けんせつる
鉄筋がさびてたら使えないの?保管方法も知りたい。
この記事の要点
鉄筋は直接地面に置かない、シート等で覆う、薄い赤さびは使用可・浮きさびは除去が保管の3原則です。
「さびたら使えない」は間違いです。さびの種類と判断基準をしっかり押さえましょう。
鉄筋は現場に数日から数週間、在庫として保管されることが多い資材です。
問題は、保管方法が悪いと表面が傷んでコンクリートとの付着力が落ちたり、コンクリート打設後に不具合を起こしたりします。
地面に直接置くと、地面の湿気・泥水・雨水が鉄筋表面に常時接触します。
その結果、さびが急速に進行します。
また、泥が付着したまま打設するとコンクリートとの付着面に泥の層ができ、付着強度が低下します。
ザックリ言えば、「地面と鉄筋の間には必ず空間を作る」ということです。
鉄筋の保管は次の3点が基本です。
| 保管ルール | 具体的な方法 |
|---|---|
| 地面から離す | 枕木・台木の上に載せて、地面から離隔を取る |
| 覆いをする | ブルーシート等で雨・直射日光を防ぐ |
| 種類・径ごとに整理 | SD295A・SD345など規格別、D10・D13など径別に分けて保管 |
特に種類・径の整理は重要です。間違った規格の鉄筋を使ってしまうと、設計図書通りの強度が出なくなりますし、発覚したときの是正処理が大変になります。
ここは試験でも問われやすいところですね。
鉄筋のさびには「問題ないもの」と「除去・交換が必要なもの」の2種類があります。
| さびの状態 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 薄い赤さび(表面の酸化膜程度) | 使用可 | コンクリートとの付着を阻害しない。むしろ付着を高めることもある |
| 浮きさび(触ると粉が落ちる) | 除去して使用 | 浮きさびがコンクリートとの界面に残ると付着が低下する |
| 層状さび・深い腐食(断面欠損あり) | 使用不可 | 断面積が減少し、設計強度を満たさない恐れがある |
「薄い赤さびはOK」というのは、多くの人が驚くポイントです。
なぜかというと、鉄筋コンクリートはもともと鉄がアルカリ性のコンクリートに覆われて保護されている構造だからです。薄い酸化膜程度なら付着力に問題ありません。
コンクリートの設計基準強度・スランプの規定は、公共建築工事標準仕様書(令和4年版)の表4.5.1(下図)に示されています。
混同しやすい用語の整理
SD295A・SD295Bは降伏点295N/mm2の異形棒鋼(JIS G 3112)です。SD345は降伏点345N/mm2でより高強度です。
保管時に種類を混在させると、どちらを使ったか判別できなくなります。径が同じでも規格が違えば設計強度が違います。
必ず種類ごとに分けて保管・管理します。
赤さび(FeOOH・Fe?O?系)は一般的な大気中での酸化で生じます。黒さび(Fe?O?)は製造工程で生じる酸化被膜で、防食効果があります。
鉄筋に黒みがかった被膜がある場合は、製造時の黒さびで問題ありません。
鉄筋の種類・規格(SD345等)が設計図書に明示される根拠となる場所打ちコンクリート杭地業の一般事項は、同仕様書の4.5節(下図)に示されています。
鉄筋の薄い赤さびは使用できるか?
使用できる。薄い赤さびはコンクリートとの付着を阻害しない。
浮きさびは除去が必要。
鉄筋を保管する際、地面から離す理由は?
地面からの湿気・泥水・雨水によってさびが急速に進行し、打設時にコンクリートとの付着低下を招くため。
鉄筋を種類・径ごとに分けて保管する理由は?
混在すると規格を誤認して使用するリスクがあるため。SD295AとSD345では降伏強度が異なり、設計強度に影響する。
施工管理の基本は施工管理にまとめています。
参考資料
・JASS 5 鉄筋コンクリート工事(日本建築学会)
・JIS G 3112 鉄筋コンクリート用棒鋼
・公共建築工事標準仕様書(建築工事編)
※ この記事の確認日:2026年5月
施工管理のポイント
「さびているから使えない」と判断して新しい鉄筋に交換するケースをたまに見ますが、薄い赤さびはむしろ付着に有利に働くこともあります。逆に浮きさびを見逃して打設してしまうほうが問題です。
判断に迷ったときは「触って粉が落ちるかどうか」を目安にする現場が多いようです。ただし、公共工事では監督員・検査員への確認が必要なことも多いので注意してください。