けんせつる
同時使用係数って何?どんな場面で使うの?
この記事の要点
同時使用係数とは、建物内のすべての給水器具や電気機器が同時に使用されることはないという前提のもとで、実際の使用量(負荷)を算出するために用いる係数のことです。
同時使用係数を乗じることで、設計上の給水管径・電気幹線の容量を現実的な数値に合わせて決定できます。建築士試験の設備問題でも出題される概念です。
もし建物内の全器具が同時に使用されると仮定して給水管や電気幹線を設計したら、設備が過大になって非経済的になります。
実際には全器具が一斉に使われることはほぼなく、同時使用係数を使うことで現実に合った適切な容量の設備を設計できます。
給水設備では、給水管の管径を決定する際に同時使用係数を使います。
建物内の給水器具(水栓・シャワー・便器等)の数が多くなるほど、同時使用係数は小さくなります。器具の総数が多いほど全部が一斉に使われる確率が下がるからです。
| 器具の数 | 同時使用係数の傾向 |
|---|---|
| 少ない(数個) | 大きい(0.7~1.0程度)。少ない器具で全部同時使用の確率が高い。 |
| 多い(数十個以上) | 小さい(0.3程度以下)。全器具が同時使用される確率が低い。 |
ザックリ言えば、「器具が多いほど同時使用係数は小さく・器具が少ないほど大きい」ということです。
電気設備では、幹線の容量や変圧器の容量を決める際に同時使用係数(需要率)を使います。
すべての照明器具・コンセント負荷・空調設備が同時にフル稼働することは通常ないため、設備容量の合計に同時使用係数を乗じて実際の需要電力を求めます。
| 計算の考え方 | 説明 |
|---|---|
| 設備容量の合計(kW) | 建物内の全電気機器のカタログスペックの合計 |
| × 同時使用係数(需要率) | 実際の使用パターンを反映した係数(0.5~0.8程度) |
| = 最大需要電力(kW) | 設計上の受電容量の基準になる |
同時使用係数そのものは設計者が決定します。施工管理者が確認すべきポイントはこちらです。
施工途中で給水器具の数が増えたり・電気機器の容量が変わったりすると、設計時に設定した同時使用係数の前提が崩れることがあります。
混同しやすい用語の整理
どちらも「全設備が同時稼働しない」という考え方に基づいた係数です。同時使用係数は給水設備で使われることが多く、需要率は電気設備の幹線・変圧器容量計算で使われることが多いです。
考え方は同じですが、適用する設備分野と計算方法が異なります。
同時使用係数(需要率)は「最大需要電力÷設備容量合計」で表す係数です。負荷率は「平均需要電力÷最大需要電力」で表す係数で、設備の稼働状況を示します。
どちらも設備容量の計画・管理に使う係数ですが、対象とする時間軸・目的が違います。
同時使用係数とは何か、一言で説明すると?
建物内の全給水器具・電気機器が同時に使用されないことを前提に、実際の負荷(使用量)を算出するための係数。全器具数が多いほど小さくなる傾向がある。
給水設備で器具の総数が多くなると、同時使用係数はどうなるか?
小さくなる。器具数が多くなるほど全器具が同時使用される確率が下がるため、係数は小さい値になる。
施工途中に給水器具が増設された場合、施工管理者がすべき確認は?
設備設計者に給水管径(設備容量)の再確認を求める。器具数の変化で同時使用係数の前提が崩れ、管径不足になる場合があるため。
設備工事の施工管理は施工管理の視点でまとめています。
> 設備工事の施工管理ポイントを確認する
参考法令・規格
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
同時使用係数は設計図書の仕様確認が最初です。給水設備は衛生器具の数・用途から計算、電気設備は最大需要電力から割り出します。
設計と現場の器具数が合っているか竣工前に必ず照合してください。