率は含水率が低いほど小さい。

> 含水率・乾燥材D15・D20は木材の含水率を確認する
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参考資料

  • 木材工学・JASの解説:心材は樹脂などの成分を含み腐朽菌・虫害に対する抵抗が大きく耐久性がある。辺材は含水率が高く腐りやすい・虫害を受けやすい。木材の強度は繊維飽和点(約30%)以下では含水率が低いほど大きく、それ以上ではほぼ一定
  • 木材と水分の解説:気乾状態は大気中で安定した含水率約15%の状態(全乾状態=含水率0%とは別)。乾燥収縮は年輪の接線方向が最も大きく、半径方向はその半分程度、繊維方向が最も小さい。熱伝導率は含水率が低いほど小さい
  • 木材の強度の解説:繊維方向に最も強く、含水率が同じなら密度が大きいほど強い。節は断面減少・応力集中で強度を低下させる。針葉樹は広葉樹より軽量で加工しやすい。圧縮強度は一般にけやき>ひのき>すぎ
  • 一般財団法人 建設業振興基金「2級 建築施工管理技術検定 第一次検定(学科)試験 問題」(木材の性質の出題)

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けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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