けんせつる
「給水管の水圧試験って何MPaで何分保持するの?排水管は満水試験と通水試験どっちをやるの?」
この記事の要点
設備配管工事の完成後には、漏水・強度を確認するための試験が義務付けられています(公共建築工事標準仕様書 機械設備工事編)。
設備配管は竣工後に隠蔽されるため、施工中の試験で合否を確認しておく必要があります。主な試験の種類は次のとおりです。
| 試験の種類 | 対象配管 | 目的 |
|---|---|---|
| 水圧試験(耐圧試験) | 給水管・給湯管・消火管等の圧力配管 | 圧力をかけて継手・バルブからの漏水・強度不足を確認 |
| 満水試験 | 排水管・雨水管等の重力流れ配管 | 管内を満水にして漏水・水位低下がないことを確認 |
| 通水試験 | 給水管・排水管 | 実際に通水して流量・流れの良否・詰まりを確認 |
| 気密試験(漏気試験) | ガス配管・空調ダクト | 空気圧をかけて漏れがないことを確認 |
ザックリ言えば、「圧力がかかる配管は水圧試験、重力で流れる配管は満水試験」と覚えておくとよいでしょう。
給水配管の水圧試験は、公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)に基づき次の基準で実施します。
| 項目 | 基準値 |
|---|---|
| 試験圧力 | 0.75MPa以上(または最高使用圧力の1.5倍以上の高い方) |
| 保持時間 | 60分間 |
| 判定基準 | 漏水がなく、圧力降下がないこと |
| 試験範囲 | 系統ごと(区画ごと)に実施。バルブ・機器を切り離して配管のみを試験する場合もある |
施工管理での確認ポイントは次のとおりです。
排水管・雨水管等の重力排水系統には満水試験を実施します。
| 項目 | 基準値 |
|---|---|
| 試験方法 | 管端部(最下流)を閉塞し、系統の最上部まで水を満たした状態にする |
| 保持時間 | 30分間 |
| 判定基準 | 漏水がなく、水位の低下がないこと |
| 確認箇所 | 継手・伸頂通気管の接続部・スリーブ貫通部等 |
排水管の満水試験は天井・壁を閉じた後には実施できません。必ず天井下地施工前・内壁下地施工前に行います。
試験後に不具合が発見された場合は、その場で修繕してから再試験します。
試験後に通水試験(実際に水を流してスムーズに排水されるか確認)も行うことで、勾配不足・異物詰まりを事前に確認できますね。満水試験で「漏れない」、通水試験で「流れる」、この2つが揃って配管工事の完了確認ですね。
給湯管と消火管も水圧試験が必要ですが、給水管とは試験圧力が異なります。
| 配管の種類 | 試験圧力の目安 | 保持時間 |
|---|---|---|
| 給水配管 | 0.75MPa以上(または最高使用圧力の1.5倍以上) | 60分 |
| 給湯配管 | 最高使用圧力の1.5倍以上(ただし0.75MPa以上) | 60分 |
| 消火管(スプリンクラー等) | 設計仕様書による(一般に0.2~0.98MPa等、消防法令に準拠) | 2時間(消防法令による) |
スプリンクラー設備の配管試験は消防法施行規則に基づく独自の基準があり、消防設備士の立ち会いのもとで実施することが必要です。施工管理者は各配管系統に適用される基準を設計図書・仕様書で事前に確認しておくべきでしょう。
混同しやすい用語の整理
水圧試験:ポンプで圧力をかけて(加圧して)漏水を確認する。給水・給湯・消火等の圧力配管に使用。
満水試験:管内を水で満たして(重力状態で)漏水を確認する。重力で流れる排水管・雨水管に使用。
加圧しない。
満水試験:静止状態(水を流さない)で漏水・水位低下を確認する。施工品質の確認。
通水試験:実際に水を流して、流量・勾配・詰まりがないかを確認する。機能確認。
→ 満水試験で「漏れないか」、通水試験で「流れるか」を確認する。
Q1. 給水配管の水圧試験(耐圧試験)の試験圧力と保持時間はいくらか。
A. 0.75MPa以上(または最高使用圧力の1.5倍以上の高い方)で60分間保持する(公共建築工事標準仕様書 機械設備工事編)。
Q2. 排水配管の満水試験の保持時間はいくらか。
A. 30分間。管内を満水にして30分間保持し、漏水・水位低下がないことを確認する。
Q3. 設備配管の試験を天井・壁を閉じる前に実施しなければならない理由は何か。
A. 天井・壁を閉じた後に漏水が発覚した場合、内装を開口して修繕する必要があり工期・コストの損失が大きいため。隠蔽前の試験が唯一の確認機会となる。
Q4. 水圧試験と満水試験はそれぞれどのような配管に適用されるか。
A. 水圧試験:給水・給湯・消火等の圧力配管(ポンプで加圧して試験)。満水試験:排水・雨水等の重力流れ配管(加圧せず満水状態で試験)。
設備工事の施工管理は施工管理の視点でまとめています。
参考資料
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
設備配管の試験で注意すべきトラブルとして「試験のタイミングが遅れる」問題があります。「天井を閉じる前にやろうと思っていたが、他工種の都合で先に天井ボードを張ってしまった」という事例が施工失敗事例として記録されています。
試験実施の責任者・タイミング・工程上の位置を着工前の施工計画で明確にし、工程表に「設備配管試験」を独立したチェックポイントとして記載しておくことが重要です。また、試験に合格したことを「写真+試験成績書」の形で記録しておくと、竣工検査・引渡し時に有効な証跡になります。