けんせつる
写真管理って何?どんな場面で使うの?
この記事の要点
写真管理(施工写真管理)とは、施工の各段階で施工写真を撮影・整理し、竣工後でも施工内容を確認できる記録として保管する管理業務です。
特に「後工程で隠れてしまう部位」(配筋・防水層・埋設配管等)は、施工中に写真記録を残すことが必須です。竣工後には確認できないため、出来形管理・品質管理の証拠として写真が唯一の記録になります。
建築工事では、コンクリートの中に埋め込まれた配筋や天井内の配管など、完成後には見えなくなる部位が多くあります。これらを証拠として残すのが写真管理の最も重要な役割です。
「撮影すればいい」ではなく、「何を・いつ・どのように撮るか」を事前に計画しておく。では、写真管理の基本を整理しましょう。
施工写真を管理する目的は主に次の3つです。
ザックリ言えば、「隠れる前に撮っておく」が写真管理の基本です。竣工後に確認できない部位の施工品質を写真で証明します。
| 撮影対象 | 撮影タイミング |
|---|---|
| 配筋(鉄筋の径・間隔・かぶり厚さ) | コンクリート打設前 |
| 型枠・支保工の状態 | コンクリート打設前 |
| スリーブ・インサートの位置 | コンクリート打設前 |
| 防水層(下地・塗膜厚・立上り) | 保護層施工前・仕上げ前 |
| 埋設配管・ダクト | 埋設・被覆前 |
| 出来形計測(スケールを写し込む) | 各工程の計測時 |
例えば、防水工事では塗膜防水の厚さを竣工後に確認することはできません。施工中にピンゲージで厚さを計測し、スケールと一緒に写真に残すことで、設計値どおりの厚さで施工したことを証明できます。
公共建築工事でスランプ試験・圧縮強度試験の写真記録が義務付けられる根拠となるコンクリートの種別規定は、公共建築工事標準仕様書(令和4年版)の表4.5.1(下図)に示されています。
混同しやすい用語の整理
出来形写真は寸法・形状・位置を証明する写真(スケールを写し込む)です。品質写真は材料・施工の品質(コンクリートスランプ試験・配合等)を証明する写真です。
目的が異なるため、両方の写真が必要です。
施工写真は施工の各段階で撮影する記録写真です。竣工写真は完成した建物の外観・内観を記録する完成写真です。
施工写真は工事記録、竣工写真は完成記録という違いがあります。
中間検査・完了検査の各段階で施工写真・出来形写真が必要となる手続きの流れは、国土交通省の資料(下図)に示されています。
施工写真で特に重要な撮影対象は何か?
後工程で隠れてしまう部位(配筋・防水層・埋設配管・スリーブ等)。竣工後に確認できないため、施工中の写真記録が唯一の証拠になる。
出来形写真を撮影するとき、一緒に写し込む必要があるものは?
スケール(寸法を示す巻尺等)と黒板(工種・部位・寸法を記載した撮影用看板)。
> 出来形管理とは何かを確認する
> 品質管理と出来形管理の違いを確認する
> 施工記録と完成図書の違いを確認する
施工管理の基本は施工管理にまとめています。
参考法令・規格
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
工事写真は「隠れる前」「施工中」「完成後」の3段階で撮り、設計図書との照合が分かるよう黒板を写し込みます。撮影部位・枚数の要件は公共工事写真管理基準で確認してください。
写真のファイル管理(部位別・日付別)は竣工書類提出前に整理します。