けんせつる
型枠支保工って足場と何が違うの?
この記事の要点
型枠支保工とは、コンクリートを打設する際に型枠(コンパネ等)を所定の位置・形状に保持するための支持構造物です。直接仮設に分類されます。
型枠支保工の組立て・解体には型枠支保工の組立て等作業主任者の選任が必要です(労働安全衛生法に基づく)。足場とは異なり、上からコンクリートの荷重を受ける「受け構造」です。
コンクリート工事では、液体状のコンクリートを所定の形状に固化させるため型枠を使います。
型枠支保工はこの型枠を支持し、打設中のコンクリートの重量に耐える重要な仮設構造物です。足場と混同されやすいですが、目的も荷重の向きも異なります。
型枠支保工とは、コンクリートを打設する際に型枠(せき板)を所定の位置・形状に保持するために設ける支持構造物のことです。パイプサポート・鋼管枠組・H型鋼等で構成されます。
ザックリ言えば、「コンクリートの重さを下から受け止める受け台」ということです。コンクリートが硬化して所定の強度を発現するまで型枠を支持し続けます。
例えば、2階のスラブ(床)のコンクリートを打設する場合、1階から天井に向かってパイプサポートを立てて型枠(コンパネ)を支持します。この仕組み全体が型枠支保工です。
| 項目 | 型枠支保工 | 足場 |
|---|---|---|
| 目的 | 型枠を支持してコンクリート荷重に耐える | 作業員が乗る作業台・通路を設ける |
| 荷重の向き | 上から下(コンクリート荷重を受ける) | 下から上(作業員・資材を支える) |
| 主な部材 | パイプサポート・鋼管枠組・H型鋼等 | 建枠・単管・くさび緊結金具等 |
| 作業主任者 | 型枠支保工の組立て等作業主任者 | 足場の組立て等作業主任者 |
| 撤去のタイミング | コンクリートが所定強度を発現後(型枠脱型時) | 外壁・上層階作業完了後 |
「上から来る荷重を受ける(型枠支保工)」か「下から支えて作業員を乗せる(足場)」か、という荷重の向きの違いが本質的な差です。ここは混同しやすいところですね。
型枠支保工の組立て等作業主任者の選任業務は、厚生労働省「作業主任者選任業務一覧」(下図)に示されています。
労働安全衛生法により、型枠支保工の組立て・解体には型枠支保工の組立て等作業主任者の選任が義務付けられています(高さに関係なく、すべての型枠支保工が対象)。なお、支柱の高さが3.5m以上の型枠支保工の設置については、着工30日前までに設置届を所轄の労働基準監督署長に提出する義務があります。
技能講習修了者の中から選任します。足場の組立て等作業主任者とは別の資格なので注意が必要です。
施工管理者は作業開始前に選任状況を修了証で確認します。
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 継ぎ数の制限 | パイプサポートを継いで使用するのは2本以下(3本継ぎは×) |
| 水平つなぎの緊結 | 水平つなぎはボルト等の専用金具で緊結する(番線での緊結は×) |
| 上下階の支柱位置 | 上下階の支柱はできるだけ平面上の同一位置になるよう設置する |
| 地盤上直接設置時 | 支柱の下に剛性のある敷板を敷く(地盤沈下防止) |
型枠支保工3.5m以上を含む届出が必要な工事・機械の詳細要件は、沖縄労働局「建設工事計画届のポイント」(下図)に示されています。
混同しやすい用語の整理
型枠はコンクリートの形を決めるせき板(コンパネ等)そのもの。型枠支保工はその型枠を支えるための支持構造(パイプサポート等)です。
どちらも仮設物で工事後に撤去されます。
パイプサポートは型枠支保工専用の伸縮可能な支柱(ネジで高さ調整可能)。単管は単管足場で使う鋼管で、クランプで接合して使います。
用途が異なります。
型枠支保工の組立て・解体で必要な作業主任者の名称は?
型枠支保工の組立て等作業主任者(技能講習修了者から選任)。
型枠支保工と足場の最大の違いは何か?
型枠支保工は上から来るコンクリート荷重を受ける「受け構造」、足場は作業員を下から支える「作業台」という目的の違い。
型枠支保工を撤去(脱型)するタイミングの基準は?
コンクリートが所定の圧縮強度(設計基準強度の一定割合)に達した後。
パイプサポートを継いで使用できるのは最大何本までか?
2本以下(3本継ぎは強度不足となり×)。
(出題例:2級令和元年後期 問21)
型枠支保工の水平つなぎを緊結するのに番線を使ってよいか?
使ってはいけない。ボルト等の専用金具で緊結する。
> 足場の種類と安全管理の基本を確認する
> 作業主任者とは?を確認する
仮設・足場の施工管理は仮設・足場にまとめています。
参考資料
・労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)
・労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)
・クレーン等安全規則(昭和47年労働省令第34号)
・厚生労働省 職場のあんぜんサイト
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
型枠支保工は建設工事公衆災害防止対策要綱に基づく計画届が必要な場合があります。支柱の種類・間隔・水平繋ぎ材の配置は構造計算書と照合して設置してください。
コンクリート打設中の支保工変形を常時監視することが重要です。