けんせつる
設計変更が出たら変更契約書が必要って聞いたけど、いつ・どんな内容で作ればいいの?
この記事の要点
変更契約書は、工事請負契約の内容(工事範囲・金額・工期)が変更される場合に、元の請負契約書の内容を修正するために締結する書類です。
設計変更・追加工事・工期延長が発生した場合に必要です。施工管理者は変更内容を確定させてから変更契約を締結し、変更契約書の締結前に工事を先行させないことが原則です。
現場では「とりあえず工事を進めて後で契約書を作ればいい」という判断をしがちですが、これがトラブルのもとになります。
変更契約書の作成タイミングと対応方法を整理しましょう。
変更契約書が必要になる主なケースは次の通りです。
ザックリ言えば、「元の契約書に書いてある内容と実際の工事が変わる場合は変更契約書が必要」ということです。
変更契約書の主な記載内容は次の通りです。
| 記載項目 | 内容 |
|---|---|
| 変更後の請負金額 | 変更により増減した金額と変更後の合計請負金額 |
| 変更後の工期 | 変更後の工事完了予定日 |
| 変更内容の明細 | 何がどう変わったか(仕様変更・追加工事・削除工事の内訳) |
| 変更の理由 | なぜ変更が生じたか(発注者指示・現場条件変化など) |
| 元の契約書との関係 | 元の契約書のどの条項を変更するかを明示 |
例えば、発注者の要望で仕上げ材をグレードアップした場合、「変更内容:床仕上げ材をビニールタイルから磁器タイルに変更、変更金額:+〇〇万円」という形で明細を記載します。
変更契約書の締結タイミングの原則は工事変更の前です。
なんとなくイメージできましたか。変更契約書なしで工事を進めると、後から「言った・言わない」の水掛け論になるわけです。金額・内容・工期の変更を口頭で済ませてしまうのが最も危険な考え方です。
混同しやすい用語の整理
設計変更は設計図書の内容が変わること(現象・事実)。変更契約書はその変更を反映して請負契約を修正するための書類(手続き)。設計変更が発生したら変更契約書を締結するという流れになる。
変更契約書は元の契約書を正式に修正する法的効力を持つ書類。覚書は当事者間での合意事項を記録するが、法的効力の強さは変更契約書より低い場合が多い。重要な変更は覚書ではなく変更契約書で対応することが原則。
変更契約書はどんな場合に必要か?
設計変更・追加工事・工期変更・減額変更など、元の請負契約書の内容(工事範囲・金額・工期)が変わる場合に必要。内容・金額・工期の変更が確定した段階で速やかに締結する。
変更契約書の締結と変更工事の実施はどちらが先か?
原則は「変更内容確定→変更契約締結→変更工事実施」の順。緊急の場合は工事を先行させることがあるが、確定後すみやかに変更契約を締結する。変更契約書なしで工事を先行させることは「言った・言わない」のトラブルを招く。
施工管理者が変更指示を受けたとき最初にすべきことは何か?
指示内容・日時・指示者名を書面(メール・記録書)で残す。口頭指示でもメールで内容確認を取ることが重要。その後、変更による金額増減・工期への影響を算出して発注者に報告し、合意を得てから工事を進める。
> 工事請負契約とは?を確認する
施工管理の基本は施工管理にまとめています。
参考資料
・建設業法第19条(建設工事の請負契約の内容)
・民間建設工事標準請負契約約款(甲)
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
変更契約でよくあるトラブルは「発注者からの口頭指示で工事を進めたが、後から金額を認めてもらえない」ケースです。「言った・言わない」の水掛け論になるため、口頭指示でも必ずメールや書面で確認を取ることが大切です。
もう一つは「変更が多発して全体の変更金額・工期が把握できなくなる」問題です。
変更ごとに記録を積み上げておかないと、竣工時の最終精算で「こんなに変更があったのか」と双方が驚くことになります。変更管理台帳を作っておくのが実務上の基本です。