けんせつる
水圧試験って何をどう確認するの?試験圧力はどうやって決まるの?不合格だったときはどうするの?
この記事の要点
水圧試験は配管に規定の圧力をかけて漏水・耐圧性能を確認する試験です。給水設備・消火設備など系統ごとに試験圧力と保持時間が定められており、公共建築工事標準仕様書では試験圧力は最高使用圧力の1.5倍(最小0.75MPa)、保持時間60分などと規定されています。
施工管理では配管隠蔽前のタイミングで立会い確認することが重要です。試験後は圧力計・時計が写った施工写真を記録として残します。試験が不合格だった場合の対応フローも事前に確認しておく必要があります。
水圧試験は設備業者が実施しますが、施工管理者も試験条件と確認フローを理解しておかないと、隠蔽後に漏水が判明したときの対応が後手に回るわけです。
配管工事では施工中に継手の締め忘れ・パッキン不良・溶接欠陥などが発生することがあります。これらは目視では発見しにくいため、圧力をかけて漏水を強制的に顕在化させるのが水圧試験です。
特に重要なのは「配管を壁や床に隠蔽する前」に実施することです。隠蔽後に漏水が判明すると、仕上げ材を撤去して配管にアクセスする必要が生じ、工期と費用の両方に大きなダメージを与えます。
ザックリ言えば、「水圧試験は隠蔽前のラストチャンス」ということです。このタイミングを逃さないよう工程に組み込んでおくことが施工管理の核心です。
試験条件は系統と設計によって異なりますが、公共建築工事標準仕様書を参考に整理すると以下のとおりです。
| 系統 | 試験圧力の目安 | 保持時間の目安 |
|---|---|---|
| 給水管 | 最高使用圧力の1.5倍(最小0.75 MPa) | 60分間 |
| 消火設備(スプリンクラーなど) | 最大常用圧力の2倍以上(最小1.4 MPa) | 2時間(消防法施行規則第17条の3の3による) |
| 空調冷温水管など | 最高使用圧力の1.5倍(最小0.75 MPa) | 60分間 |
実際の試験圧力は設計図書(仕様書)に記載された値に従うことになるわけです。施工管理者は設計図書の試験条件を事前に確認しておく必要があります。
例えば、給水ポンプの揚程が高い高層建物では最高使用圧力が高くなるため、試験圧力も高く設定されます。低層建物の感覚で試験圧力を設定すると、基準未達になるので注意が必要です。
施工管理者として水圧試験の立会い・確認で押さえておくべきポイントは次のとおりです。
試験前の確認
試験中の確認
試験後の確認
水圧試験で圧力低下が発生した場合、以下の手順で対応します。ここは競合記事では詳しく書かれていない部分ですね。
ザックリ言えば、「不合格が出ても隠さず報告して再試験すれば問題ない。隠して隠蔽工事を進めることが最大のリスク」ということです。
混同しやすい用語の整理
水圧試験は規定の圧力を加えて配管の耐圧・漏水を確認する試験で、給水・消火設備の加圧配管に対して行う。水張り試験は配管を密閉して満水にし、水位低下(漏水)を確認する試験で、排水管や防水工事の確認に使われる。加圧するかしないかが最大の違い。
常用圧力(最高使用圧力)は実際の使用時にかかる最大の圧力。試験圧力はその1.5倍(または2倍)の値で、通常運用より高い圧力をかけることで欠陥を顕在化させる。試験圧力は常用圧力より高い値に設定される。
給水設備の水圧試験において、公共建築工事標準仕様書が定める試験圧力の基本原則は何か?
最高使用圧力の1.5倍(最小0.75 MPa)の圧力を60分間加え、圧力低下がないことを確認する。実際の試験条件は設計図書に記載された値に従う。試験前にエア抜きを行い、圧力計の検定期限を確認しておく。
水圧試験中に圧力が低下した場合、最初に行うことは何か?
圧力を下げて配管全体を目視巡回し、漏水箇所を特定する。継手・フランジ・溶接部・バルブ周辺を優先的に確認する。漏水箇所を特定できない場合は区画を分割して試験し直す方法もある。特定後は是正工事を行い、再試験を実施する。
水圧試験の写真記録として最低限写すべきものは何か?
圧力計・時計(試験時刻の確認用)・気温計(温度補正の根拠)が同時に写った写真。試験開始時・保持中・試験終了時の3枚が基本。圧力計の読み値と時刻を1枚の写真に収めることで、保持時間と試験圧力を証明できる。
設備工事の施工管理は施工管理の視点でまとめています。
参考資料
・公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)(国土交通省大臣官房官庁営繕部)
・消防法施行規則(スプリンクラー設備の技術基準)
・給水装置の構造及び材質の基準を定める省令
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
水圧試験は「設備業者に任せておけばいい」と思いがちですが、施工管理者が立会いしないと写真記録が不十分になったり、不合格のまま隠蔽されるリスクがあります。
特に問題になるのが「試験圧力は正しいが保持時間が短い」ケースです。
設備業者が工程に追われて保持時間を省略することがあります。施工管理者が試験開始時刻と終了時刻を記録した写真を確認することで、この種の手抜きを防げます。