けんせつる
建物を解体するとき、除却届以外にも届け出が必要なことがあるって聞いたけど?
この記事の要点
建築物除却届は建築基準法第15条第1項に基づき、延べ面積が10㎡を超える建物を除却(解体)する際に、着手前に都道府県知事に提出する届け出です。
アスベスト含有の建物は大気汚染防止法に基づく別途届け出も必要になります。
建築物除却届は、建てるときの建築工事届(第15条第1項)と対になる手続きです。
建てる・壊すで届け出が必要という構造は、どちらも統計・行政把握のためです。
延べ面積が10㎡を超える建築物を除却する場合に届け出が必要です。
建築工事届の「床面積の合計10㎡超」と同じ水準ですが、除却届の場合は「延べ面積」という表現を使います。
10㎡以下の物置・小屋は届け出不要ですが、防火地域・準防火地域内であれば小規模でも届け出が必要な場合があります(特定行政庁の規則による)。
提出先は都道府県知事です。
タイミングは除却工事の着手前です。解体を始めてから届け出ることはできません。
解体業者が代行して提出する場合も多いですが、届け出義務は建築物の所有者または管理者にあります。
建築物除却届とは別に、アスベスト(石綿)含有の建材がある場合は大気汚染防止法に基づく「特定粉じん排出等作業実施届出書」の提出が必要です。
こちらの提出先は都道府県知事または政令市長で、除却工事開始の14日前までに提出しなければなりません。
ちなみに、2006年以降に建設された建物は原則としてアスベスト不使用ですが、それ以前に建てられた建物は石綿含有建材が使われている可能性があります。解体前の事前調査が義務付けられているため、古い建物を解体する際は事前調査結果を必ず確認してください。
| 届け出 | 根拠法 | 提出先 | タイミング |
|---|---|---|---|
| 建築物除却届 | 建築基準法第15条第1項 | 都道府県知事 | 着工前(期限規定なし) |
| 特定粉じん排出等作業実施届出書 | 大気汚染防止法 | 都道府県知事等 | 着工14日前まで |
混同しやすい用語の整理
建築物除却届は建物を解体する際に建築主・所有者が行政へ提出する届け出です。解体工事業登録は解体工事を請け負う業者側の話で、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)に基づき、解体工事業を営む者が都道府県知事の登録を受けるものです。
届け出をするのが誰か(発注者か事業者か)、根拠法令が何かを区別してください。
建設リサイクル法の特定建設資材の種類・対象規模基準(解体80㎡以上等)は、国土交通省の資料(下図)に示されています。
延べ床面積80㎡以上の建築物の解体工事は、建設リサイクル法(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律)に基づく分別解体・再資源化の義務があります。
こちらは建築物除却届とは別の手続きで、発注者は工事に着手する前に解体工事業者に対して一定の書面を交付する義務があります。
建設リサイクル法の届け出先は都道府県知事(具体的には各都道府県の担当窓口)で、着工の7日前までに行います。
建設リサイクル法における届出から分別解体・再資源化完了報告までの手続きの流れは、国土交通省の資料(下図)に示されています。
施工管理の基本は施工管理にまとめています。
建築物除却届はどの法律の何条に基づくか?
建築基準法第15条第1項。
(出題例:2級令和元年前期 問35)
建築物除却届が必要になる建物の規模は?
延べ面積が10㎡を超える建物を除却(解体)する場合。
アスベスト含有建材がある建物を解体する場合、除却届以外に必要な届け出は?
大気汚染防止法に基づく特定粉じん排出等作業の実施届(着工14日前まで)。
参考資料
・建築基準法 第15条第1項(建築物除却届)
・大気汚染防止法(石綿関連規定)
・建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)
※ この記事の確認日:2026年5月
施工管理のポイント
解体工事では建築物除却届・アスベスト届出・建設リサイクル法の手続きが重なります。3つを別々に管理するのではなく、「解体前の届け出チェックリスト」として一本化して管理するのが実務での鉄則です。
どれかが漏れると着工が止まることになります。