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けんせつる
火災のときと地震のとき、エレベーターはどっちも1階まで降りるの?
エスカレーターの速さって、決まりがあるの?
この記事の要点
昇降設備(エレベーター・エスカレーター)は、非常時の動きと部位ごとの数値が建築基準法施行令で決められています。
建築物に設ける昇降設備は、エレベーターとエスカレーターをまとめて1問で問われることが多い分野です。まず、非常時にいちばん問われる「管制運転」の動きを断面で押さえます。
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管制運転とは、火災や地震などの非常時に、エレベーターを自動で安全な階へ動かして運転を休止させる機能です。
何から人を守るかで、向かう階が変わります。
| 種類 | きっかけ | 動き |
|---|---|---|
| 地震時管制運転 | 地震(P波・S波)の感知 | 最寄階に停止して戸を開き、運転を休止 |
| 火災時管制運転 | 火災報知器の感知 | 避難階(ふつう1階)へ帰着して戸を開き、運転を休止 |
| 自家発時管制運転 | 停電(非常電源に切替) | 順次、避難階等へ帰着して休止 |
地震時に最寄階で止めるのは、揺れの中で動かし続けるとロープや機器が損傷し、かごに人が閉じ込められる危険があるためです。だから一刻も早く近い階で降ろします。
火災時に避難階まで運ぶのは、煙が広がる中間階で戸を開くと危険なためです。1階まで降ろしてから外へ出します。
覚え方はシンプルです。地震=近い階ですぐ降ろす/火災=1階まで運んでから降ろす。問題はこの「降りる階」を入れ替えて誤りの肢を作ってきます。
エスカレーターは、踏段の勾配が急になるほど許される定格速度の上限が下がるのが基本です。乗り降りの危険が増すぶん、速度を抑えるためです。
| 勾配 | 定格速度の上限 |
|---|---|
| 8°以下 | 毎分50m以下 |
| 8°を超え30°以下 | 毎分45m以下 |
| 30°を超え35°以下 | 毎分30m以下 |
いちばん問われるのは中段で、勾配30°以下のエスカレーターは毎分45m以下です。これを「毎分50m」とすり替えるのが定番の誤りです。
あわせて、踏段と踏段(踏段相互間)のすき間は、原則として5mm以下とします。挟まれを防ぐための基準です。
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エレベーターでよく問われる数値は次のとおりです。どれも「以下」で押さえる上限値で、似た数字が並ぶので取り違えに注意します。
エレベーターの据付は、揚重から始まり、ガイドレールの取付け・芯出し、乗場出入口装置の据付け、機械室の機器の取付け、かごとつり合いおもりの組立てへと進みます。最後に調整・試運転・検査を行います。
施工管理では、工程ごとに次を確認します。
据付の良否は完成後の乗り心地・安全に直結するため、隠れる前の各段階で工事写真に残します。
昇降設備は、令和5年度から令和7年度まで、1級でほぼ毎年問われています。引っかけは大きく2パターンです。
| 年度・級・No. | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 1級 令和5年 No.19 | 火災時管制運転を「最寄階に停止」とした → 避難階へ帰着 ←①管制運転の向き |
| 1級 令和7年 No.19 | 勾配30°以下のエスカレーター定格速度を「毎分50m」とした → 毎分45m以下 ←②数値 |
| 1級 平成27年 No.19 | 地震時管制運転を「避難階へ帰着」とした → 最寄階に停止 ←①管制運転の向き |
つまり火災時は避難階へ帰着・地震時は最寄階に停止、エスカレーターは勾配が急になるほど定格速度の上限が下がる(30°以下で毎分45m以下)。管制運転の向きと数値の取り違えが誤りです。各行は該当する過去問解説にリンクしています。
混同しやすい用語の整理
どちらも昇降設備(昇降機)ですが、問われる基準が別です。エレベーターは床先の水平距離4cm・定員1人65kg・停電時照明・管制運転など。エスカレーターは勾配ごとの定格速度・踏段すき間5mmなどで、別々に押さえます。
定格速度は、エレベーターやエスカレーターが通常運転で動く速さの基準値です。定格積載量は、エレベーターのかごに積める最大の荷重で、最大定員(1人65kgで計算)の根拠になる値です。速さと重さで別物です。
火災時管制運転は、エレベーターをどの階へ向かわせる機能か。
避難階(ふつう1階)へ自動的に帰着させ、戸を開いて運転を休止させます。最寄階に停止させるのは地震時管制運転です。
勾配30°以下のエスカレーターの定格速度は、毎分何m以下とするか。
毎分45m以下です。「毎分50m」は基準を超える誤りで、8°以下なら50m以下、30°超〜35°以下なら30m以下と下がります。
乗用エレベーターの最大定員を計算するとき、1人当たりの体重は何kgとするか。
65kgとして計算し、最大定員を標識で掲示します。
エレベーター据付の試運転・検査で、管制運転は何を確認するか。
火災時は避難階へ帰着・地震時は最寄階で停止して戸が開くか、戸開走行保護装置とあわせて動作を確認します。
設備工事の施工管理全体は設備の施工管理にまとめています。
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参考資料
※ この記事の法令確認日:2026年6月
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まちがえやすいポイント
昇降設備のNo.19は、エレベーターとエスカレーターの数値を1問に混ぜて出してきます。似た「以下」の数値(4cm・5mm・45m・65kg)が並ぶので、どれがどの部位の基準かを部品とセットで覚えるのが近道です。
管制運転は「火災=避難階/地震=最寄階」を、上の模式図の上下の向きで覚えておくと、本番で入れ替えの肢に引っかかりにくくなります。