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捨てコンクリートとは?役割・強度・厚さと墨出しとの関係

商業出版経験のある運営者が、公式資料・標準仕様書・過去問傾向を確認しながら、初学者向けに整理しています。

けんせつる

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捨てコンクリートって何のために打つの?強度はどのくらい必要なの?

この記事の要点

捨てコンクリートとは、基礎工事における墨出しの基準面を作るために根切り底に打設する、構造体以外の無筋コンクリートです。

設計基準強度はFc18以上(公共建築工事標準仕様書)、厚さは50mm程度が標準です。捨てコンクリートは構造体ではないため、鉄筋のかぶり厚さの算定には含みません。

「捨てる」という言葉が入っているので「無駄なコンクリート」と思われがちですが、捨てコンは後工程の精度を左右する重要な下地なんです。

特に墨出しとの関係を正確に理解しておくことが、RC造の基礎工事を管理する上で欠かせません。

捨てコンクリートはなぜ必要なのか

捨てコンクリートの主な目的は3つです。

目的内容
墨出しの基準面の確保根切り底の土や砂利の上ではコンクリートの正確な寸法・位置を出せない。水平で平滑な面を作ることで、通り心・柱心・基礎外形などの墨出しが正確に行える
鉄筋・型枠の作業床の確保平坦な面があることで、鉄筋の配筋・型枠の建て込み作業が安定して行える
地盤からの湿気対策土に直接鉄筋を置くと地盤の湿気でさびが進行する。捨てコンがあることで鉄筋と地盤の間に絶縁層ができる

ザックリ言えば、「精度を出すための作業板であり、設計通りの基礎を作るための下準備」です。構造的な強度は求めていないわけです。

捨てコンクリートの強度と厚さはどう決まるのか

捨てコンクリートは構造体コンクリートほどの強度を必要としませんが、墨出しに耐えられる最低限の強度は必要です。

設計基準強度(Fc値)

公共建築工事標準仕様書では、捨てコンクリートの設計基準強度はFc18以上と規定されています。

一般的な構造体コンクリートが Fc24~Fc36 程度であるのに対し、捨てコンは Fc18 が多く採用されます。

ここは混乱しやすいところですね。「Fc21でもよいか」という疑問が出やすいのですが、Fc18以上であればFc21も適合します。最低基準がFc18ということです。

厚さ

公共建築工事標準仕様書では、捨てコンクリートの厚さは50mm程度を標準としています。

50mmより薄いと墨出しで表面が欠けやすくなり、50mmより厚くしても機能上の効果は変わりません。

現場によっては60mmや70mmにするケースもありますが、設計図書に特記がなければ50mmが基本です。

養生期間はどう考えるのか

捨てコンクリートは構造体ではないため、湿潤養生の義務は構造体コンクリートほど厳格ではありません。

しかし実務上は、打設後3日程度を目安に養生し、十分な強度が出てから墨出し作業を開始するのが一般的なんです。

なぜかというと、早期に墨出しを始めると表面が欠けたり割れたりして、せっかくの基準面が崩れてしまうためです。

捨てコンクリートとかぶり厚さの関係はどうなるのか

ここが最も間違えやすいポイントです。

捨てコンクリートはかぶり厚さの計算に含めてはいけません。

かぶり厚さは構造体コンクリートの表面から鉄筋表面までの距離です。捨てコンは構造体ではないので、捨てコンの厚さをかぶり厚さに加算することはできないわけです。

例えば、土に接するスラブのかぶり厚さは最小40mm以上が必要ですが、これは構造体コンクリートの底面から鉄筋表面までの距離です。捨てコン50mmをかぶりに含めて「合計90mmだからOK」という計算は誤りになります。

現場で何を確認すれば捨てコンクリートの管理ができるか

例えば、捨てコンのレベルが設計より10mm高くなっていると、その上に立てる型枠の高さがずれ、基礎の天端レベルに影響します。小さなズレが後工程まで引きずられるため、打設後すぐにレベルを確認することが大切です。

管理人からのコメント

捨てコンを「どうせ見えなくなるから」と雑に打つ現場があるんですが、これが一番危ない考え方です。

捨てコンのレベルが甘いと墨出しがズレ、その後の配筋・型枠・鉄筋かぶりがすべてズレた状態でそのまま進みます。修正が効かなくなる前に、打設直後のレベル確認を徹底してください。

また「捨てコンはかぶりに含む」という誤解が現場では時折あります。構造体コンクリートとの違いを明確に押さえておくことが重要です。

混同しやすい用語の整理

捨てコンクリート vs 構造体コンクリート

捨てコンクリートは墨出し基準面を作るための無筋コンクリート(構造体ではない)。構造体コンクリートは基礎・柱・梁・スラブなど建物を支える部材に使うコンクリートです。

捨てコンは強度・かぶり厚さの規定対象外。構造体コンクリートはJASS 5・建基令・設計図書の規定が厳格に適用されます。

捨てコンクリート vs 砕石地業

砕石地業は根切り底を締め固めるための砕石(路盤材)の敷設。捨てコンクリートはその砕石地業の上に打つ薄いコンクリート層です。

施工順序は「根切り→砕石地業→捨てコンクリート→墨出し→配筋」が基本です。

一問一答

Q.

捨てコンクリートの設計基準強度の下限値はいくらか?

Fc18以上(公共建築工事標準仕様書)。一般の構造体コンクリート(Fc24~Fc36程度)より低い値が認められているのは、捨てコンクリートが構造体ではなく墨出し基準面を確保するための下地だからである。

Q.

捨てコンクリートの標準的な厚さはいくらか?

50mm程度(公共建築工事標準仕様書)。設計図書に特記がある場合はその指示に従う。

Q.

「土に直接接するスラブのかぶり厚さに、捨てコンクリートの厚さを含めてよい」は正しいか?

正しくない(不適当)。捨てコンクリートは構造体ではないため、かぶり厚さの計算に含めることはできない。かぶり厚さは構造体コンクリートの表面から鉄筋表面までの距離で計測する。

(出題例:2級令和4年後期 問19・関連論点)

Q.

捨てコンクリートを打設する主な目的を2つ答えよ。

①墨出しの基準面(水平で平滑な作業面)を確保すること。②鉄筋・型枠の配置作業の安定した作業床を確保すること。(湿気からの絶縁も目的の一つ)

Q.

捨てコンクリートに鉄筋は必要か?

必要ない。捨てコンクリートは無筋コンクリート(鉄筋なし)である。構造体ではなく墨出し下地としての機能しか持たないため、鉄筋は配置しない。

まとめ

RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。

根切りと掘削の違いは?基礎工事の施工管理ポイントを確認する

墨出しとは?施工管理で確認するポイントを確認する

かぶり厚さとは?を確認する

参考資料

・公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和4年版 第4章 地業工事(国土交通省)

・JASS 5 鉄筋コンクリート工事(日本建築学会)

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けんせつる

建築業界の実務経験をもとに、建築施工管理の用語・施工手順・混同しやすい違いを整理しています。

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