けんせつる
木材ってどうやって現場で保管するの?雨に濡れたらどうなる?
この記事の要点
木材は桟木(さんぎ)で地面から離す、直射日光・雨露を避ける、含水率を管理するの3点が保管の基本です。
吸湿による反り・割れ・変形は現場でよく起きるトラブルです。搬入後の管理が品質を左右します。
木材は建築現場に搬入された後も、加工・施工まで数日から数週間保管されることがあります。
この間に雨・直射日光・地面からの湿気にさらされると、含水率が変化して反り・割れ・変形が起きます。
特に構造材や造作材は寸法精度が重要なため、保管中の変形は施工に直接影響します。
木材を直接地面に置くと、地面からの湿気が木材に移行して含水率が上昇します。
含水率が高くなると、繊維が膨張して反り・割れ・変形が生じやすくなります。
ザックリ言えば、「木材と地面の間に必ず空気の層を作る」ということです。そのために桟木(さんぎ)を使います。
施工管理の基本は施工管理にまとめています。
直射日光は木材表面を急激に乾燥させ、内外の含水率差から割れ(日割れ)を引き起こします。
雨は逆に含水率を上昇させ、反り・膨潤の原因になります。
どちらも避けるために、ブルーシートや屋根付き仮設倉庫で保管するのが基本です。
例えば、外壁に使う木材が雨に濡れたまま施工すると、乾燥後に収縮して隙間が生じることがあります。これが後の不具合の原因になることになります。
木材はJAS規格で乾燥材(含水率が一定基準以下)と未乾燥材(グリーン材)に区分されます。
| 区分 | 含水率の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 乾燥材(KD材) | 構造材:20%以下・仕上げ材:15%以下(JAS基準) | 吸湿させないよう防湿保管が必要 |
| 未乾燥材(グリーン材) | 20%超の場合がある | 乾燥収縮によるせい・割れを見込んだ施工計画が必要 |
乾燥材を雨ざらしにすると、再吸湿して乾燥材としての品質が失われます。
ここは混乱しやすいところですね。「JAS乾燥材を買ったから大丈夫」ではなく、現場搬入後の保管で含水率が上がることがあります。
木材を積む場合は、桟木を均等間隔で挟みながら水平に積み重ねます。
簡単にいうと、「桟木で浮かせて、支持点をそろえて、均等に押さえる」がポイントです。
搬入時は材料検収と合わせて規格(JAS乾燥材かどうか)を確認します。
木材廃材を含む建設副産物の現場分別品目区分は、国土交通省「建設副産物適正処理推進要綱」(下図)に定められています。
混同しやすい用語の整理
KD材(Kiln Dried)は乾燥窯で人工乾燥した木材です。AD材(Air Dried)は自然乾燥材です。
KD材のほうが短期間で均一に乾燥でき、含水率が安定しています。現場での保管時に再吸湿しやすいのはKD材も同じです。
反りは木材が弓なりに湾曲する変形です。割れは繊維に沿って裂ける現象です。
反りは含水率差・支持方法の問題が主な原因で、割れは急乾燥による表面の収縮と内部の引張力が主な原因です。保管中は反りより割れのほうが外観に目立つことが多いです。
建設リサイクル法における特定建設資材の種類と対象規模基準は、国土交通省の資料(下図)に示されています。
木材保管で桟木を使う目的は?
地面からの湿気が木材に移行するのを防ぐため。また、通気を確保して含水率を安定させる。
直射日光が木材に与える影響は?
表面を急激に乾燥させ、内外の含水率差から日割れ(表面割れ)を引き起こす。
JAS乾燥材を現場保管する際の注意点は?
雨・湿気に当たると再吸湿して含水率が上昇し、乾燥材としての品質が失われる。防湿保管(覆い・屋内保管)が必要。
参考資料
・JAS(日本農林規格)構造用製材の規格
・JASS 11 木工事(日本建築学会)
・公共建築工事標準仕様書(建築工事編)
※ この記事の確認日:2026年5月
施工管理のポイント
乾燥材(KD材)を指定しているのに現場で雨にさらしてしまい、含水率が上がって施工後に収縮・隙間が生じるというトラブルは珍しくありません。
木材は搬入時に受入検査(JASマーク・含水率の確認)をしても、保管中の管理が悪いと意味がありません。「搬入後の保管が品質管理の続き」という意識が大切だと思います。